開始年月 |
活動内容 |
終了年月 |
2007年 4月 |
Symposium on Second Language Writing 2007において現地実行委員(Local Associate、総勢4名) |
2007年 9月迄 |
2008年 4月 |
学術団体TESOLにおいてProfessional Development Travel Grants for Practicing ESL/EFL Teachersの査読委員 |
2008年12月迄 |
2009年 |
学術雑誌TESOL Quarterlyの査読委員 |
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2009年 4月 |
学術団体TESOLにおいてProfessional Development Travel Grants for Practicing ESL/EFL Teachersの査読委員 |
2009年12月迄 |
2010年 |
学術雑誌Journal of Writing Researchの査読委員 |
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2010年 4月 |
学術団体TESOLにおいてProfessional Development Travel Grants for Practicing ESL/EFL Teachersの査読委員 |
2010年10月迄 |
2010年 4月 |
学術団体TESOLにおいてProfessional Development Travel Grants for Practicing ESL/EFL Teachersの査読委員 |
2010年12月迄 |
2010年 8月 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2011のための査読委員 |
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2011年 |
学術雑誌TESOL Quarterlyの査読委員 |
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2011年 4月 |
Symposium on Second Language Writing Conference 2012のための査読委員 |
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2011年 9月 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2012のための査読委員 |
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2012年 |
Japanese Society for Language Sciences 2012のための査読委員 |
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2012年 |
学術雑誌Reading and Writing: An Interdisciplinary Journalのための査読委員 |
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2012年 |
Symposium of Second Language Writing Conference 2012のための査読委員 |
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2013年 |
学術雑誌 Applied Linguisticsの査読委員 |
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2013年 |
学術雑誌 Studies in Language Sciencesの査読委員 |
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2015年 |
学術雑誌 Journal of Second Language Writingの査読委員 |
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2015年 |
学術雑誌 Applied Linguisticsの査読委員 |
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2015年 |
学術雑誌 The Modern Language Journalの査読委員 |
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2015年 |
学術雑誌『英語教育研究』の査読委員 |
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2015年 9月 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2016のための査読委員 |
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2016年 |
学術雑誌 Applied Linguisticsの査読委員 |
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2016年 |
学術雑誌 Journal of Second Language Writingの査読委員 |
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2016年 |
学術雑誌 The Modern Language Journalの査読委員 |
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2016年 8月 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2017のための査読委員 |
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2017年 |
学術雑誌Applied Linguisticsの査読委員 |
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2017年 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2019のための査読委員 |
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2018年 |
学術雑誌 Journal of Second Language Writingの査読委員 |
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2018年 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2020のための査読委員 |
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2019年 |
学術雑誌Journal of English for Academic Purposesの査読委員 |
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2019年 |
American Association for Applied Linguistics Conference 2020のための査読委員 |
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2019年 |
学術雑誌Language Learningの査読委員 |
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著書名 |
単著、 共著の別 |
出版年月 |
発行所・発表雑誌等 |
概要 |
インターネットと英語学習 |
共著 |
2001年 3月 |
開文社 |
名古屋大学言語文化部・国際言語文化研究科公開講座委員会(松岡光治、長畑明利、馬場今日子他著者数7名)。P85~P111 「英語学習用マルチメディア教材の選び方」を執筆(単著)。本稿ではマルチメディア教材を使用した第二言語学習に関する研究成果を交えつつ、教材を選択する際に考慮すべき点を提案した。「良い」マルチメディア教材とは何か、という原則を議論し、四つの評価点を挙げた。すなわち、(1)マルチメディアらしさがあるか、(2)使い方が分かりやすいか、(3)内容が面白いか、(4)学習活動を助けている、また、学習する人の認知過程を助けて学習を促進させているか。そして教材を使う際に学習者が自分の学習活動に注意を払い、どの程度自分の学習が促進されているかを批判的に考える重要性を指摘した。(総ページ数: 197ページ) |
Goals for academic writing |
共著 |
2006年 |
John Benjamins |
Alister Cumming, Kyoko Baba, Khaled Barkaoui他総著者数13名。 P125~P141 "Goals, motivations, and identities of three students’ writing in English"をTae-Young Kim, Kyoko Baba, Alister Cummingが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究では三名の中国人・日本人第二言語としての英語(ESL)学習者の一学期間にわたるライティング活動を質的に調査した。理論的枠組みには学習の起こる外的コンテクストに注目する活動理論を用いた。我々は六名の被験者に対しESLプログラムの学期始めと終わりに彼らのライティング・ゴール、ライティングの習慣や困難さなどについて二回の詳しいインタビューを行った。その際にこれまでに書いた作文についても語らせた。(総ページ数:201ページ) |
Analysis of discourse features and verification of scoring levels for independent and integrated prototype written tasks for Next Generation TOEFL |
共著 |
2006年 3月 |
TOEFL Monograph Series Report No. MS-30 Educational Testing Service |
Alister Cumming, Robert Kantor, Kyoko Baba他総著者数6名。全77ページ(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究では新世代TOEFLの開発のために実地試験されている統合型タスク(リーディングあるいはリスニングに基づくライティング)で書かれた談話が従来の独立型タスクのものとどう異なるのかを調査した。統合型タスクは独立型タスクとは異なるライティング能力を測定していることが示され、大学などの学術環境で要求されがちな統合型タスクを独立型タスクと併用することは意義があると結論している。 |
Applied natural language processing and content analysis: Identification, investigation, and resolution |
共著 |
2011年 |
IGI Global |
Philip M. McCarthy, Chutima Boonthum, Kyoko Baba他総著者数54名。 P398~P413 "Dynamic effects of repeating a timed writing task in two EFL university courses: Multi-element text analysis with Coh-Metrix" をKyoko Baba, Ryo Nittaが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。Baba & Nitta (2010)では、日本人大学生が1年間ライティングを繰り返した場合どのような変化が起きるのかを、被験者全体に対して分析を行った。本研究では、Baba & Nitta (2010)をさらに発展させ、異なる目的・教育内容を持つ2つのクラスで同じタスクを行った場合、クラス間にどのような差が現れるのかを比較した。Baba & Nitta (2010)と同様3つの言語側面(流暢さ、語彙的複雑さ、文法的複雑さ)に着目し、新たにmin-max graphを用いた視覚的分析をクラスごとに行った。結果は、2つのクラスで発達のしかたにほとんど差が見られなかった。すなわち、教育内容が異なっていたにも関わらず、2つのクラスでは同様のタスク効果が得られた(文法的複雑さが最も発達した)。本研究ではさらに実際の作文データやインタビューデータも用い、なぜ流暢さではなく文法的複雑さに顕著な発達が見られたのかについて考察を加えた。(総ページ数:621ページ) |
Motivational dynamics in language learning |
共著 |
2014年 |
Multilingual Matters |
Zoltan Dornyei, Peter MacIntyre, Alaster Henry, Kyoko Baba他総著者数26名。P367~P396 "Self-Regulation in the Evolution of the Ideal L2 Self: A Complex Dynamic Systems Approach to the L2 Motivational Self System"をRyo Nitta, Kyoko Babaが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。Baba & Nitta (2014)では、日本人大学生2名に焦点を絞り、case-based methodを用いて、彼女たちが1年間ライティングを繰り返した場合相転移が起きていたことを確認した。この研究ではBaba & Nitta (2014)と同様case-based methodによって、self-regulationが機能することでIdeal-selfが進化し、ライティング力の向上にもつながったことを示した。(総ページ数:456ページ) |
Task-based language teaching: Issues, research, and practice |
共著 |
2014年 |
John Benjamins |
Heidi Byrnes, Rosa M. Manchon, Kyoko Baba他総著者数12名。P107~P136 "Task Repetition and L2 Writing Development: A Longitudinal Study from a Dynamic Systems Perspective"をRyo Nitta, Kyoko Babaが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。Baba & Nitta (2011)では、日本人大学生が1年間ライティングを繰り返した場合どのような変化が起きるのかを調査した。この研究では特にタスクを繰り返すことによる効果について分析を行った。その結果、タスクを一度行うだけでは流暢さ、語彙的複雑さ、文法的複雑さにおいて効果はでないが、30回繰り返すことによって長期的な効果が見られたことを突き止めた。(総ページ数:312ページ) |
『はじめての第二言語習得論講義―英語学習への複眼的アプローチ』 |
共著 |
2016年 8月 |
大修館 |
馬場今日子、新多了が共同執筆(総著者数2名)。本人担当部分は、「はじめに」および第1, 2, 3, 5, 10章。第二言語習得研究分野の最新の研究にも触れつつ概観し、独自の解釈を加えた。第二言語習得研究の基礎知識、母語習得、母語と第二言語の関係性、認知的アプローチ、社会的アプローチ、タスクについて、適性とパーソナリティ、動機づけ、臨界期と早期英語教育、複雑系理論など、本分野で重要とされ現在活発に研究されているテーマをカバーしている。(総ページ数: 207ページ) |
Language learning through repetition |
共著 |
2018年 |
John Benjamins |
Martin Bygate他。P279~P309 "Understanding benefits of repetition from a complex dynamic systems perspective: The case of a writing task"をRyo Nitta, Kyoko Babaが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。この研究ではBaba & Nitta (2014)と同様case-based methodによって、10分間ライティングタスクを毎週繰り返し行った2名の学生に焦点を当て、それぞれのタスクへの取り組み方やライティング発達を比較した。その結果、タスクへの取り組み姿勢がより熱心だった学生はより洗練された自己制御方略を駆使し、その結果ライティングも発達していたのに対し、もう一人の学生はタスクへの取り組みがおざなりで、ライティングにもあまり変化が見られなかった。これにより、ただタスクを繰り返すだけでなく、タスクへの態度が重要であることが示唆された。 |
Reading to learn in a foreign language |
共著 |
2018年 |
Routledge |
Keiko Koda, Junko Yamashita, Kyoko Baba他。P111~P133 "Challenges for an EFL teacher and basic writers: Negotiating space for change under a rigid curriculum"を執筆(単著)。本研究はアメリカと日本のいくつかの大学等にまたがる研究プロジェクトの一部として行った。これは、異なる教育機関においてthe integrative communicative (IC) approachという同一の教育法を実施し、その効果を検証するプロジェクトである。本研究では私自身が担当していた一つのクラスにおいてICアプローチを一学期間実施し、その効果を量的および質的手法で検証した(事前・事後テスト、教師による観察、アンケートなど)。その結果、ICアプローチはリーディング力だけでなく、批判的思考能力や学習意欲にも良い効果があったことが示された。 |
Complex Dynamic Systems Theory and L2 Writing Development |
共著 |
2020年 |
John Benjamins |
Gary G. Fogal, Marjolijn Verspoor他。P3~P25 "Exploring dynamic developmental trajectories of writing fluency: Who benefited from the writing task?"を執筆(単著)。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達パタンの理解:複雑系理論に基づく長期的研究」(課題番号:17K02991、平成29~令和元年)の研究成果の一部を発表。本研究は105名の日本人大学生が授業の中で毎週、1年間時間制限付きライティングを行ったとき、流暢さがどのように変化するのかを、個人発達曲線モデルおよび質的分析を用いて調査した。その結果、作文の流暢さは個人によって有意に違いがあることが判明した。また、発達の仕方が大きかったグループと小さかったグループに分けて質的に分析したところ、発達の仕方が大きかったグループは、ライティング後に行っていた内省の書き方が未来志向で具体的だったこと、そしてタスクに対して肯定的な態度を持っていたことが判明した。 |
Studies and essays on learning, teaching and assessing L2 writing in honour of Alister Cumming |
共著 |
2020年 |
Cambridge Scholars Publishing |
A. M. Riazi, L. Shi, & K. Barkaoui他。P164~P189 "A complex dynamic systems account of written corrective feedback and L2 writing development"をGary G. Fogal, Ryo Nitta, & Kyoko Babaが共同執筆(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究では、複雑系理論の包括性を示すために、第二言語ライティング分野でもっとも研究が行われてきた、教師が与えるwritten corrective feedback (WCF)を取り上げて理論の可能性を論じている。WCFについては、現在までのところ認知的アプローチか、社会文化理論アプローチからのみ研究が行われてきているが、前者は認知的側面のみに、後者は社会的インタラクションのみに焦点を当てているため、WCFの全体像をとらえるには十分ではない。そこで本研究では複雑系理論の概念のうち、特にco-adaptation(相互適応)とiteration(繰り返し)を用いてWCFについての先行研究を再解釈している。その解釈を補強するため、架空の研究を例にとり説明している。最後に、複雑系理論からWCFをとらえることによって大きな教育的示唆も得られることを指摘した。 |
著書名 |
単著、 共著の別 |
出版年月 |
発行所・発表雑誌等 |
概要 |
英語学習用のマルチメディア教材について |
単著 |
2000年 3月 |
『名古屋大学におけるインターネット時代に適応した英語教育の環境整備』平成11年度名古屋大学教育研究改革・改善プロジェクト報告書、名古屋大学言語文化部 |
P41~P55。本稿は馬場(平成13年)の基となった論文である。論文の内容自体に大きな相違はないが、馬場(平成18年)が一般読者に向けて書かれたのに対し、本稿は研究者に向けて書かれたので引用文献や専門用語がより多く、また学術的な表現が用いられている。本稿の内容に関しては馬場(平成18年)の要旨を参照されたい。 |
リスニング能力養成のための自律学習:ディクテーションの効果 |
共著 |
2002年 |
『言語文化論集』32巻第2号名古屋大学言語文化部・国際言語文化研究科 |
杉浦正利、竹内彰子、馬場今日子。P105~P121(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。第二言語としての英語のリスニングにはボトムアップ処理能力を向上させ、練習の絶対量を増やし、個人ベースで自律的な練習をすることが重要であると指摘されてきた。本研究ではこれらの条件を満たす自律学習法としてのディクテーションに効果があるかを調べた。主な結果は(1)ディクテーション訓練はリスニングの向上に効果があった、(2)聞き取る音声のスピードが速くなると聞き取りが困難になる、(3)期末試験の成績に対しては授業中の成績が最も影響が強いという点であった。 |
Locally developed oral skills evaluation in ESL/EFL classrooms: A checklist for developing meaningful assessment procedures |
共著 |
2003年 |
TESL Canada Journal, 21(1) |
David Ishii, Kyoko Baba。P79~P96(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本論文は教室において英語による会話力を評価するための有意義な評価手順を教師、学生、そしてその他の関係者が共に作り上げるにはどうすればよいかを論じている。標準化された評価方法と異なり、個々の教室のために作られた評価基準は学生の性質や目的、そしてその教室特有のコンテクストに対応できるのが強みである。我々は架空の英語学習教室を例にとって質問票を作り、どのように機能するのかを示した。特に、全ての段階において学生の自助学習を促すためにその評価手順に彼らを巻き込む重要性を強調している。 |
Test review: Lex30 |
単著 |
2003年 |
Language Testing Update, 32 |
P68~P71。本稿では第二言語としての英語における発表語彙を測定するLex30 (Meara & Fitzpatrick, 2000)の批評を行った。テストの構成概念妥当性に関しては、採点法が厳しいために弁別力が弱くなっているので、採点法を工夫する必要がある。さらに、Meara and Fitzpatrick (2000)で取り上げられている方法以外にも縦断的研究や同様の構成概念を測定するテストとの比較など妥当性検証の方法を提案した。折半法によるLex30の信頼性は高かったが、再テスト法や平行テスト法などによっても信頼性を確かめると良いだろうと提案している。 |
Activity systems for ESL writing improvement: Case studies of three Chinese and three Japanese adult learners of English |
共著 |
2004年 |
Angles, 4 |
Luxin Yang, Kyoko Baba, Alister Cumming。P13~P33(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究では三名の中国人・日本人第二言語としての英語(ESL)学習者の一学期間にわたるライティング活動を質的に調査した。特に彼らのライティング向上のためのゴールと行為に焦点が当てられた。理論的枠組みには学習の起こる外的コンテクストに注目する活動理論が用いられた。これらの観察に基づき、我々は活動理論の6つの側面それぞれについて一学期間にライティング活動に関して起きた変化をまとめた。 |
Goals for writing improvement in a pre-university ESL program |
共著 |
2004年 |
Special research symposium issue of TESL Ontario's Contact, 30(2) |
Alister Cumming, Micheal Busch, Kyoko Baba他総著者数10名。P23~P28(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本論文はCumming (2003)で行ったシンポジウムを要約し、活字にしたものである。我々は2001年度から開始された研究プロジェクトの元で、第二言語としての英語(ESL)プログラムにおいて学生とその教師がライティング向上のために持つゴールに関して調査をしてきた。今後の研究ではこの学生たちの大学入学後のゴール変化を追う予定である。最後に今回の分析からESL教授に対して得られる示唆を提示した。 |
Reconsidering second-language vocabulary learning: What latent semantic analysis will tell us |
単著 |
2004年 3月 |
How can the native English speakers tell that a speaker is not a native speaker but a learner once they hear the learner speak?Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Report 2001-2003 (No.13610563)(杉浦正利編) |
P61~P77。本論文ではlatent semantic analysis (LSA)という言語知識の認知モデルに照らし、第二言語における語彙習得について考察した。本論文で鍵となるのはLSAの構造を支える理論、特に語の意味に関する理論である。この理論から第二言語の語彙習得に対して示唆されることは、第一に語は文脈から学ぶ必要があるということ。第二に、語彙習得は異なる目的を持ち、異なる言語共同体に属する個々の学習者がその必要に応じて自律的に行うべきだということである。この点に関して語彙の自律学習を推進する方法を述べた。 |
Vocabulary size and lexical communication strategies in L2 language production |
単著 |
2004年 3月 |
Studies in Language Sciences, 3 |
P197~P212。本研究は第二言語作文の最中に起こる語彙的問題(表現したい概念を表す語が思い浮かばないなど)に対処するコミュニケーション方略に焦点を当て、語彙サイズとの関連を調べた。結果は、語彙サイズが大きい学習者ほど複雑な語彙方略を用いていた。語彙サイズが少ないグループは分算出自体に多くの認知的リソースが必要なためそのような複雑な語彙方略を使う余裕がなかったと考えられる。質的分析からも語彙サイズが大きくなるほど語彙選択・認定が繊細になり、より意図する意味に近い語を他の候補の中から選ぶことができるようになることが示唆された。 |
Differences in written discourse in independent and integrated prototype tasks for next generation TOEFL. |
共著 |
2005年 |
Assessing Writing, 10(1) |
Alister Cumming, Robert Kantor, Kyoko Baba他総著者数6名。P5~P43(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究では新世代TOEFLの開発のために実地試験されている統合型タスク(リーディングあるいはリスニングに基づくライティング)で書かれた談話が従来の独立型タスクのものとどう異なるのかを調査した。統合型タスクは独立型タスクとは異なるライティング能力を測定していることが示され、大学などの学術環境で要求されがちな統合型タスクを独立型タスクと併用することは意義があると結論している。 |
Aspects of lexical proficiency in writing summaries in a foreign language |
単著 |
2009年 |
Journal of Second Language Writing, 18 |
P191~P208。本研究では、語彙知識が日本人英語学習者の英語による要約作文にどのような影響を与えるのかを調査した。68人の被験者に英語要約作文、各種英語語彙テスト、英語読解力テスト、日本語語彙テスト、日本語作文を行ってもらった。重回帰分析を用い、英語語彙力以外の要因をコントロールした上で、英語語彙能力の4側面のどれが最も英語要約作文能力に影響を与えるかを調べた。その結果、語彙定義能力のみが英語要約作文に有為な影響を与えていたことがわかった。考察では被験者の作文も分析し、具体的に語彙定義能力がどのような影響を与えたかについて質的分析も行った。(本研究はBaba(2007)の博士研究のデータを用いているが、異なる視点から新たに分析をしたので、Baba(2007)とは別の独立した研究である。) |
Effects of task type practice on the Japanese EFL university student's writing from a dynamicc systems perspective: A longitudinal study utilizing multi-level text analysis |
共著 |
2010年 3月 |
『金城学院大学論集(社会科学編)第6巻第2号』 |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。P61~P72 (共同研究につき本人担当部分抽出不可)。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。「流暢さ、語彙的複雑さ、文法的複雑さ」の3つの側面のうち、文法的複雑さが他の側面より発達していたこと、また個人によって発達パタンに相違があることをグラフをパタン分けすることによって示した。 |
Dynamic effects of task type practice on the Japanese EFL university student's writing: Text analysis with Coh-Metrix. |
共著 |
2010年 4月 |
Proceedings of the 23rd International Florida Artificial Intelligence Research Society Conference |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。P217~P222 (共同研究につき本人担当部分抽出不可)。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。「流暢さ、語彙的複雑さ、文法的複雑さ」の3つの側面のうち、文法的複雑さが他の側面より発達していたこと、また個人によって発達パタンに相違があることをグラフをパタン分けすることによって示した。本論文は、分野外からの応募であったにも関わらず、この論文集に受理された168本の論文中総合で9位にランクされ、Applied Natural Language Processing (ANLP)のカテゴリでは第2位と評価された。 |
Reflection in second language writing: A longitudinal study of task repetition from a Complexity Theory perspective |
単著 |
2011年 9月 |
『金城学院大学論集(社会科学編)第8巻1号』 |
P70~P101。本研究では英語でライティングをした後それについて振り返ること(内省)が英語ライティングの発達にどのような影響を与えるかを複雑系理論の観点から調べた。2クラスの日本人大学生に1年間毎週英語ライティングとそれについての内省文を書いてもらった。1つのクラス(the Short Reflection Class)は短い感想文のみを、もう一方のクラス(the Extended Reflection Class)では長く、詳細な内省文を書いた。分析の結果、2つのクラス間では流暢さの発達に顕著な差が見られ、the Extended Reflection Classで流暢さが発達したのに対し、the Short Reflection Classではあまり発達していなかった。流暢さがどのように発達したかをより詳しく調べるため、さらにthe Extended Reflection Classの学生3人の事例研究を行った。その結果、急激な変化(位相シフト)が起きるの時期と回数、その性質には個人差があるが、位相シフトが起きた学生は起きなかった学生と比べて内省文をより詳しく書いたり、授業外に何らかの努力を行っていたことが明らかになった。 |
Relationship between second language speaking and writing skills and modality preference of university EFL students |
単著 |
2013年 |
『金城学院大学論集(社会科学編)第10巻1号』 |
Kyoko Baba, Yuri Takemoto, & Miho Yokochi。P56~P68 (全編を馬場が執筆)本研究では3つの言語的側面(流暢さ、語彙的複雑さ、統語的複雑さ)に焦点を当て、日本人大学生の英語スピーキングとライティング能力を比較した。また、スピーキングとライティングについて本人が思う得意・不得意と彼らの実際のパフォーマンスも比較した。被験者は英語を外国語として学習している26名の日本人大学生であった。被験者は6コマ漫画をスピーキングおよびライティングによって描写し、その後どちらのモードが得意かについてのアンケートに回答し、さらにその回答について詳しくインタビューを受けた。分析はテキストの長さ、語彙的複雑さ (MTLD)、内容語頻度、そして平均文長について行われた。その結果、被験者はスピーキングと比較してライティングにおいてより多様な語を用い、また短い文を書いていたことがわかった。被験者のうち70%がライティングが得意だと回答したが、約半数はスピーキングもライティングも同じようによくおこなっていた。さらに分析すると、語がすらすらと思い浮かぶかどうかによってスピーキングとライティングの得意・不得意が影響を受けること、そして留学経験によっても影響が出ることが示唆された。 |
Phase transitions in dynamic development of writing fluency from a complex dynamic systems perspective |
共著 |
2014年 |
Language Learning |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。P1~P35 (共同研究につき本人担当部分抽出不可)。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティングの変化:複雑系理論アプローチからの長期的研究」(課題番号:24520716、平成24~28年度)の研究成果の一部を発表。本研究は流暢さに焦点を当て、複雑系の観点から第2言語ライティングの発達パタンを調査することを目的とした。2名の日本人大学生が1年間毎週時間制限付きライティングを繰り返すことで相転移 (Phase transition)を起こすのかを調べた。2名の学生は毎回の授業で時間制限付きライティングを行い、その直後に自分のライティングについて日本語で内省文を書いた。相転移の有無は4つの基準によって判別された(sudden jumps, anomalous variance, divergence, and qualitative changes in the attractor)。その結果、2名の学生は流暢さの発達の仕方に違いはありながらも、少なくとも一度は相転移を経験していたことがわかった。この結果は、細かい発達の仕方に個人差があったとしても、より大きな視点で見れば発達パタンに共通性を見出すことができる、ということを示している。 |
複雑系とは? |
共著 |
2014年10月 |
『英語教育』63巻7号 |
新多了、馬場今日子。P52~P53 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第1回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿では複雑系とは何かについて説明している。 |
わずかな差が、大きな違いに拡大する:バタフライ効果 |
共著 |
2014年11月 |
『英語教育』63巻9号 |
新多了、馬場今日子。P52~P53 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第2回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿ではバタフライ効果に焦点を当て、反復によって様々な要因が絡み合い、個々の学習者が思わぬ反応を示したり、学習効果にも違いが生まれることなどを説明している。 |
大事な変化はいつ起こるかわからない—相転移と創発 |
共著 |
2014年12月 |
『英語教育』63巻10号 |
馬場今日子、新多了。P52~P53 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第3回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿では学習や発達において重要な変化は突然起きることがあり、それは英語学習にも当てはまることを説明している。この突然の変化である相転移の特徴を紹介しつつ、それをどう英語教育に生かせばよいかを提案している。 |
時間が経てば、落ち着くところに落ち着く:自己組織化とアトラクター |
共著 |
2015年 1月 |
『英語教育』63巻11号 |
新多了、馬場今日子。P64~P65 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第4回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿では自己組織化するシステムではアトラクターの状態(そのシステムがその時点で落ち着きやすい状態)になりがちであるということを解説している。学生一人一人をシステムと考えると、自立学習をうながすこと、そして長期的な視点で成長を見ていくことが重要であると主張した。 |
複雑系理論の研究手法 |
共著 |
2015年 2月 |
『英語教育』63巻12号 |
馬場今日子、新多了。P52~P53 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第5回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿では複雑系理論を用いて研究を行う際の研究手法の特徴を説明している。長期的な変化をとらえること、視覚にうったえるような提示の仕方をすること、システムを取り囲む環境を必ず考慮することなどの重要性を説いている。 |
現場に根ざした理論を目指して |
共著 |
2015年 3月 |
『英語教育』63巻13号 |
新多了、馬場今日子。P70~P71 (共同執筆につき本人担当部分抽出不可)。連載「〈複雑系〉で英語学習観が変わる―SLAの最新理論から」第6回。本連載では第二言語習得研究分野に最近登場した複雑系理論について主に中学校・高校の先生方や研究者一般に向けてわかりやすく解説している。本稿では複雑系理論は現場主義のアプローチであり、学生一人一人を「人間」としてとらえ、実際の社会や環境での成長を見ていくということを説明している。それゆえこれまでの研究とは違った新しい視点をSLA研究にもたらし、より教育的示唆に富む研究成果を生み出せるのではないか、と主張している。 |
Dynamic patters of developmental trajectories of writing fluency from a complex dynamic systems perspective: An exploratory study |
単著 |
2018年 9月 |
『金城学院大学論集』 |
P96~P116 。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達パタンの理解:複雑系理論に基づく長期的研究」(課題番号:17K02991、平成29~31年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学の英語授業において同じライティングタスクを1年間繰り返した場合、流暢さが学習者によって異なる発達パタンを示すのか、そしてもし人によって発達パタンが異なる場合はその原因は何かを探った。105人の大学生のライティングデータに対し、individual growth curve (IGC) modelingという統計分析を行ったところ、全体としてゆるやかだが流暢さが増したことがわかった。しかし、発達の仕方には個人差があることも示されたので、発達が起きたグループとあまり起きなかったグループに分けて分析したところ、両グループではライティング後の内省文の書き方が異なったことが判明した。さらに3人の学生のケーススタディを行い、発達パタンを詳細に分析した。 |
Effects of web-based communication tasks on the development and transferability of audience awareness in L2 writers: Two exploratory studies |
共著 |
2020年 |
Australian Review of Applied Linguistics |
Miyuki Sasaki, Kyoko Baba, Ryo Nitta, & Paul K. Matsuda。P277~P301(共同研究につき本人担当部分抽出不可)。本研究は、SNS上のライティングによって、日本人大学生のaudience awareness(読み手への意識)が高まるのか、また異なるgenre(ジャンル)にその意識が転移するのかについて調査した。二つの大学の学生が、毎週決まったテーマについてSNS上に英語で投稿し、お互いにコメントをつけ合う、というタスクを5週間行い、その前後でaudience awarenessについてアンケートを行った。その結果、SNS上のタスクを行うことでaudience awarenessが高まったことが示された。また、このaudience awarenessは、2つの条件を満たした場合、アカデミック・エッセイという異なるgenreに転移したことも判明した。2つの条件とは、(1)SNS上のタスクとアカデミック・エッセイの間の類似性に書き手が気づいていた場合、そして(2)この研究に参加する前にaudience awarenessをすでに有していない場合であった。 |
題目/演目名等 |
発表年月 |
発表学会名等 |
概要 |
The roles of learners’ vocabulary in sentence production of L2 composition: A case study |
2000年 8月 |
The Second annual conference of The Japanese Society for Language Sciences, Kyoto, Japan |
修士研究の結果の一部を発表 |
Vocabulary size and lexical communication strategies in L2 language production |
2001年 6月 |
The third annual conference of The Japanese Society for Language Sciences, Tokyo, Japan |
修士研究の結果の一部を発表 |
ESL Learners' goals as activity systems: Case studies of three Chinese and three Japanese Students |
2003年11月 |
Symposium conducted at the meeting of TESOL Ontario Conference, Toronto, Canada |
Luxin Yang, Kyoko Baba, Alister Cumming。本研究では三名の中国人・日本人第二言語としての英語(ESL)学習者の一学期間にわたるライティング活動を質的に調査した。特に彼らのライティング向上のためのゴールと行為に焦点が当てられた。理論的枠組みには学習の起こる外的コンテクストに注目する活動理論が用いられた。これらの観察に基づき、我々は活動理論の6つの側面それぞれについて一学期間にライティング活動に関して起きた変化をまとめた。 |
Knowing and using words in adult EFL students’ summary writing |
2005年 4月 |
The annual conference of the Canadian Association of Applied Linguistics, London, Ontario, Canada |
博士研究の結果の一部を発表 |
Use of words in adult EFL students’ summary writing |
2005年 4月 |
The Dean’s Graduate Student Research Conference, Toronto, Canada |
博士研究の結果の一部を発表 |
The impact of lexical proficiency on summary writing in a second language |
2005年 7月 |
The 14th World Congress of Applied Linguistics, Madison, WI, United States |
博士研究結果の一部を発表 |
Two students’ identities as writers |
2005年 7月 |
The 14th World Congress of Applied Linguistics, Madison, WI, United States |
Tae-Yong Kim, Kyoko Baba, Alister Cumming。本研究では三名の中国人・日本人第二言語としての英語(ESL)学習者の一学期間にわたるライティング活動を質的に調査した。理論的枠組みには学習の起こる外的コンテクストに注目する活動理論を用いた。我々は六名の被験者に対しESLプログラムの学期始めと終わりに彼らのライティング・ゴール、ライティングの習慣や困難さなどについて二回の詳しいインタビューを行った。その際にこれまでに書いた作文についても語らせた。 |
日本人大学生の第二言語による要約作文と語彙能力 |
2005年 9月 |
大学英語教育学会第44全国大会(玉川大学) |
博士研究結果の一部を発表 |
Writing and dimensions of lexical proficiency in a second language: Focusing on a summary-writing task |
2006年 6月 |
The joint AAAL and ACLA/CAAL conference, Montreal, Canada |
博士研究結果の一部を発表 |
Non-native English writers’ voice in political and intercultural weblog discussions |
2007年 9月 |
Symposium on Second Language Writing, Nagoya, Japan |
Kyoko Baba, Yasuhiro Imai。本研究ではOccidentalismという英語プログにおける談話に参加する日本人コメンターのアイデンティティを分析した。分析にはvoice、及びMembership Categorization Analysisという概念を用い、その日本人コメンターがどのような人物としてこのブログの共同体に受け入れていったかを質的に分析した。 |
Dimensions of lexical proficiency in EFL students' writing summaries |
2008年 9月 |
The 15th World Congress of Applied Linguistics, Essen, Germany |
博士研究のデータを再分析した結果を発表 |
Effects of task type practice on the Japanese EFL university student's writing from a dynamic systems perspective: A longitudinal study utilizing multi-level text analysis |
2009年 9月 |
British Association of Applied Linguistics, Newcastle, Britain |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。この発表では個人によって発達パタンに相違があることを強調した。 |
Does task type practice serve the university student’s L2 writing development?: A longitudinal study from a dynamic systems perspective. |
2010年 3月 |
American Association of Applied Linguistics, Atlanta, United States |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。この発表では個人によって発達パタンに相違があることを強調した。各指標の発達の仕方が個人によって異なるだけでなく、発達する指標の順番も異なっていたことを示した。 |
Dynamic effects of task type practice on the Japanese EFL university student's writing: Text analysis with Coh-Metrix. |
2010年 5月 |
Florida Artificial Intelligence Research Society Conference, Florida, U.S.A |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。この発表では「流暢さ、文法的複雑さ、語彙的複雑さ」のうち、文法的複雑さがより発達していたこと、また、発達の過程で最高値にはばらつきがあったのに対し、最低値は徐々に伸びていたことを示した。すなわち、良くできたときよりもうまくできなかったときにこそ真の実力が問われるのではないか、ということを示唆した。 |
Long-term effects of repeating a timed writing task on beginning EFL learners’ development: A dynamic systems approach. |
2010年 9月 |
British Association of Applied Linguistics, Aberdeen, U.K. |
Ryo Nitta, Kyoko Baba。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では、大学授業で毎週ライティングタスクを1年間繰り返すことで、日本人大学生のライティングにどのような変化があるのかを、複雑系理論の視点からテクスト分析を用いて長期的に調べた。この発表では「流暢さ、文法的複雑さ、語彙的複雑さ」の各指標のうちどれに有意差が見られたかを統計的に分析したのち、グラフ手法を用いて必ずしも統計結果が支持されるわけではないことを示した。統計分析には限界があり、グラフによる非線形発達の分析を用いれば発達の過程で何が起きているかを知るさらなる手がかりになる、と強調した。 |
Effects of reflection on L2 writing development: A longitudinal study of task repetition from a dynamic complex systems perspective |
2011年 6月 |
Symposium on Second Language Writing, Taipei, Taiwan |
Kyoko Baba, Ryo Nitta。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。Baba & Nitta (2010)では日本人大学1年生の2クラスで同一のライティングタスクを1年間繰り返したところ、流暢さよりも文法的複雑さのほうが顕著に発達していたことが判明し、その理由として学習者が自分自身のライティングに対して持つ意識が影響しているのではないかという示唆を得た。そこで本研究ではこの学習者の意識に焦点を絞り、3人の大学生の学習発達について、作文、内省文、アンケート、インタビューなどのデータを用いて詳しく分析した。その結果、内省文にどのようなコメントを記すか、またそれぞれの学習者がライティングタスクをどの程度重視しているかによって、劇的な変化(phase shift)が起きるかどうかを左右することが示唆された。 |
Dynamic effects of repeating a timed writing task |
2011年11月 |
Biennial International Conference on Task-Based Language Teaching, Auckland, New Zealand |
Ryo Nitta, Kyoko Baba。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティング発達への影響:テクスト分析を用いた長期的研究」(課題番号:21520643、平成21~23年度)の研究成果の一部を発表。本研究では日本人大学生の2クラスで同一のライティングタスクを1年間繰り返した際の短期的効果と長期的効果を比較した。短期的効果はほとんど見られなかったのに対し、長期的効果は文法的複雑さと語彙的複雑さに見られた。また、視覚的分析を用い、発達パタンがクラスによって異なり、また個人によって異なることも示した。 |
The relationship between L2 writing and speaking |
2012年10月 |
The Japan Association for Language Teaching, Hamamatsu, Japan |
発表内容はBaba, Takemoto, & Yokochi (2013)に基づく。 |
Phase transitions in dynamic development of writing fluency: a longitudinal study from a complex dynamic systems perspective |
2013年 3月 |
American Association for Applied Linguistics, Dallas, United States |
Ryo Nitta, Kyoko Baba。科学研究費補助金助成による研究プロジェクト「タスクの繰り返しによるライティングの変化:複雑系理論アプローチからの長期的研究」(課題番号:24520716、平成24~26年度)の研究成果の一部を発表。発表内容はLanguage Learningに掲載されたBaba & Nitta (2014)に基づいている。 |