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フリガナパク スニョン
ローマ字PARK Soonyoung
氏名朴 珣英
メールsue-park@kinjo-u.ac.jp
学位博士(言語文化学) 修士(言語文化学) 学士(文学) 
所属文学部 / 英語英米文化学科
職名教授
所属学会日本英文学会 日本アメリカ文学会 Modern Language Association of America (U.S.A.) Association of African American Life and History (U.S.A.) アメリカ学会 黒人研究学会(Japan Black Studies Assoiciation) 
専門分野文学   
研究課題フレデリック・ダグラス研究 フレデリック・ダグラスとハーマン・メルヴィル:雄弁と沈黙のレトリック  

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
2013年12月 学術雑誌PMLA(Modern Language Association of America)論文査読委員 2014年 1月迄
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受賞歴

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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
ポスト・コロニアル文学の現在 共著 2004年 6月 晃洋書房 木村茂雄編。アフリカからインド、カリブ、アメリカ、カナダ、オセアニア(掲載地域順)における英語によるポストコロニアル文学作品の内容や理論を解説した入門書。[総233P]本人担当:第3章2節「Caryl Phillips『故郷』を探し求める旅―帰属への不安を描く」(P115~P119)カリブ出身のイギリス人作家キャリル・フィリップスを担当した。自分が本来いるべき、あるいは愛着を覚えるべき場所で、なぜかそこに違和感を覚えることは、国家や民族の歴史が絡む特殊な問題でありつつ、人間が普遍的に感じる問題でもある、という彼の作品テーマを論じた。 木村茂雄、神田麻衣子他、総著者数 15名。
黒人研究の世界 共著 2004年 6月 青磁書房 黒人研究の会(現・黒人研究学会)編。1954年に神戸市外国語大学で創設された黒人研究の会(Japan Black Studies Association)の創設50周年記念論文集。[総v+393P]本人担当:「奴隷制廃止運動におけるフレデリック・ダグラスのレトリカルストラテジー」(P3~P11)本論文では、19世紀アメリカの黒人指導者で作家でもあるフレデリック・ダグラス (1818-95)が、建国の基本理念を援用・逆用することによって、当時の白人至上主義的イデオロギーをいかに彼独自のイデオロギーへと再解釈・再構築していったのかを、 小説、自伝、書簡などから論じた。朴珣英、西垣内 磨留美他、総著者数39名。
英語文学とフォークロア―歌、祭り、語り 共著 2008年12月 南雲堂フェニックス 松本昇、風呂本惇子編。英語圏文学におけるフォークロア的要素を扱った論文集。[総366P]本人担当:「フレデリック・ダグラスと奴隷の歌」(P78~P91)本論文では、19世紀アメリカの黒人指導者で作家でもあるフレデリック・ダグラスが四度にわたり著した自伝の中で書き記した奴隷の歌に焦点を当て、奴隷生活の中でアメリカ黒人が独自に培ってきたフォークロア的要素を論じた。井川眞砂、村山淳彦他、総著者数24名。
バラク・オバマの言葉と文学―自伝が語る人種とアメリカ 共著 2011年 9月 彩流社 里内克巳編著。アメリカ合衆国大統領(当時)である バラク・オバマが1995年に著した自伝的回想録『ドリーム ズ・フロム・マイ・ファーザー』についての論集。なお、本論集は日本アメリカ文学会・第53回関西支部大会「フォーラム:バラク・オバマの自伝を読む―文学研究からのアプローチ」(コーディネーター/司会:里内克巳、講師:ウェルズ恵子、戸田由紀子、松原陽子、朴珣英)での発表に基づくものである。[総xii+281P]本人担当:第2章「人種の壁を越える試み―フレデリック・ダグラスからバラク・オバマへ」(P87~P130)本論文では、若き日のオバマが自己形成の上で大きな影響を受けたアメリカ黒人の知的伝統に焦点を当てた。その伝統は、20世紀の公民権運動時代のキング牧師やマルコムXあるいは近代黒人解放運動の父と呼ばれるW・E・ B・デュボイス以前の、19世紀奴隷制廃止運動時代のフレデリック・ダグラスにまで遡ることができることを明らかにした。分担執筆 里内克巳、朴珣英、松原陽子、戸田由紀子、ウェルズ恵子。
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
小説を通しての対話―DouglassとStoweの小説に共通する黒人ヒーロー像と奴隷制廃止運動の方向性 単著 2003年 4月 大阪大学大学院言語文化研究科『アメリカ文化研究の可能性』 本論文では、黒人への不当な表象というテーマを、比較文学的な視点から考察した。ダグラスの小説と彼と同時代の白人女性作家ストウによる黒人奴隷蜂起を描いた小説における黒人男性表象の比較をおこない、その共通点を明らかにした。「軟弱で隷属的な黒人像」と「野蛮で反抗的な黒人像」といった相矛盾する黒人イメージを覆すために、二人の作家がどのような文学的方策を試みたのかを論じた。(P11~P20)
帰属のありかを求めて―Caryl PhillipsのThe Final Passageを読む 単著 2004年 5月 大阪大学大学院言語文化研究科『アメリカ文化研究の可能性II』 「ブラック・ディアスポラ」を主題にすえた作品を多く著しているイギリス人作家キャリル・フィリップスの長編小説第一作であるThe Final Passageを取り上げ、人々の多様な生き方と帰属意識の問題を分析した。存在への不安というテーマを中心に、小説の作品世界に見られる特殊な問題という視点と、人間存在の普遍的な問題という視点から論じた。 (P11~P18)
フレデリック・ダグラスの“masculinity” 戦略―Narrativeを中心に 単著 2005年 3月 黒人研究の会(現・黒人研究学会)『黒人研究』74号 ダグラスの最初の自伝であるNarrativeにおける二つの挿話に着目した。ダグラスが自身の“manhood”回復の経験をとおして、奴隷制廃止運動の活動家としての初期の段階で、曖昧さを残しながらも意図的に“masculinity”言説を形成し、それを意識的に利用したということを明らかにした。 (P70~P74)
尊厳を懸けた戦い― Frederick Douglassの “Fight with Covey”を めぐって 単著 2005年 5月 大阪大学大学院言語文化研究科『アメリカ文化研究の可能性III』 本論文ではダグラスの自伝中の挿話「コウビーとの戦い」に着目し、黒人解放運動において有効な言説であるマスキュリニティ言説を構築して行く過程を論証した。そして、奴隷体験記における自己イメージの創出と黒人解放の言説をダグラスが打ち立てたことを論じた。(P11~P18)
フレデリック・ダグラスのマスキュリニティ言説―アンテベラム期から南北戦争期を中心に 単著 2006年 5月 大阪大学大学院言語文化研究科『アメリカ文化研究の可能性IV』 本論文は1850年代から南北戦争期を中心に、ダグラスが “man”あるいは“manhood”という英語のもつ、文脈に応 じて「男性/人間」、「男性性/人間性」と意味が変わる曖昧さを巧みに利用したことを論じた。そして、黒人の人間性があらかじめ否定されていた社会において「存在しない はず」の黒人のマスキュリニティをダグラスが構築したことを明らかにした。(P11~P20)
Transcription of Frederick Douglass’s Unpublished Handwritten Manuscripts about Toussaint L’Ouverture with an Introduction 単著 2010年 6月 大谷大学西洋文学研究会『西洋文学研究』30号 ダグラスが残したサント・ドミンゴ(現ハイチ)の独立指導者トゥサン・ルヴェルチュールに関する未公刊の手書き草稿全文(Frederick Douglass Papers. 34 microfilms. Washington, DC: Manuscript Division, Library of Congress.に収載)の翻刻および解題を含む論考。解題ではダグラス晩年の著述の詳細な整理および検討を試み、ダグラスの政治家としての最初期から晩年までのマスキュリニティ言説の変容 を、アメリカ社会の変化とともに論じた。また世紀転換期における当時のアメリカ社会の黒人に対する人種表象を考察した。さらに、ダグラスの原稿中のレトリックを中心とした分析を行い、そこに見られるダグラスのマスキュリニティ言説および「理想の黒人」像を明らかにした。(P1~P26)
Silence and Eloquence in Frederick Douglass’s “The Heroic Slave” and Herman Melville’s “Benito Cereno”: A Preliminary Study 単著 2011年 3月 大谷大学英文学会『英文学会会報』37号 本論文はダグラスと、彼と同時代に活躍した白人作家ハーマン・メルヴィル(1819-91)との比較研究である。黒人奴隷の船上蜂起を題材にした中編小説二作品、すなわちダグラスの“The Heroic Slave”(1853)とメルヴィルの “Benito Cereno” (1855)における黒人表象に焦点を当てた。 前者は黒人奴隷の声なき声を代弁する黒人像を提示し、「雄弁」をもって黒人奴隷の苦悩と自由への渇望を表象し、後者は白人主人に対する表面的な追従と服従を描くことで白人の欺瞞を照らし出し、黒人奴隷の「沈黙」をもって黒人の人間性を表象したことを明らかにした。(P1~P22)
Frederick Douglass's Strident View on Black Masculinity in His Later Years 単著 2013年 3月 大谷大学真宗総合研究所『真宗総合研究所研究紀要』30号 本論文では、先行研究において僅かしか考察されてこなかったダグラス晩年のマスキュリニティ言説とその意図に焦点を当てた。特にダグラス最晩年の文献に注目し、ダグラスが自身のマスキュリニティ言説を状況に応じて変容させた背景にある社会情勢、世紀転換期アメリカ社会における人種表象の特質を明らかにした。 (P11~P25)
Martin R. Delany and His Vision of Black Liberation in the Antebellum Period 単著 2015年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集人文科学編』 第11巻第2号 マーティン・R・ディレイニは、19世紀アメリカにおいて黒人解放運動に尽力した人物である。本稿では、第一に思想と活動の両面についてフレデリック・ダグラスとの比較を行った。第二に、奴隷制度に関わる歴史的事件や、ハリエット・ビーチャー・ストウによる小説『アンクル・トムの小屋』の出版がディレイニに与えた影響なども踏まえた上で、黒人指導者としてディレイニが黒人解放のためのTrans-Atlanticな思想をどの様に形成していったのかを、彼の著作(小説、 自伝、演説、エッセイなど)を通して考察した。 (P112~P122)
奴隷体験記から自伝へ―フレデリック・ダグラスにおける語りの自由 単著 2016年 3月 黒人研究の会『黒人研究』第85号 フレデリック・ダグラスはその生涯で三冊(増補改訂版を含めると四冊)の単行本を刊行している。前二作(Narrative of the Life of Frederick Douglass, an American Slave, Written by Himself. 1845, My Bondage and My Freedom. 1855)と最後の一作(Life and Times of Frederick Douglass. 1881. 増補改訂版1892)とでは決定的な違いがある。それは奴隷制廃止以前に書かれたものか否かという点である。本稿では、奴隷制廃止を目的として書かれた奴隷体験記と呼ばれるNarrativeやBondage and Freedomと、そのような目的から解放されたLife and Timesにおける記述の変化を論じた。(P22~P34)
フレデリック・ダグラスの自伝における書き換え―自己像の構築・再構築と「永遠化」への試み 単著 2018年12月 日本英文学会『英文学研究』95巻 ダグラスの4度に渡り書き換えられた自伝の記述の変化を通して、彼がいかに後世へより強い影響を与えうる自己像を構築・再構築したかを論じた。晩年に至るまで、時代と社会の状況に合わせて自伝における自己像の書き換えを行い、自分が理想とする自己像を後世にまで残そうとしていたことを明らかにした。フレデリック・ダグラスという公的人物像がアフリカ系アメリカ人の社会的地位向上に貢献することを期待し、自伝において理想の自己像の「永遠化」を試みたと結論付けた。(P35~P51)
Frederick Douglass and His Strategic Use of Photography as Visual Voice 単著 2019年 9月 金城学院大学『金城学院大学論集人文科学編』 第16巻第1号 「19世紀アメリカで最も写真を撮られた人物」であるフレデリック・ダグラスの演説、自伝、写真に焦点を当て、いかにダグラスが当時最新のメディアであった写真を戦略的に用いたのかを明らかにした。演説をphysical voice、自伝を readable voice、写真をvisual voiceととらえ、これら3つの voiceが相互補完的にダグラスの自己像の永遠化に貢献したと結論付けた。(P95~P109)
理想化されたアフリカ―映画『ブラックパンサー』に見るアフロフューチャリズムとステレオタイプ 単著 2020年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集人文科学編』 第16巻第2号 本論文は、19世紀からフレデリック・ダグラス始め多くの黒人指導者がその是非を論じてきたアメリカ黒人の「アフリカ帰還運動」の歴史を踏まえ、その延長線上にある理想化されたアフリカ表象の点から、映画『ブラックパンサー』(アメリカ、2018年公開)を分析したものである。米国内外で大きな話題を呼んだ本作品が、ヨーロッパ中心主義的コロニアリズムを批判し、対抗しようとする側面を有しながらも、そのコロニアリズムを図らずも再生産し、アフリカ大陸のみならずアフリカ系アメリカ人自身をもステレオタイプ化する陥穽から逃れられていないことを明らかにし、コロニアリズムや人種主義への対抗言説としてのアフロフューチャリズムとステレオタイプの問題を論じた。(P71~P81)
Frederick Douglass in Japan: Reception and Research from the 1930s to the Present 単著 2020年10月 _New North Star_ vol. 2. Frederick Douglass Papers, Institute for American Thought, Indiana University-Purdue University (U.S.A.). 本稿は、2018年にパリで開催されたフレデリック・ダグラス生誕200周年記念の国際会議での発表原稿に加筆修正を加えた論考である。日本におけるBlack Studiesの流れを踏まえた上で、1930年代から現在までの日本におけるダグラス研究を論じた。アメリカのダグラス研究専門の学術誌に査読を経て掲載された。 (P20~P32)
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
アメリカ黒人の社会的地位向上におけるフレデリック・ダグラスの政治戦略 2002年 5月 日本アメリカ文学会・ 関西支部例会 (大手前大学) 本研究発表は修士論文“ ‘Nobody Can Be Represented by Anybody Else’: Frederick Douglass’s Politics of African- American Uplift” (Osaka University, 2002)を再考察したものである。「白人の不当な黒人表象」、「アメリカの基本理 念」、「本質主義批判」、「複合的アイデンティティ」といった四つの観点から、フレデリック・ダグラスの奴隷制廃止運動及び黒人の地位向上運動における政治的立場を 考察した。
Frederick Douglassの“The Heroic Slave”と StoweのDredに共通する奴隷制廃止運動の方向性 2002年10月 黒人研究の会・例会 (大阪工業大学) 本研究発表は、ダグラスの小説と彼と同時代の白人女性作家ストウによる黒人奴隷蜂起を描いた小説における黒人男性表象の比較を行い、その共通点を明らかにしたものである。奴隷制存廃に揺れる19世紀中期は「野蛮で暴力的な黒人像」と「臆病な黒人像」が白人の都合に応じて選び取られ、黒人男性の人間性と男性性は完全に否定されていた。そのような不当な言説を覆すために、二人の作家がどのような文学的方策を試みたかを論じた。
奴隷制廃止運動におけるフレデリック・ダグラスのレトリカルストラテジー 2003年 6月 黒人研究の会・第49回全国大会(北海道文教大学) 本発表では、フレデリック・ダグラスの巧みな政治言説がいかに構築されていったのかを、彼の自伝、小説、演説、新聞社説、書簡などにみられるレトリカルな側面から考察したものである。ともすれば暴力的方向へと傾きがちであった奴隷制廃止運動を、ダグラスは政治的運動の軸からぶれることなく巧みに主導してきた。その背景には社会的言説や文学的なレトリックを効果的に政治的言説へと変容させたダグラスの意図があったということを論じた。
フィクションと歴史の関係―“The Heroic Slave”とDredにおける戦闘的黒人ヒーローの役割 2003年10月 日本アメリカ文学会・第42回全国大会(椙山女学園大学) 本発表は黒人奴隷の武装蜂起といった史実に着想を得て書かれた二つの小説をフィクションと歴史の関係性という観点に着目して論じたものである。小説における“documentary mode”の採用とそれを文学的に成功させる際の問題点と、しばしば議論の対象となった黒人を描く際の人物像の “authenticity”の問題点を、いかに人種と性別の異なる作者であるダグラスとストウが乗り越えたのかを論じた。
The Legal Status of Resident Koreans in Japan: Intersections of Nationality and Ethnic Identity 2004年 4月 Race, Nation, and Ethnicity in the Afro- Asian Century: An International Conference (Boston University, U.S.A.) ボストン大学アフリカン・アメリカン学部主催で二日間にわたって開催された国際会議“Race, Nation, and Ethnicity in the Afro-Asian Century: An International Conference”でのパネルにおける発表。本発表ではW. E. B. Du Boisが述べたアフリカ系アメリカ人の“Double Consciousness”と在日コリアン の新しい世代がもつ意識を中心に、両者の歴史・社会的かつ法的立場を比較しつつ論じた。
フレデリック・ダグラスのマスキュリニティ言説における二つの戦い 2006年 7月 黒人研究の会・例会(神戸市外国語大学) 本発表では、1850年代のアンテベラム期から南北戦争期を中心に、ダグラスのマスキュリニティ言説が状況に応じて巧みに取捨選択され構築されていく過程を検証した。そして南北戦争中にダグラスが述べた「二つの戦い」とは、白人という外部とともに黒人自身の内部に向けての戦いであったということを論じた。
奴隷の歌にみる二重性―フレデリック・ダグラスの解釈をめぐって 2008年10月 天理大学ヨーロッパ・アメリカ文学フォーラム・第1回定例研究会(天理大学) 本発表はフレデリック・ダグラスが自伝に記したフォークロアとしての黒人奴隷の歌の分析に着目したものである。そして、黒人解放運動の活動家でもあったダグラスにとって、奴隷の歌を論じるに際して、そこに潜む文化的意味と政治的意味の二重性を強く意識せざるを得なかった歴史的・社会的背景があったことを明らかにした。
韓国版『黒人文学全集』(1965年刊)の内容紹介と黒人研究の会との係わり 2009年 6月 黒人研究の会・第55回全国大会(キャンパスプラザ京都) 韓国で『黒人文学全集』(全5巻) が1965年に刊行された歴史的、社会的経緯および日本の黒人研究の会(1964年創設)がその刊行に助力した事実を調査した報告。掲載作品の 英語、日本語、韓国語の書誌情報も担当。同研究会創設者のひとり古川博巳との共同発表。
Frederick Douglassの晩年におけるマスキュリニティ言説―Toussaint L’Ouvertureの表象をめぐって 2009年10月 日本アメリカ文学会・第48回全国大会(秋田大学) 未公刊原稿も含めたダグラス晩年の著述から、サント・ドミンゴ(現ハイチ)の独立指導者トゥサン・ルヴェルチュールに対するダグラスの見解を論じた。とりわけ、フランスの上院議員ヴィクトール・シェルシェによるトゥサンのフランス語伝記本の英語版用の序文としてダグラスが執筆した未公刊原稿の分析をおこなった。そして、そこにみられるダグラスのマスキュリニティ言説および「理想の黒人」像の考察をおこなった。
Frederick DouglassとHerman Melville:19世紀アメリカ小説にみる 「自由」の表象 2009年12月 大谷大学英文学会・年次大会(大谷大学) 19世紀アメリカの黒人作家・政治家であるフレデリック・ダグラスによる“The Heroic Slave” (1853)と、同時代の白人作家ハーマン・メルヴィルによる“Benito Cereno” (1855)は、 いずれも奴隷船上蜂起を描いた中編小説である。本発表では前者が「雄弁」をもって、後者が「沈黙」をもって自由を表象したことを明らかにした。
Post-Racial Americaを索めて:フレデリッ ク・ダグラスとバラク・オバマ 2009年12月 日本アメリカ文学会・第53回関西支部大会(奈良女子大学) フォーラム/シンポジウムでの発表。「フォーラム:バラ ク・オバマの自伝を読む―文学研究からのアプローチ」(コーディネーター/司会: 里内克巳、 講師: ウェルズ恵子、戸田由紀子、松原陽子、朴珣英)での発表。フォーラムの講師として、ダグラスとオバマに共通するアフリカ系アメリカ人の政治思想史的、文学的伝統を考察した。
フレデリック・ダグラスのトゥサン・ルヴェルチュールに関する未公刊原稿について 2010年 7月 大谷大学西洋文学研究会・年次大会(大谷大学) ダグラスの未公刊原稿を一次資料として、ダグラス晩年の著述の詳細な整理および検討を試みた。ダグラスが執筆した未公刊の手書き原稿を手掛かりに、ダグラスのマスキュリニティ言説と世紀転換期におけるアメリカ社会の黒人に対する人種表象を考察した。ダグラスの原稿中のレトリックを中心とした分析を行い、そこに見られるダグラスのマスキュリニティ言説および「理想の黒人」像を明らかにした。
フレデリック・ダグラスとマーティン・R・ディレイニ―アンテベラム期におけるそれぞれの “revolutionism” 2014年 4月 日本アメリカ文学会・中部支部大会(中京大学) フレデリック・ダグラスとマーティン・R・ディレイニは、ともに19世紀アメリカにおいて黒人解放運動に尽力した人物である。両者は奴隷制反対を掲げる週刊新聞『北極星』で共同編集者を務めたこともあったが、1850年代以降は、“race” や “nation” をめぐる議論において対立するとみなされるよ うになった。本発表では、その対立の根幹にあると思われ る、アンテベラム期に形成されたダグラスとディレイニの “revolutionism” を論じた。「1850年の妥協」など奴隷制度 に関わる歴史的事件や、小説『アンクル・トムの小屋』 (1852)の出版が与えた両者への影響なども踏まえた上で、黒人指導者として同時代を生きたダグラスとディレイニの黒人解放のための “revolutionism” がどの様に形成されていっ たのかを、両者の著作(小説、自伝、演説、エッセイなど)を通して考察を行った。
奴隷体験記から自伝へ―フレデリック・ダグラスにおける語りの自由 2015年 6月 黒人研究の会・第61回全国大会(キャンパスプラザ京都) 同大会テーマとなったメインシンポジウム<アメリカ合衆国の奴隷制廃止150周年〉での発表。(司会:坂下史子、コメンテーター:岩本裕子、講師:ウェルズ恵子、加藤(磯野)順子、朴珣英)。本発表では、奴隷制廃止を目的として書かれた奴隷体験記と呼ばれるダグラスの著作Narrativeおよび My Bondageと、そのような目的から解放された自伝Life and Timesにおける記述の変化を論じた。
日本におけるフレデリック・ダグラス研究概観 2016年12月 黒人研究学会・例会(東洋大学) 本発表では書誌学的な観点から、日本において出版、刊行されたフレデリック・ダグラスに関する日本国内の研究活動に焦点を当て、図書(単行本)、図書に収載された論文、学術誌・紀要の論文、書評、翻訳等を紹介した。1950年代から 2016年3月まで10年ごとに時代区分を設け、刊行順および著者の50音順に示し、時代背景にも触れつつ研究動向を概観した。
Frederick Douglassの自伝における語り直し 2017年 5月 日本英文学会・第89回大会(静岡大学) <シンポジウム:第7部門(米文学:現代散文)「自伝 (的)文学と人種・エスニシティ――フィクションとノンフィクションをつなぐ」>での発表。(司会・講師:フェアバンクス香織、講師:麻生享志、中井亜佐子、朴珣英)。本発表では、ダグラスが自伝三作品において「現在」の視点から「過去」を語りなおし再構築している点、すなわち過去と現在をつなぐ語りに注目し、自伝の内包するフィクション性について焦点を当てた。アメリカ文学の特殊なジャンルとされる奴隷体験記(slave narratives)に始まり、晩年の回想録 まで、かつて「事実のみを話す」ことを強いられたDouglassが、自伝においてどのようなイメージを用いて、奴隷制の実態や奴隷制廃止後のアメリカ社会が抱える人種問題の諸相を語ろうとしたのかを論じた。さらには「人種」を代表する公的人物としてどのような自己表象を試みたのかを考察した。
フレデリック・ダグラスの自伝にみる系譜の自己粉飾と人種関係の再構築 2018年 6月 黒人研究学会・第64回年次大会(東洋大学) <シンポジウム:フレデリック・ダグラス生誕200周年>での発表。 (司会・講師:荒このみ、講師:堀智弘、朴珣英)。フレデリック・ダグラス(1818-1895)は、その生涯において4度に渡り自伝を書き換えている。本報告では、それぞれの自伝の記述の書き換えや追加部分に注目し、二つの事例を取り上げた。一つはダグラス自身の系譜の自己粉飾であり、もう一つは人種間における権力関係の再構築である。これらの事例に、黒人解放および人間性の回復を目指すダグラスの戦略的主張が読み取れると結論付けた。
Frederick Douglass in Japan: Reception and Research from the 1930s to the Present 2018年10月 Frederick Douglass across and against Times, Places, and Disciplines: An International Conference (University of Chicago Center in Paris) パリ市内複数の施設(ソルボンヌ大学、シカゴ大学パリ校など)で開催された、3日間にわたるフレデリック・ダグラス生誕200周年記念国際会議でのパネルにおける発表。本発表では、日本におけるBlack Studiesの流れを踏まえた上で、 1930年代から現在(2018年)までの日本におけるダグラス研究を概観、分析し、自身のダグラス研究についても報告を行った。本発表は、拙稿「日本におけるフレデリック・ダグラス研究概観」(『金城学院大学論集人文科学編』第13巻第2号、2017年3月)を基盤とした英語による発表であり、アジア/日本からの唯一の発表者としてダグラス研究をグローバルな地平に拓くものだとの評価を得た。
フレデリック・ダグラスにとっての「私的生活」――家族・親族関係からの考察 2020年 1月 黒人研究学会・例会(大谷大学) フレデリック・ダグラスは生涯を通して、戦略的に演説、自伝、写真を用いて「理想の黒人市民」としての自己像の「永遠化」を試みてきた。その一方で、ダグラスは「私的生活」については語ることは少なかった。本発表では、その語られることの少ない「私的生活」、とりわけダグラスにおける結婚の意味、家族・親族との関係を探ることで、理想的な公的人物としてのダグラス像とは異なる側面の分析を試みた。
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書誌

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
書架:アメリカ 単著 2003年12月 黒人研究の会 『黒人研究』 73号 2001年10月から2003年11月までの二年間に日本国内で発 表・出版されたアメリカ黒人に関する研究論文および単行本(研究書および一般書)の書誌である。これにより日本におけるアメリカ黒人の歴史や文化研究の動向および関心のあり方がうかがえる。(P58~P65)
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研究助成

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
日本学術振興会・科学研究費補助金(特別研究員奨励費) 単著 2005年 4月 日本学術振興会 日本学術振興会・特別研究員(PD・アメリカ文学、大阪大学)としての科学研究費補助金(2008年3月までの3年間の助成)。研究課題:フレデリック・ダグラスの政治的言説―「マスキュリニティ」の戦略的利用をめぐって
大谷大学真宗総合研究所・<一般研究>助成 単著 2010年 4月 大谷大学 大谷大学真宗総合研究所・特別研究員としての研究助成(科研採択による研究活動支援。2012年3月までの2年間の 助成)。研究課題:フレデリック・ダグラス晩年のマスキュリニティ言説とアメリカ社会における人種表象
文部科学省・科学研究費補助金(若手研究 [B]) 単著 2010年 4月 文部科学省 個人研究(若手研究[B]、アメリカ文学)としての科学研究費補助金(2012年3月までの2年間の助成)。研究課題:フレデリック・ダグラス晩年のマスキュリニティ言説とアメリカ社会における人種表象
日本学術振興会・科学研究費補助金(若手研究[B] ) 単著 2016年 4月 日本学術振興会 個人研究(若手研究[B]、アメリカ文学)としての科学研究費補助金(2019年3月までの3年間の助成)。研究課題:フレデリック・ダグラスにおける語りの自由―奴隷体験記から自伝への変容をめぐって
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博士論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
Frederick Douglass and His Strategic Application of Masculinity to African American Liberation 単著 2007年 6月 大阪大学大学院言語文化研究科博士学位論文 本博士論文は、ダグラスが19世紀アメリカの黒人解放運動において、いかにレトリックを用いて黒人男性のマスキュリニティ言説を意識的に構築したかを考察したものである。自伝や小説における記述の文学的分析とともに、一次資料・史料も利用し、19世紀のアメリカで抑圧されていたマイノリティ集団としての黒人全体を解放しようとするダグラスの試みを論じた。[総vi+162P]
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教科書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
ヨーロッパ・アメリカ文学案内 共著 2007年12月 南雲堂フェニックス 天理大学ヨーロッパ・アメリカ学科編。本書は天理大学ヨーロッパ・アメリカ学科編による大学生用の教科書である。その巻末に掲載する文学作品年表を作成した。ヨーロッパおよび南北アメリカの代表的な作品を、その初期から21世紀の現在に至るまでできるだけ詳細に年表化したものである。[総175P]本人担当:「ヨーロッパ・アメリカ文学史年表」(P162~P173)新井正一郎、高野康志他、14名。
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書評

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
書評:加藤恒彦『キャロル・フィリップスの世界―ブラック・ブリティッシュ文学の現在』 (世界思想社、2008年、iv+317ページ) 単著 2008年 3月 黒人研究の会 『黒人研究』 77号 日本で初めて刊行されたカリブ出身のイギリス人作家キャリル(キャロル)・フィリップスに関する本格的研究書である加藤恒彦『キャロル・フィリップスの世界―ブラック・ブリティッシュ文学の現在』(世界思想社、2008年)についての書評である。(P99~P101)
書評:多民族研究学会編『エスニック研究のフロンティア』 (金星堂、2014年、vii+398ページ) 単著 2015年 3月 日本アメリカ文学会中部支部『中部アメリカ 文学』第18号  多民族研究学会創立10周年記念論集である『エスニック研究のフロンティア』(金星堂、2014年)についての書評。 (P17~P19)
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報告

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
キャリル・フィリップス氏を囲んで 単著 2009年 3月 黒人研究の会 『黒人研究』 78号 2008年6月21日、滞日中のイギリス黒人作家(現・イェール大学英文科教授)キャリル・フィリップス氏を招いて京都で開かれた“Conversations with Caryl Phillips”の報告。作家の 講演に対する指定コメント/質問者を務めた。 (P68~P70)
韓国版『黒人文学全集』(1965年刊)―<黒人研究の会>との係わりと内容紹介 共著 2010年 3月 黒人研究の会 『黒人研究』 79号 韓国で1965年に刊行された『黒人文学全集』(全5巻)の歴史的、社会的経緯および日本の黒人研究の会がその刊行に助力した事実を調査した報告。掲載作品の英語、日本語、韓国語の書誌情報も含めた。古川博巳との共同執筆。 (P71~P75)
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翻訳

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
地図でみるアフリカ系アメリカ人の歴史―大西洋奴隷貿易から20世紀まで 共著 2011年 3月 明石書店 ジョナサン・アール著、古川哲史・朴珣英共訳。本書はアフリカ系アメリカ人の歴史を地図や写真とともに簡潔に提示した歴史地図書Jonathan Earle, The Routledge Atlas of African American History, New York and London: Routledge, 2000. の翻訳である。[総144P](全頁共訳につき本人担当部分抽出不可能)
南アフリカの指導 者、宗教と政治を語る―自由の精神、希望を ひらく 共著 2012年 8月 本の泉社 チャールズ・ヴィラ=ヴィセンシオ著、北島義信監訳。本書はCharles Villa-Vicencio, The Spirit of Freedom: South African Leaders on Religionand Politics, Berkeley: University of California Press, 1996. の翻訳書である。 [総430P](二章分担当)本人担当:「チェリル・カロ ラス―政治ではなく闘争」(P96~P113)、「ファティマ・ミーア―イスラーム教徒であり、女性であること」(P264~P277) 北島義信、栂正行他10名。
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研究ノート

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
日本におけるフレデリック・ダグラス研究概観 単著 2017年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集人文科学編』第13巻第2号 書誌学的な観点から、日本において出版、刊行されたフレデリック・ダグラスに関する日本国内の研究活動に焦点を当 て、図書(単行本)、図書に収載された論文、学術誌・紀要の論文、書評、翻訳等を紹介した。1950年代から2016年3月まで10年ごとに時代区分を設け、刊行順および著者の50音順に示し、時代背景にも触れつつ研究動向を概観した。(P28~P40)
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