著書名 |
単著、 共著の別 |
出版年月 |
発行所・発表雑誌等 |
概要 |
"On the Derived Structure of Topicalization Sentences" |
単著 |
1988年 3月 |
Linguistics and Philology 8 晃学出版 |
英語の話題化文の話題化要素の統語的な位置を,生成文法の統率束縛理論の枠組みで分析した。話題化要素の入る可能性のある統語的位置として,IPに付加された位置,CPの指定辞の位置,CPに付加された位置の3つを仮定して検討し,それぞれ種々の言語事象を考察することによって,CPに付加された位置という可能性が最も高いことを示した。 |
"On Comparative Ellipsis" |
単著 |
1989年 3月 |
Linguistics and Philology 9 晃学出版 |
英語の比較構文において,thanやasに導かれた節を比較節という。この比較節内では,様々な削除・省略現象が見られる。この論文では省略現象に焦点を当て,まず比較構文に特有な省略現象とそうでないものをと分類し,後者については,さらに3種に分類されることを示した。このうち,比較構文に特有な省略規則が必要であるものは1つしかなく,その他の2つはそのままの形で基底生成されたものであるということを示した。 |
"Cleft Sentences - In a Functional Perspective" |
単著 |
1995年 3月 |
金城学院大学論集 第36号 |
It is X that Y.という形式を持つ英語の分裂文の機能について,従来のような,情報の既知性による二分法を用いた分析では不十分であることを指摘し,d-activity (談話内での活動性)という概念を新たに導入することにより,分裂文の機能をとらえ直す必要があることを提案した。さらにこのように分析することにより,分裂文が担う機能と話題化文が担う機能との交代関係を説明できることを示した。 |
「メタ言語的読みを持つMore … Than …について」 |
単著 |
1996年 3月 |
金城学院大学論集 第37号 |
比較構文と同じ形式(X is more A than B.)を持つが,通常の比較構文とは異なるタイプの構文について,言語的表現の適切性を比較するという,メタ言語的な機能を持つ特殊な表現であることを示した。さらに,比較される2つの表現AとBに対し,いかなる制限が課されるのかということについて,意味的な領域,尺度の同一性,段階性の有無などの側面から検討しこの構文の特性を明らかにした。 |
「話題化文の解釈と処理労力」 |
単著 |
2001年 3月 |
金城学院大学論集 第42号 |
この論文では,話題化文を,聞き手の推論の仕方に制約を加える機能を持つ文法構造の一つであると仮定し,いかなる方法でどんな制約を加えることによって,聞き手の発話解釈過程に貢献するのかを,関連性理論の枠組みで分析した。話題化の基本的な3種の機能について,それぞれ異なる方法で聞き手の処理コストを大きく下げる効果があることを関連性の原理によって分析し,話し手の文法構造選択に影響を及ぼしていることを示した。 |
「発話に対する注釈表現」 |
単著 |
2015年 3月 |
金城学院大学論集 |
発話に対する注釈表現、特に、Griceの提唱した会話の格率の遵守の度合についてのコメントとして扱われてきたmaxim hedgeと呼ばれる表現について、関連性理論を用いて、聞き手の発話解釈過程に着目して分析した。その結果、これらの表現は、関連性の第2原理の「最適な関連性の伝達」に深く関わり、話し手が提供する予定の「最適な関連性のレベル」と、聞き手が予測するレベルとの際に関する情報を伝達する役割を担っているものであり、言語コミュニケーションの成否において、重要な意味を持つことを示した。 |