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フリガナトキオカ アラタ
ローマ字TOKIOKA Arata
氏名時岡 新
メールatok@kinjo-u.ac.jp
学位修士(社会学) 修士(環境科学) 
所属国際情報学部 / 国際情報学科
職名教授
所属学会日本社会学会 福祉社会学会 関東社会学会 東海社会学会 日本社会心理学会 日本社会学理論学会 障害学会 
専門分野社会学   
研究課題セルフヘルプグループ研究 障害者の地域生活にかんする研究 人権問題にかんする研究 

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
1994年 4月 筑波社会学会会員 現在に至る
1995年 7月 関東社会学会会員 現在に至る
1996年 7月 日本社会学会会員 現在に至る
1996年12月 日本社会心理学会会員 現在に至る
1998年 6月 現代社会理論研究会(平成18年より日本社会学理論学会)会員 現在に至る
2003年 6月 福祉社会学会会員 現在に至る
2005年 4月 大阪府「人権問題に関する府民意識調査検討会」委員 2006年 3月迄
2008年 7月 東海社会学会会員 現在に至る
2008年 7月 名古屋市「人権啓発等活動拠点検討委員会」委員 2009年 3月迄
2011年10月 障害学会会員 現在に至る
2017年 4月 社会福祉法人ゆたか福祉会評議員 現在に至る
2019年 5月 特定非営利活動法人つくし理事(非常勤理事) 現在に至る
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受賞歴

該当データはありません

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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
『喪失と生存の社会学-大震災のライフ・ヒストリー-』 共著 2007年 3月 有信堂高文社 1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)によって父親、母親を亡くした「震災遺児」と家族の生活を、以後10年にわたって追跡調査、研究した成果のうち、おもに10年目の状況について聴いたインタビュー記録とその分析を単行本化。第一部では「生存者の物語論」「死者の存在論」「震災体験の解釈学」の三章で被災、死別体験を社会学的に分析、第二部では「大震災のライフ・ヒストリー」と題してインタビュー記録を紹介している。時岡は「死者の存在論」中、第二論文を担当し、被災した遺児と、直接の被害に遭わなかったかれの祖母との以後10年の生活を、ふたりを繋ぐ故人(遺児の母親=祖母の娘)の“存在”に照準してまとめた。(P93~P113)「母のふるさとへ-遺児たちと祖父母の一〇年-」樽川典子(編者)、副田義也、遠藤惠子、玉川貴子、時岡新、株本千鶴、波内知津、阿部俊彦、鍾家新 総頁数323
『ケア その思想と実践3 ケアされること』 共著 2008年 8月 岩波書店 別掲モノグラフ「介助者という他人について」「経験としての自立生活」が抄録されている。(P35~P55)「障害当事者の主体性と非力」上野千鶴子、時岡新、小山内美智子他 総著者数13名 総頁数253
『シリーズ福祉社会学4 親密性の福祉社会学 ケアが織りなす関係』 共著 2013年 8月 東京大学出版会 別掲モノグラフ「自立生活の手間と厄介」が抄録されている。(P125~P144)「自立と介助-ありふれた日常のなかで」庄司洋子(編者)、上野加代子、相馬直子 他 総著者数12名 総頁数263
『愛知の障害者運動-実践者たちが語る』 共著 2015年 3月 現代書館 障害学研究会中部部会(伊藤綾香・伊藤葉子・河口尚子・後藤悠里・土屋葉・時岡新)が2010年から継続してきた公開研究会、ワークショップ等の成果に、あらたにインタビュー記録等をくわえて整理、公刊した。愛知における障害者運動を「労働」に照準して議論し、また愛知の障害者運動を牽引し全国の障害者運動の中心をも担う三団体について、その運動と事業の四十年をまとめた。時岡は「第Ⅲ部 運動と事業の四十年ー三団体のとりくみからー」中、「ゆたか福祉会のなりたちと現在」の構成・注解などを担当した。(P95~P149)総頁数301
『〈不自由な自由〉を暮らす ある全身性障害者の自立生活』 単著 2017年 3月 東京大学出版会 別掲「介助者という他人について」「ピアカウンセリングの視角」「経験としての自立生活」「自立生活の手間と厄介」「調整と研修」に補論をくわえて公刊した。総頁数326
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「『人権』研究のための基本的考察-『人権』概念による差別問題研究をめざして-」 単著 1996年 2月 筑波社会学会『年報筑波社会学』第7号 「人権」の歴史は、自由・平等概念の変容と拡散の過程である。多くのばあい、そうした変容は具体的な社会事象、社会問題との相互連関によって引き起こされ、またこのとき人権には生成および運用における二つの恣意性が確認できる。本稿は人権の論理構成を解析し、それが達成されるべき状況といった対案の提出をともなわない異議申し立てを可能にしており、またそれをも人権として保障するという特質を明らかにした。(P75~P90)
「『差別』的関係性の問題化過程に関する一考察-『人権と同和問題に関する意識調査』を題材にして-」 単著 1997年 6月 関東社会学会『年報社会学論集第10号 同和行政の最前線では意識調査・分析の意義を疑問視する声があがっている。建前では人権尊重の姿勢を示しながら、根強い差別意識という本音がのぞく。地域事情の個別性を軽視し、抽象的な議論に拠り人権思想と差別事象を対置させるためである。特定地域での意識調査を多変量解析により分析し、差別的関係性の改変に寄与する人権意識の構成を析出、他方で反差別的傾向が必ずしも強い人権意識に裏づけられていない実態を確認した。(P227~P238)
「ノーマライゼーションとはなにか」 単著 1997年10月 筑波社会学会『年報筑波社会学』第9号 自立生活運動とは「障害者」の生き方をめぐる不断の要請と合意形成の諸過程といえるが、ノーマライゼーション概念はこうした諸過程において戦略的に呈示される説得の資源である。これに依拠した障害克服運動は、過度の適応を自明視する社会的関係性の改変を企図した合意形成の諸過程とみることができる。本稿の議論をふまえて、障害者-健常者の相互作用場面における個別具体的な処遇のあり方を改変するこころみが開始される。(P19~P36)
「患者と医療のあいだに立って-医療にたいする満足感の形成過程」 単著 1998年 3月 社会福祉研究所『母子研究』No.19 旧来の終末期医療における看護評価のアセスメント指標は患者-家族関係論に偏重し、家族-医療関係への配慮が不足していた。折しも看護教育プログラムが改定され、患者家族にたいするカウンセリングの重要性が認められはじめた。これに際し本稿では、夫を癌で失った妻に対する意識調査の解析により、医療にたいする満足感が、患者と医療との間に立って患者のために働くことができたという実感と強い相関関係にあることを示した。(P19~P34)
「『同和問題』」の構築-『同和対策審議会答申』による-」 単著 1998年11月 現代社会理論研究会『現代社会理論研究』第8号 同和地区の物的改善が進捗する一方、日常的な差別事象発生の報告は後を絶たない。同和行政の隘路を切り開くためには問題の措定段階に関する吟味が必要である。本稿では同和対策審議会答申の成立過程を解析し、劣悪な住環境と差別意識との悪循環構造が問題の根源とされ、地区と周辺地域との格差解消が施策の中核的目標とされた経緯を確認した。答申は地域的特性・個別性に対応しえず、施策実施段階における困難は必然であった。(P119~P130)
「同和行政の困難-同和対策事業特別措置法時代-」 単著 2000年 2月 お茶の水社会学研究会『Sociology Today』第10号 同和対策事業にたいする妬み意識の存在が指摘されて久しい。これは単なる偏見ではなく、根底にあるゆがみ生起のメカニズムを解明することが急務である。同和対策協議会意見書の構成を解析し、運動団体による反論と照合した結果、現場の状況から乖離した問題の措定と対策指針が地域の個別・具体的な課題にたいする有効な施策の実施を阻んできた経緯を確認した。これらを踏まえない事業の展開は誤解と偏見の拡大再生産を帰結する。(P101~P116)
「内務省による戸籍制度の改変・整備」 単著 2000年 3月 『内務省史の研究』文部省科学研究費補助金基盤研究A報告書 太政官布告により創設された戸籍制度は民部官、民部省、大蔵省を経て内務省の所管とされた。その後およそ四半世紀にわたる制度の改変、整備、運用は内務省によるものであり、現在につづく「戸」の意識はここで醸成された。これまで法学、政治学の分野に別れて探究されてきた戸籍制度を社会学的見地から解析することによって、それが内務行政の必要から要請され、構成された諸過程を明らかにした。(P153~P158)
「夢・支え・勲章-『障害者の子育て』にたいする理解の諸相-」 単著 2000年 3月 社会福祉研究所『母子研究』No.20 地域で暮らすことをめざす障害者にとって隣人たちのまなざしがもつ意味は大きい。その実態解明には長期間の状況変化を追跡できるライフヒストリーの把握・分析が有効である。本稿では視覚障害をもつ女性の子育て経験に取材し人々によるステロタイプの表明とこれに晒された彼女の感情や行為などを確認、両者の相互作用過程を分析した。決めつけへの反撥が子育て経験の共有へと繋がり、相互理解の深化をもたらす経緯となった。(P23~P50)
「『同和問題』と『解放令』」 単著 2001年 3月 筑波大学社会学研究室『社会学ジャーナル』第26号 戦後同和行政の画期となった同和対策審議会答申(1965)は、ひろく部落問題、部落差別問題と称される事象群にたいし、その改変を企図した行政的介入のみちすじを構想した公的文書である。本稿は答申の本文解析により、部落差別が操作的に定義され『身分的差別意識』と判じられた経緯、および現況を帰結した歴史的要因を政治的介入の不足にもとめ「解放令」をその典型とみなす論理構造などを明らかにした。(P97~P113)
「『同和地区』認定という関門-同和行政の起点-」 単著 2002年 3月 筑波大学社会学研究室『社会学ジャーナル』第27号 どこが「同和地区」でありだれが「部落民」か。同和行政を遂行するためにはそれを確定しなければならない。同和対策審議会は都道府県市町村の協力により同和地区数の把握をこころみたが、これにより各行政機関の同和対策事業にたいする積極性の強弱が浮き彫りとなった。地区の認定と範域の確定はこれ以降、同和行政の隘路の一つとなるが、本稿はそれを地区の実態、当局の意向、解放運動の関数とみて、困難の緒元を明らかにした。(P143~P158)
「介助者という他人について-ある『自立生活』の経験から-」 単著 2002年 3月 社会福祉研究所『母子研究』No.22 介助関係とはその一部に介助行為をふくむ、ごくありふれた人間関係である。にもかかわらず障害者-介助者関係は不均衡で特異なものとの見方が根づよい。本稿では全身性障害者の自立生活に取材し、介助者にたいする遠慮やこわいと思う気持ちの解析をとおして、両者の関係が介助行為に規定される側面とそうでない側面との弁別をこころみた。これにより、障害者が介助者をコントロールする際の葛藤、困難の精確な記述が可能となる(P54~P72)
「『同和対策』の構成-調査、報告から答申へ-」 単著 2003年 3月 筑波大学社会学研究室『社会学ジャーナル』第28号 我われの“現実は構成される”という議論はなじみぶかい。これを行政施策というマクロな過程に適用してみると、一定範囲の現実が限定的な手続きによって切り取られ、描写され、読まれ、具体的施策が企画、実行されるメカニズムが浮き彫りになる。同和行政という広大な事象群も、じつのところ、そうした限定と再構成の帰結であり、したがって時にコンフリクトと施策が乖離するのである。本論では「同和対策審議会答申」の成立過程に取材し、同和地区“調査”における限定と構成について解析した。(P45~P68)
「言わないという不快、話せるという安堵―遺児の語りあう経験から―」 単著 2003年 3月 筑波大学社会学研究室『社会学ジャーナル』第28号 父親について、訊かれたくない、話したくない。自分には父親がいないから。遺児たちは少なからずそう思っている。それは何故か。遺児どうし出会い、語りあうなかで悲しい気持ち、つらい気持ちが和らいでいく。それは何故か。本論では、おもに父親と死別した子どもたちの自助グループに参与観察し、かれらが互いに聞き、話す過程で心情を変化させるさまについて解析した。「つらい」気持ちの構成、「安心感」の生成など当事者グループにおけるミクロな相互作用関係が明らかになった。(P113~P124)
「『当事者グループ』経験の諸過程―遺児たちの『つどい』に取材して―」 単著 2004年 3月 筑波大学社会学研究室『社会学ジャーナル』第29号 遺児たちによる当事者グループの活動を、以前の生活、中核となる“分かちあいの会”、その後の生活に大別して把握、解析した。それらは一貫して遺児たちの自己概念が構成される過程であり、なかでも遺児どうし知り合い、語り合う経験は、旧来の自己概念を掌握し、新しいそれを構成する重大な手がかりとなる。当事者グループとは、こうした過程を遂行するための一種のシェルターであり、かつ外界との接続を可能にする橋架ともなる。インタビュー調査によって得られたデータから、当事者グループの関係性を理論的に解析した論考である。
「ピア・カウンセリングの視角-『自立生活』の理解のために-」 単著 2005年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編 第1巻 第1・2合併号 途中で遮ることも、否定することもなく、最後まで話を聴く。ときに最低限のマナーとして理解される会話の作法は、しかい長い間、多くの障害者たちに適用されずにきた。結果として、かれらは自らの意思を表明し、ふるまう“技法”の不足を感じている。本稿では、全身性障害者の「自立生活」に取材し、地域に設立された「自立生活センター」の開催する「ピア・カウンセリング」プログラムの解析をとおして、たがいに話し、聴く作業の特質や意義を明らかにした。それらは同時に、かれらの日常生活をとりまく諸状況を批判的に検討し、「自立生活」運動の企図を精察する試みでもあった。(P55~P73)
「分かちあいの会で語りを『引き出す』作業について-遺児たちの『自分史語り』のばあい-」 単著 2006年 9月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編 第3巻第1号 自助グループにおける語りあいの場の相互関係は対等、水平などと形容される。しかしごく初発の段階で語りはじめる「先導役」は、場の性格を明確にし、ほかの参加者たちの語りを促すために特異な役割を担う。本稿では遺児たちの語りあいの会で先導役を務めたふたりに照準した。かれらの「引き出す」語りは、感情をじゅうぶんに吐露してみせることで参加者たちの「吐き出し」を促そうとする。ただし、それは参加者の共感を得るものでなければならない。ふたりはそこで、誰にも話したことのない心奥を語るやり方を採った。このときかれらの感じた「不安」は先導役の語りに寄せられた種種の期待の関数であった。(P1~P14)
「分かちあいの会で語りを『聴く』作業について―遺児たちの『自分史語り』のばあい―」 単著 2007年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編 第3巻第2号 これに先立つ論考「分かちあいの会で語りを『引き出す』作業について」の姉妹編として、遺児たちの語りあいの場における相互関係のうち、「聴き手」のふるまいに照準して解析をすすめた。三人の「聴き手」が筆者に教えた経験から、語りあいの場における「聴く」作業の特性は、自覚的、積極的な自己呈示にあることが明らかになった。聴き手は、語り手にたいする関心のつよさを、語り手の是認を受けるべく、種種に表現しなければならない。「聴く」作業の本質は、聴き手が自らの存在をこそ知らしめることであり、したがって、「聴く」とはすぐれて能動的な作業である。また本稿で得られた知見をふまえれば、自助グループにおける「語る」作業は、「聴く」という発信にたいする応答として理解されるのが適当である。(P44~P65)
「人権意識の諸類型と差別をめぐる評価、判断-人権問題に関する意識調査(大阪府)から-」 単著 2007年10月 部落解放・人権研究所『部落解放研究』第178号 人権というものの見方、考え方に拠って差別的な状況を改変しようとするならば、人びとの人権意識の構成を精確に捉え、そのありようと差別的状況をめぐる評価、判断との関連が把握されなければならない。本論では、2005年に大阪府で実施された「人権問題に関する府民意識調査」データを用い、「人権という考え方に対する積極的評価・肯定的判断の強弱」「人権という考え方を敬遠・回避する傾向の強弱」の二軸によって人権意識を類型化し、それぞれに「差別一般をめぐる判断」「同和問題をめぐる判断」の諸相を解析した。(P59~P73)
「戦後初期地方自治制度の構成」 単著 2012年 3月 『戦後日本における内政体制の研究』科学研究費補助金(基盤研究(A))研究成果報告書 科研費課題「戦後日本における内政体制の研究」にもとづき、共同研究者の一人として、戦後初期内政のうち、地方自治制度をめぐる種種の編成を、内務省・内務官僚、連合国総司令部、他省庁の三者の関係性のなかにおき、それらの競合と攻防の諸過程として論じた。もっとも多くを旧内務官僚のインタビュー記録に拠り、あわせてかれらの著作から情報を得て、それらの総合として諸過程を粗描した。今回取り上げた旧内務官僚は鈴木俊一、柴田護、岸昌の三人である。かれらの証言から、戦後地方自治が内務省からの解放と他の中央省庁からの囲い込みを経験したこと、旧内務官僚がはじめ地方団体の離脱を非難し、やがて地方団体の難儀に仮託しながらそれらの新たな従属先を問い詰めるようになったことなどを明らかにした。(P119~P129)
「震災遺児・遺児家庭支援の現状と困難」 単著 2015年 6月 東海社会学会「東海社会学会年報」第7号 東日本大震災後の遺児・遺児家庭支援について、とくにその困難に照準し、時岡を含む研究者グループが実施した聴きとり調査および時岡が単独でおこなった支援者への聴きとり調査をもとに論じた。本研究の調査対象である支援者集団はすでに阪神・淡路大震災による遺児・遺児家庭支援を経験していたが、東日本大震災の災害特性、地域特性、被災の多様さには即応できなかった。わずか一例として被災の多様性を言うならば、阪神・淡路は多くが自宅で就寝中または起床後すぐに、家族の全員が一所で経験したのにたいし、東日本は家族の一人ひとりが個別で、たとえば父親の命をうばった津波そのものを見ていない遺児もいる。それらに由来する支援の困難を、調査対象者の主観的体験にそくして解析した。:別掲学会発表「震災遺児・遺児家庭支援の現状と困難」(東海社会学会第7回大会シンポジウム「東日本大震災と社会的弱者 Part2」(於愛知県立大学))にもとづく論考である。(P3~P21)
「『死別』を語る―遺児たちのセフルヘルプグループのばあい―」 単著 2018年 9月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編第15巻第1号 父親あるいは母親を亡くした遺児たちが死別体験やその後の心もちを語りあう「わかちあいの会」は、かれらが自己概念を(再)構成するいとなみである。本稿では、別掲「『当事者グループ』経験の諸過程」等で得られた個別の知見を、類似の対象をあつかった他分野(臨床心理学)の業績が産出した理論枠組み(「死別体験の相対化と主体化」)のもとに統合して一貫させた。その結果、あらたに、死別体験の相対化と主体化は遺児たちの自己概念の変化と併行して循環構造のようになりたつとの理解を得た。(P117~P134)
「アクティブ・インタビューと語りの生成ー訊き(聴き)手と語り手が協働する“きき方”と“書き方”についてー」 単著 2019年10月 現象と秩序 第11号 P5~P20
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
「『差別』的関係性の対象化と不当化の文脈」 1996年11月 日本社会学会第69回大会(於琉球大学) 差別がひろく問題化されている現況は措定指標としての平等、人権といった概念が認知されてきたことを示すが、それによってある関係性を「差別」的であるとみなすことが当該の関係性を改変する実践に結びつかない場合もある。このような認識と実践との連関構造を解明するためには、差別が問題化される過程、対象化と不当化の文脈を解析する必要があり、本報告では具体的な意識調査の分析によってこれを実証的に示した。
「『差別』的関係性の問題化と『反差別』的合意形成の諸過程-『同和問題意識調査』を読む-」 1997年 6月 関東社会学会第45回大会(於明治学院大学) 対象化と不当化によって進行する「差別」的関係性の問題化過程は、それぞれの文脈で採用されている判断規準ごとに類別される。人権意識と総称される判断規準についてみると、それが部落差別問題の判断に適用される場合とそうでない場合とがある。類似した傾向の判断規準が共有されたとき、差別の問題化過程はそれを改変しようとする合意形成過程に接続される。本報告では具体的な意識調査の分析によってこれを実証的に示した。
「構築主義と資源動員論の適用可能性-『反差別』的合意形成過程の分析枠組みを構想する-」 1997年11月 日本社会学会第70回大会(於千葉大学) 上記の実証分析をふまえ、そこで援用してきた理論枠組みを再度検討し、具体的な解析対象である部落差別事象により適合した分析枠組みを構想した。構築主義的アプローチ、資源動員論はともすれば当為命題の呈示に陥りがちな差別研究を冷徹な社会解析へと引き戻すが、やや図式的であるため観察の水準において恣意が混入しやすい。本報告では、汎用性の高い二つの理論を部落差別研究に適用する妥当性と修正の方途について考察した。
「『同和問題』の構築-『同和対策審議会答申』による-」 1998年 6月 関東社会学会第46回大会(於日本大学) 部落差別問題への行政的介入は明治期より繰り返されてきたが、今日につながる基本的方針を決定づけたのが同和対策審議会答申である。その成立過程は行政的介入の対象になりうるものが改変されるべき事態であるとされた、すなわち「同和問題」の構築過程にほかならない。本報告では歴史社会学的アプローチ、構築主義的アプローチを援用しつつ各種資料、史料を解析するとともに、答申をはさんだ部落解放運動の変遷にも言及した。
「『同和行政』の史的展開1969-1979」 1998年11月 日本社会学会第71回大会(於関西学院大学) 同和対策審議会答申によって行政的介入の対象とされた諸事象は、各種事業の展開を経て大きく改変された。しかし事業によって、偏った就労、周辺住民からのねたみといった困難も生起した。それが部落解放運動への批判につながり、運動との連繋なしに事業を実施できない同和行政の隘路となった。同和問題の構築過程にかんする分析をふまえ、具体的な差別事象と対策事業の対応関係について考察した。
The Dowa Problem and Social Work : Tasks of Social Work Concerning Dowa Administration 1999年 9月 Joint Conference AASW (the Australian Association of Social Workers) IFSW (the International Federation of Social Workers) APASWE (the Asia and Pacific Association for Social Work Education) AASWWE (the Australian Association for Social Work and Welfare Education)(於オーストラリア、ブリスベン) 同和対策事業によって同和地区の環境は大きく改善した。しかし住民の生活は変わらず再スラム化した例もある。報告では同和問題をめぐる社会事業の課題をマクロ、ミクロに大別して呈示した。地区のある地域全体の産業・就労構造、地域計画に位置づけて生活水準を向上させる。コミュニティ活動のための支援といった行政的な介入、である。アジア諸地域のスラム・クリアランス事業との比較という観点から多くの意見交換がなされた。
「『不在』の構成-父親の死について話しあうこと、子どもたちのばあい-」 2003年 6月 関東社会学会第51回大会(於大正大学) 追悼は遺族が故人の「不在」を主体的に意味づけ、そこから生起する苦痛と折り合いをつける営みである。それを社会的行為として考察する際に、家族と死別した人びとがつくる“分かちあいの会”は、ふたつの位相で取材、解析にあたいする。そこで話されたことから、参加者の過去、現在、未来の経験が知られる。会に参加しての感想などから、たがいに話し、聴くことの、参加者にもたらす変化が知られる。本報告では親の他界した子どもたちに照準し、かれらの経験や心情を訊き、そのいくつかに若干の解釈をくわえつつ紹介した。「不在」は遺児どうしを親密にし、それを快く思うほどかれらは「不在」に親和的になる。これは今後、死をめぐる人びとの行為、意識研究に不可欠の視座となろう。
「『遺児』として語る-自覚と変容-」 2004年 6月 関東社会学会第52回大会(於専修大学) 父親が自死によって他界した青年から、以後の生活史、心情の変遷、また遺児どうし語りあう自助グループでの経験などを訊いた。かれにとって父親の他界は後悔のはじまりであった。たいして他の遺児たちとの出会いは、『救えなかった』自分から『支えられている自分』『“何かできる”自分』へと自覚を改変させていく過程のはじまりである。その途上で、かれは心情の(再)解釈と自己概念の(再)構成をくり返すのだが、これは遺された者たちがしばしば行う喪の仕事であり、またこれこそが自助グループの本質である。
「自分史は生き物です-遺児の“分かちあいの会”で先導役を務めた経験を訊く-」 2005年 6月 福祉社会学会第3回大会(於北星学園大学) 病気、災害、自死などで父親、母親の他界した遺児たちによる“分かちあいの会”に取材し、「自分史」語りの先導役を務める年長者の意識、経験を訊いて解析した。かれらは死別体験やその後の心情を、たがいに話し、聴く作業をとおして対象化あるいは改編しようと試みている。そうした企図の詳細、そこで用いられる「自分史」語りの方法について、かれら自身の自覚を材にとり、解釈を加えた。とりわけ先導役、ファシリテーターへの照準が研究の独自性、特徴である。
自死遺族支援の現在 愛知・岐阜(3):“わかちあいの会”経験の構成と課題 2010年 7月 東海社会学会第3回大会(於金城学院大学) 自死遺族が“わかちあいの会”に参加する意味とは、何だろうか。あまたの中から、ここでは、ほかの遺族と語り、聴く過程が、他界した故人との関係を構成していくさまに照準する。Aさんは故人との「折り合い」をつけたい思いをもって、ある“わかちあいの会”に参加した。かれは不足を感じて、ときに故人の他界をめぐる“議論”さえゆるす「自死遺族支援研究会」を立ち上げる。そこはAさんにとって「遺族ぶらずに」話せる場所となった。遺族に限らず、遺族でない人びととも意見を交わし、問題意識を共有する。詳しく訊けば、そのような作業こそがAさんにとって、故人とむきあう時間にほかならなかった。なお、本報告は、共同研究者による報告-自死遺族支援の現在 愛知・岐阜(1)「『自死遺族支援研究会』の活動とその意義」、および(2)「遺族と行政との協働」との連続報告である。(ただし各報告は独立しており、対象に一部重複はあるが、調査研究は個別に実施されている。)
「震災遺児・遺児家庭支援の現状と困難」 2014年 7月 東海社会学会第7回大会シンポジウム「東日本大震災と社会的弱者 Part2」(於愛知県立大学) シンポジウム報告者の一人として標題のとおり報告した。要点は二つ、さまざまな性格をもつ被災地の中で遺児・遺児家庭を継続的に支援するという経験の特質(阪神・淡路大震災後の支援との対照)、支援組織と研究者とが協同して実施した聴きとり調査の意義と問題点、である。
「障害のある女性の生きづらさ(2): 恋愛・結婚/妊娠・出産と自己アイデンティティに焦点化して」 2017年10月 障害学会第14回大会ポスターセッション(於神戸学院大学) 日常生活において障害女性が経験する「生きづらさ」に関する具体的な事例から、とくに恋愛・結婚/妊娠・出産と自己アイデンティティに焦点化して、性別と障害、その他の要素がどのように「複合」しているのかを考察した。これら私的領域は差別禁止法における合理的配慮などの範疇にはおさまらないが、交差的差別の視点からは重要なため着目した。河口尚子(立命館大学)、伊藤葉子(中京大学)、時岡新、秋風千恵(大阪市立大学、社会理論・動態研究所)の共同報告
「障害のある女性が経験する『生きづらさ』と『交差性』 ──精神に障害のある女性の生活史に着目して──」 2017年11月 日本社会学会第90回大会テーマセッション(於東京大学) 障害のある女性の「生きづらさ」の事例の中から、差別の「交差性」(intersectionality)を見出すための調査研究を行った。交差性とは性別、エスニシティ、障害といった社会的カテゴリーが影響しあうあり方を示す概念である。障害のある女性は障害者と女性という 2 つの社会的カテゴリーに同時に所属しており、障害のある男性や健常者女性とは異なる生きづらさを経験していると考えられる。今回は本研究における調査を通して得られたインタビュー内容のうち、精神に障害のある女性の語りを生活史上重要とされる出来事によって分類し、発表した。後藤悠里(名古屋大学)、土屋葉(愛知大学)、渡辺克典(立命館大学)、河口尚子(立命館大学)、時岡新の共同報告。
「アクティヴ・インタビューと語りの生成」 2019年 6月 福祉社会学会第17回大会 テーマセッション「学問の不可視の前提を外して研究しよう」(於明治学院大学) 対象理解のために、その対象じしんに問いかけ、対象から与えられた言葉を用いて記述するさい、私たちはどのように作業を進めているか。とりわけ、このテーマセッションが射程に入れるところ、すなわち社会制度的な枠組みがつよく効いている領域(福祉、保健医療)で、対象をひとしなみに押し込める制度的な制約と、対象の個々別々の多様性と総合性とをいずれもじゅうぶんに把握しながら研究するための方途はどのようであるか。ここではそれらのなかから、訊き(聴き)手と語り手とが協働して認識を生成するための“きき方”と“書き方”について述べた。
「発達障害の女性の「生きづらさ」―とくにジェンダー規範をめぐって」 2019年 9月 障害学会第16回大会ポスターセッション(於立命館大学) 発達障害のある女性が経験する「生きづらさ」の具体的な事例から、ジェンダーの視点を用いて、ライフコース上のステージを背景にさまざまな要素がどのように交差し、彼女らの「生きづらさ」を生成させているのかを考察した。方法としては個人の生活史を軸として「生きられた」経験を聴きとる生活史法を採用し、障害女性にとって「生きづらさ」を感じさせた出来事、およびそれへの意味づけを重視した。河口尚子(立命館大学)、伊藤葉子(中京大学)、時岡新の共同報告。
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調査報告書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
茨城県「平成5年度同和地区実態・意識調査-生活実態調査報告書-」 共著 1995年 3月 茨城県 同和対策事業特別措置法以来、同和対策にかかる種種の施策が実施されてきた。93年総務庁(当時)により実施された同和地区実態把握等調査は、それら施策の効果を測定し、同和地区の実態や人びとの意識などを把握しようとするものである。各県ではこれに上乗せして独自の調査を実施し、共同研究者とともに【茨城県】の調査に従事した。精確を期す目的から共同で執筆にあたったため、本人担当分のみ抽出不可能。共同研究者 菱山謙二、時岡新
熊本県「平成5年度同和地区実態把握等調査-地区概況調査・生活実態調査報告書-」 共著 1995年10月 熊本県 同和対策事業特別措置法以来、同和対策にかかる種種の施策が実施されてきた。93年総務庁(当時)により実施された同和地区実態把握等調査は、それら施策の効果を測定し、同和地区の実態や人びとの意識などを把握しようとするものである。各県ではこれに上乗せして独自の調査を実施し、共同研究者とともに【熊本県】の調査に従事した。精確を期す目的から共同で執筆にあたったため、本人担当分のみ抽出不可能。共同研究者 菱山謙二 (なおこれと並行して行われた県内同和地区視察にもとづき、以後の施策課題などを提案した。)
熊本県「平成5年度同和地区実態把握等調査-意識調査報告書-」 共著 1995年10月 熊本県 同和対策事業特別措置法以来、同和対策にかかる種種の施策が実施されてきた。93年総務庁(当時)により実施された同和地区実態把握等調査は、それら施策の効果を測定し、同和地区の実態や人びとの意識などを把握しようとするものである。各県ではこれに上乗せして独自の調査を実施し、共同研究者とともに【熊本県】の調査に従事した。精確を期す目的から共同で執筆にあたったため、本人担当分のみ抽出不可能。共同研究者 菱山謙二、時岡新
和歌山県新宮市「同和問題と人権啓発に関する意識調査報告書」 単著 1999年11月 新宮市 時岡が新宮市でおこなった、新宮市住民の同和問題にかんする意識調査の報告書である。これにもとづき、新宮市人権行政推進委員会・人権啓発推進員研修会が開催され、時岡が講師を務めた。あわせて施策課題なども提言した。
あしなが育英会「『あしながさん』の活動と意見」 共著 2000年 3月 あしなが育英会 NGO、NPOはある種の価値を追及する組織である。93年以来1万人もの病気・災害遺児に奨学金を貸与してきたあしなが育英会は、延べ5万人のあしながさんによる定期的な寄付に拠ってきた。彼らは困窮者への援助、社会的連帯への共感、自己実現など異なる志向によって、しかし類似の目標のため寄付を続ける。本調査はボランティア意識、社会参加意識、それらを綜合する組織の特質を解明し、福祉社会の今日的動態を示すものである。担当部分P4~P7「『あしながさん』の基本的属性」,P36~P44「助け合いと幸福感」共同研究者 副田義也、時岡新、株本千鶴、嶋根久子、藤村正之、遠藤恵子、加藤朋江、鍾家新、樽川典子[執筆順]
あしなが育英会「震災遺児の心と生活にかんする調査」 共著 2002年 3月 あしなが育英会 阪神淡路大震災から5年を経て、被災者の生活、心情はどのように変わりまた変わらずにあるのか。本調査は震災で親を亡くした子どもたちに照準し、生活の詳細、感情や人間関係の実態に迫った。時岡の担当は遺児たちの人間関係であり、悩みを相談できる機会の少なさ、すれ違う親子の心情、体験の相異によって被災者どうしでも理解しあえない実情、大人を気づかう傾向、成熟を強く志向する性格の変化などを明らかにした。担当部分P33~P43「遺児たちの人間関係」共同研究者 副田義也、樽川典子、加藤朋江、遠藤恵子、株本千鶴、阿部俊彦、時岡新[執筆順]
あしなが育英会「震災遺児家庭の心と生活にかんする調査」 共著 2002年 3月 あしなが育英会 震災遺児を育てる親、家族に照準し生活の変化、心情などに迫った。苦しい生活の実態、心的外傷、悩みなどが明らかとなった。時岡の担当は故人をめぐる感情であり、悲しみは薄まらず寂しさがつのる、生活上の困難が故人への複雑な心情を醸成するなどの実態が確認された。遺された妻と遺された夫では回答傾向が大きく異なり、遺児の性別との組み合わせによって、家族のなかで気持ちのずれ、誤解の生じる可能性が指摘された。担当部分P19~P25「故人をめぐる感情」共同研究者 副田義也、樽川典子、株本千鶴、時岡新、阿部俊彦、遠藤恵子、加藤朋江[執筆順]
大阪市「人権問題に関する市民意識調査報告書(調査検討委員分析)」 共著 2006年 3月 大阪市 大阪市の委嘱により、前掲、大阪府調査と同時期に大阪市のみを対象に別サンプル(3000人対象)を集め、調査、解析を行った。「人権のイメージ」および「人権の考え方を適用する範囲」をそれぞれスコア化して類別し、差別的事象にたいする姿勢との関連を解析した。研究上も、また具体的な実践への寄与という観点からも注目すべきは、差別を問題化する姿勢(差別だという訴えを取り上げる傾向、差別事象を自分自身の問題として捉える傾向)はイメージ、適用範囲の二要素が相乗的に関連しながら形成されているとの解析結果である。報告書では、人権啓発のためのプログラム開発において、人権の考え方を積極的に適用する傾向の強化に留意すべきである旨を提言した。担当部分 P1~P22「人権意識の諸相と人権問題・差別問題に対する態度」共同研究者(検討会委員) 元木健、中川喜代子、奥田均、時岡新
大阪府「人権問題に関する府民意識調査報告書(調査検討会委員分析)」 共著 2006年 3月 大阪府 大阪府の委嘱により「人権尊重の社会づくりに向けた、大阪府の今後の人権教育・啓発施策の効果的な取組みのための基礎資料を得る」との目的から、大阪府民7000人を対象とした標記の調査を実施、報告書を作成した。時岡は「人権問題に関する府民意識調査検討会」委員として調査票作成、分析に参画し、とくに「人権のイメージ」「人権の考え方に対する意見」の項目を中心とした詳説を担当した。さまざまな差別的事象にたいする人びとの姿勢を「人権のイメージ」「人権の適用範囲の広狭」の諸類型ごとに比較した本調査および解析は独自性のたかいものであり、要請を請け2006年「部落解放研究全国集会」分科会(第9分科会「効果的な人権啓発の可能性を探る」)でその詳細報告を行っている。担当部分 P1~P22「人権意識の諸相と人権問題・差別問題に対する態度」共同研究者(検討会委員) 元木健、中川喜代子、奥田均、時岡新
(社)部落解放・人権研究所「部落問題に関する意識の変遷と啓発の課題」(同研究所「部落問題に関する意識調査研究プロジェクト」報告書) 共著 2008年 3月 (社)部落解放・人権研究所 2005年~2007年度にかけて行われた(社)部落解放・人権研究所による「部落問題に関する意識調査研究プロジェクト」の研究成果としてまとめられた報告書のうち、2論文を分担執筆した。総論として1980年代から近年にいたるまで継続的に実施されている大阪府意識調査の全体に関する分析をおこない、各論として「部落差別をなくす方法」をめぐる意識の変遷を確認した。担当部分 P15~P36「大阪府人権意識調査結果から見る府民意識の変化と啓発課題」P111~118「『部落差別をなくす方法』をめぐる意識―大阪府、大阪市、堺市の比較から―」共同研究者 竹村一夫、益田圭、時岡新、齋藤直子、内田龍史
あしなが育英会「仙台・石巻・陸前高田 レインボーハウスの現在と未来ー東北調査2015 調査結果報告ー」 共著 2016年 6月 あしなが育英会 震災復興支援の拠点として仙台市、石巻市、陸前高田市に建設された「レインボーハウス」の活動、スタッフインタビュー、津波遺児家庭調査、ボランティア(ファシリテーター)養成講座出身者調査を総合的にまとめた報告書である。担当部分は「陸前高田レインボーハウス スタッフインタビュー」一件および数量調査の分析である。担当部分P45~P52「陸前高田レインボーハウス スタッフ・インタビュー A氏」、および量的調査分析の一部。共同研究者 副田義也、阿部俊彦、市川紀美他 総著者数13名
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紹介・解説

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「福祉」 共著 1999年 3月 『データブック/社会学』川島書店 戦後から近年までの日本社会を対象とした社会調査の紹介。「福祉」にかんする3つの調査を紹介した。[栗田宣義編](P44~P51)
国勢調査、生活大国、統計法、オーウェン、サン=シモン、フーリエ 共著 1999年 5月 『福祉社会事典』弘文堂 各項目にかんする説明、解説。[庄司洋子・他編]
「これからの人権啓発にもとめられるもの 意識調査の分析をふまえて」 単著 2008年 3月 大阪人権教育啓発事業推進協議会「同和問題に関する参加型学習教材開発事業」報告書 別掲「人権意識の諸類型と差別をめぐる評価、判断-人権問題に関する意識調査(大阪府)から-」による研究成果にもとづき、「同和問題に関する参加型学習」のプログラム構成にたいする提言をおこなった。(P88~P95)
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書評

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
部落解放・人権研究所編『部落の21家族-ライフヒストリーからみる生活の変化と課題-』 単著 2002年 3月 社会福祉研究所『母子研究』No.22 部落の子どもの低学力・低達成がクローズアップされているが、それを規定している家庭要因の解明は重要な課題として残されたままである。本書は旧来の学校文化論、文化の再生産論からすすんで、生活史法を駆使しながら部落の特質に即した事象の解析をおこなう。旧来の議論に被差別経験や解放運動という変数をくわえたこと、部落の対抗的な感情を部落外からの攻撃にたいする反作用の関数とみる視座は妥当であり、示唆的である。(P112~P114)
三浦耕吉郎著『環境と差別のクリティーク-屠場・「不法占拠」・部落差別-』 単著 2012年 2月 社会学研究会「ソシオロジ」173号 著者は本書で、環境問題と差別問題の複雑な絡まり合いに分け入り、環境研究と差別研究がともに表象問題への取り組みを基軸としてこなかった事実、各主体間のディスコミュニケーションに着目する<対話>論的アプローチの有効性、構造的差別という認識が持つ分析力と批判力を明らかにした。評者としてそれらを確認するとともに、解釈の過剰、対象の美化について指摘した。著者リプライではこの問いが「あなたが研究者として行う解釈の妥当性は、いかにして担保されているのか」と定式化されている。著者との往復によって、書評の形をとった社会調査論の論点提示の機会ともなった。(P162~P167)
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研究ノート

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「故人をめぐる対話―子どもたちによる“分かちあいの会”のばあい―」 単著 2003年10月 筑波社会学『年報筑波社会学』第15号 遺児たちによる“分かちあいの会”を、かれらの心情の変化に沿っていくつかの階梯に類別し、それぞれの相互作用関係、心情の構成を解析した。似かよった経験をもつ者どうしが出会い、聞き、話すことによって、かれらは自分を相対化してみるようになる。相対化は、やがて、各自の特異性を正面から受け容れる心情の素地を醸成する。他者との相互作用が自己内相互作用に接続され、ふたたび他者とのかかわり合いを改変していく。自助グループで一般的、経験的に知られる変化の諸過程が、具体的、分析的に解明された。(P82~P93)
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口頭発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「差別を対象化、不当化しうる『人権意識』の醸成を」(意識調査から見る差別意識克服の課題-2005年大阪府民意識調査から-) 単著 2006年10月 部落解放研究第40回全国集会 2005年大阪府で実施された「人権問題に関する府民意識調査」で得られたデータにもとづき、人びとの「人権意識」を類型化し、その類型ごとに、差別事象にたいする意識の傾向を比較分析した。これにより、人びとの「人権意識」の多様性が把握され、またそれらが差別事象の対象化、不当化にどのように繋がりうる/繋がらないものであるかを考察した。今後の人権啓発施策においては、旧来の「ホンネとタテマエ」などの認識図式を改め、人権の考え方にたいする親和性を強めると同時に、それを日常生活における判断規準として採用する傾向を醸成する必要がある旨を提言した。(於熊本県慶誠高等学校)(於第9分科会「効果的な人権啓発の可能性を探る」)
「大阪府における一九八〇年代以降の意識の変化―総論および『部落差別をなくす方法』をめぐる意識について―」 単著 2008年10月 部落解放研究第42回全国集会(於宮崎県第一宮銀ビル) 2005~2007年度にかけて行われた(社)部落解放・人権研究所による「部落問題に関する意識調査研究プロジェクト」の研究成果としてまとめられた報告書から、担当の2論文にもとづいて報告した。担当論文については本業績報告書[調査報告書]の部に記載。
「『人権(尊重)』という考え方は、差別的状況を改変しうるかー『人権問題に関する意識調査』の解析結果からー」 単著 2009年 2月 第23回人権啓発研究集会・部落解放研究第16回滋賀県集会 別掲「人権意識の諸類型と差別をめぐる評価、判断-人権問題に関する意識調査(大阪府)から-」にもとづき、「人権啓発」の機会にさいしては、「人権」という考え方は歴史的構成と改訂の過程にあり、それは私たち一人ひとりについても同様であるとの認識が重要である旨を提言した。(資料集P189~P193)
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調査資料

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「資料・自分と、誰かのために-自死遺児たちの分かちあいの会の経験から-(上)」 単著 2007年 9月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編第4巻第1号 2002年におこなった「自死遺児」たちへのインタビュー記録に、若干の考察をくわえつつ整理した。インタビューの内容はすでに、断片的にいくつかの論考で用いているが、「自死遺児」独自の体験や心情、“分かちあいの会”の経験を議論するため、あらためて原資料を整備、公開するものである。紙幅の制約から二分割したものの前編。(P99~P114)
「資料・自分と、誰かのために―自死遺児たちの分かちあいの会の経験から―(下)」 単著 2008年 3月 金城学院大学『金城学院大学論集』社会科学編第4巻第2号 平成19年9月に発表した「資料・自分と、誰かのために-自死遺児たちの分かちあいの会の経験から-(上)」に続く後編。(P82~P96)
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モノグラフ

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「末期患者・家族にかかわる-ソーシャルワークは何をめざすか-」 単著 2008年 3月 『死の社会学的研究』科学研究費補助金(基盤研究(A))研究成果報告書 科研費課題「死の社会学的研究」にもとづき、共同研究者の一人として、医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務に照準し、医療現場におけるMSWによる「死と死別の演出」について報告した。記述はインタビュー記録からの抜粋に分析をくわえ、短編の物語となるよう工夫している。全体を通して、MSWであるAさん(50歳代、男性)の相談業務の性格、死に臨む患者とその家族とのかかわりを、概括的に把握できるよう努めた。Aさんは援助対象の生や家族関係に介入し、先を見通しつつ助言し、支え、ときに家族どうしを繋げる。それらの諸過程を総合すれば、Aさんは、自らの死を死んだ経験はないが、死と死別をめぐるありさまを多く見知り、いわば先達として助言しているさまが理解できる。(P49~P61)
「経験としての自立生活」 単著 2009年 1月 『参加と批評』第3号 全身性障害者Tさんに訊いて、かれの「自立生活」のありさまを粗描する。地域での自立生活を10年以上にわたって継続するTさんは、一方で自立生活センターを運営する自立生活の熟達者であり、しかし他方で、いまでも介助者との関係性に不自由を感じる日々を暮らしている。そのようなかれに、介助者にむかう障害者の主体性と非力について、具体的に訊き、筆者の分析をくわえて記述した。(P66~P112)
「つかない折り合いをつける-ある自死遺族のわかちあい経験から-」 単著 2011年 3月 『参加と批評』第5号 自死遺族が“わかちあいの会”にもとめ、経験することがらのうち、自死した故人と(あらたな)関係をとりむすぶ諸過程を訊き、まとめた。Kさん(50代、男性)は既存の遺族会に参加した後、自らの地元で“わかちあいの会”を立ち上げた。それらで語り、聴いたりした経験、会から派生した遺族どうしの交流、筆者をふくむ周囲の遺族でない人びととのやりとりなどを通して、Kさんは故人との関係を(再)構築していく。それは、まだ見知らぬ故人のすがたを求め、声を探す機会であり、故人とのあいだに「つかない折り合いをつける」作業でもあった。語りあいをはじめとする遺族どうしのやりとりが持つ意味を、インタビューの手法を用いて調査、分析した記録である。(P199~P240)
「自立生活の手間と厄介」 単著 2012年 3月 『参加と批評』第6号 全身性障害者Tさんの「自立生活」経験群のなかから、くり返される日常のうちに生じる不足や不満の実態と、それらと折り合いをつけて暮らす技法について訊いた。今回は特に自立生活センターの「コーディネーター」として、障害当事者の立場から、障害者と介助者との関係を調整する作業に照準した。実状として、自立生活の大部分は障害当事者、介助者、コーディネーターの三者関係によって構成されている。自己決定という自立生活の理念とコーディネーターの立ち位置という現実とのあいだで、Tさんはどのように考え、調整を進めているか。具体的な事例にそくして訊いた。(P43~P78)
「生きた意味をのこしたい-ある自死遺族のわかちあい経験から-」 単著 2013年 3月 『参加と批評』第7号 自死遺族が“わかちあいの会”にもとめ、経験することがらのうち、ほかの遺族と出会い語りあうなかで「死から立ち直るプロセス」と、悲しみと「むきあい、共存する」ありさま、さらに故人の生きた意味を確かなものにするために「自分が生きたことの意味をのこしたい」と思い至る過程を聴いた。美織さん(30代、女性)のばあい、遺族としての孤独と自罰感情につよく苦しみ、追いつめられたが、遺族会のスタッフの姿に「生きる希望」を見出し、「生きている自分がイメージできた」。それでも、故人の生きた意味、彼女自身の生きる意味が見つかるまでは「どう生きていったらいいのかわからなかった」という。本稿では、遺族ではない人びととのやりとり、遺族会での交流が美織さんのどのような心もちを醸成し、変化させていったかを、インタビューの手法を用いて調査、分析した。(P131~P168)
「医療ソーシャルワーカーとしての<きき方>について-Aさんのばあい- 単著 2014年 3月 『参加と批評』第8号 医療ソーシャルワーカーAさん(50歳代後半、男性)に取材し、かれの面接の方法と過程を手がかりに、ソーシャルワーカーによる相談援助の特質を粗描した。一般に相談援助は「クライエントの自己決定を促して尊重する」(バイステックの原則6)ことをめざすが、Aさんによればその際、クライエントを「その人として理解する」ような「見立て」が不可欠である。それらは利用可能な社会資源の列挙や関連機関の紹介に終始する最狭義のソーシャルワークとはたいそう性格を異にする。Aさんの相談援助はクライエントと「悩みや苦しみを一緒に軽減する、解決する」ことをめざし、ワーカーとクライエントの相互作用過程を重視する。その本質は、クライエントを客観的に見きわめる理解にではなく、ワーカーとクライエントとの主観的な心的経験の共有にこそある。(P75~P103)
「調整と研修-ある『自立生活』経験からー」 単著 2015年 3月 『参加と批評』第9号 全身性障害者Tさんの自立生活センター運営者としての経験群から、利用者のヘルパーであると同時に事業所の被雇用者である介助者たちをどのように研修し、また利用者との関係性を調整しつつ業務に従事させるかについて訊いた。特に利用者の体調不良や死去にかかわる介助業務を取り上げ、その困難やTさんの考え方に照準している。並行して、十数年にわたる制度の変遷とそれによる自立生活や介助関係の変化にも注目し、Tさんらをとりまくさまざまの不安定要素やかれらの抱える不安と、反面、実現しつつある自立生活の〝大衆化〟の様を描いた。(P76~P129)
「再生――ある自死遺族と遺族会の十年」 単著 2016年 5月 『参加と批評』第10号 自死遺族のわかちあいの会に照準し、その場に行くこと、そこで語り、聴くことの意味、それらの前後で変化した生活や心もちを記述した一篇である。今回の語り手、みゆきさん(40代、女性)のばあい、幼少期、青年期に経験した両親の自死に由来する心的経験・社会的経験が、一方では彼女が立ちあげて運営の中軸をになう自死遺族の会の基調をなし、かつ他方では遺族会での経験が過去の心的・社会的経験と彼女のかかわり方を変化させる。それらの過程で、みゆきさんは自死、死別を話すことに慣れてしまった自分や、その自分が今まさに遺族として直面した新たな諸課題を遺族会メンバーとはわかちあえない現実に出会う。聴きとりではおもにそれらの錯綜を追いつつ、併せて彼女がそれでもなお「変わらない遺族会」を心がける理由の探究にも努めた。(P31~P97)
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