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フリガナワタナベ キョウコ
ローマ字WATANABE Kyoko
氏名渡辺 恭子
メールkyoko-w@kinjo-u.ac.jp
学位教育学博士 
所属人間科学部 / 多元心理学科
職名教授
所属学会日本音楽療法学会 日本芸術療法学会 日本老年精神医学会 日本音楽教育学会 日本集団精神療法学会 日本心理臨床学会 日本教育心理学会 日本心理学会 
専門分野教育学 心理学 芸術学   
研究課題老年期認知症患者を対象とした音楽療法に関する研究 精神科領域における音楽療法に関する研究 音楽経験と音楽聴取による生理学的・心理学的変化の関連に関する研究 

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
1994年10月 日本芸術療法学会会員 現在に至る
1995年10月 日本音楽教育学会会員 現在に至る
1995年10月 臨床音楽療法協会会員 2001年 3月迄
1996年 4月 愛媛音楽療法研究会事務局長 1998年 3月迄
1996年 4月 愛媛音楽療法研究会常任理事 1999年 3月迄
1997年 2月 全日本音楽療法連盟主催音楽療法フォーラム’97参加 1997年 2月迄
1997年 3月 日本集団精神療法学会会員 現在に至る
1999年 6月 日本バイオミュージック学会会員 2001年 3月迄
2000年 3月 日本老年精神医学会会員 現在に至る
2000年 5月 日本心理臨床学会会員 現在に至る
2001年 4月 日本音楽療法学会会員 現在に至る
2004年 4月 第5回日本音楽療法学会学術大会 大会準備委員長 2005年 9月迄
2006年 7月 日本音楽療法学会東海支部研修委員 2008年 3月迄
2007年 9月 日本音楽療法学会東海支部第七回大会 大会事務局長 2008年 4月迄
2009年 6月 名古屋市統合保育スーパーバイザー 現在に至る
2010年 4月 日本音楽療法学会東海支部役員(研修担当役員) 2012年 3月迄
2013年 6月 日本教育心理学会会員 現在に至る
2014年 4月 日本音楽療法学会東海支部役員(紀要担当) 2016年 3月迄
2014年 5月 日本心理学会会員 現在に至る
2016年 4月 日本音楽療法学会評議員 2019年 3月迄
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受賞歴

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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
老年期認知症患者を対象とした音楽療法に関する研究 単著 2008年 1月 風間書房 本書では、理論編として、音楽療法の歴史的背景について触れた。また、音楽療法の定義や音楽の治療的特性に関する考察を行い、音楽療法の理論的背景について述べた。さらに、音楽療法の方法論として受動的音楽療法と能動的音楽療法を取り上げ、その実践方法について考察した。さらに、実証編で対象となる老年期領域について、老年精神医学・老年心理学・老年看護学の三つの観点から考察した。実証編では、妥当性・信頼性の確立された音楽療法評価表の作成、他の集団活動との比較による音楽療法の効果に関する検討、認知機能における音楽療法の効果、継続的音楽療法による対象者の変化に関する検討、前頭側頭葉変性症に対する音楽療法の効果などについて論じた。(総頁数181頁)
音楽教育学の未来 共著 2009年10月 音楽之友社 慢性期統合失調症のクライアント46名に対し、週一回、6ヶ月間の継続的な音楽療法を実施し、音楽療法中の状態を、妥当性・信頼性のほぼ確立している精神科用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Psychosis ;P-EMS)を用いて評価し、分散分析によって日常生活評価と比較した。その結果、日常生活と比べて、音楽療法中は一時的に認知障害に関する改善が認められたが、6ヶ月の継続的な介入による縦断的効果は認められなかった。また、自発性や社会性に関する改善が認められ、継続的な音楽療法実施による向上も認められた。一方、陽性症状の改善も認められたが、交互作用も認められたことから、薬物療法の影響を排除できないと思われた。加えて、反復測定による音楽活動の変化もとらえた。その結果、歌唱活動では向上が認められず、伴奏法などの工夫が必要であると思われた。一方、拍子うちや身体運動の改善は認められ、慢性期統合失調失調症のクライアントにとって、導入しやすい活動であると推察された。(総頁数407頁) 安田寛、今川恭子、渡辺恭子他 総著者数38名、執筆担当部分:第六章障害と音楽教育/音楽療法, 統合失調症を対象とした音楽療法による変化に関する一考察
音楽療法総論 単著 2011年 9月 風間書房 本書は音楽療法の歴史的背景・定義・近接領域との関連・音楽療法の方法論・音楽療法の対象などの観点から、音楽療法を考察し、編纂した。具体的な内容については以下に示す。第一章では音楽療法の歴史について概説している。第二章は音楽療法の定義について考察している。特に、日本音楽療法学会が示している音楽療法の定義を中心に、音楽の生理的働き、心理的働き、社会的働きについて論じ、加えて身体的働きについても述べた。さらに、音楽の治療的特性を、Gastonの音楽の10の治療特性を取り上げて考察した。第三章から第五章では、音楽療法の関連領域について論じている。第一に精神分析、第二に音楽教育学、第三に発達論を取り上げた。第六章は、音楽療法の方法論について、受動的音楽療法と能動的音楽療法に分けて、様々な技法について検討した。第七章では、音楽療法の対象Ⅰとして、児童領域について述べた。広汎性発達障害、ダウン症候群、学習障害、注意欠陥/多動性障害(ADHA)、脳性マヒ、てんかんを取り上げた。第八章では、音楽療法の対象Ⅱとして、精神科領域を取り上げた。統合失調症、気分障害、パーソナリティー障害について論じた。第九章では、音楽療法の対象Ⅲとして、高齢者領域を取り上げた。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、ピック病などについて論じた。第十章ではアセスメントと評価という観点から、WISC-Ⅲ・PANSS・SANS・MMSE・HDS-R・PSMSや、音楽療法の評価方法としてのMCL・D-EMS・P-EMSや、記録用紙について検討した。第十一章では、音楽療法の実際を示すために、児童領域・精神科領域・高齢者領域の症例を筆者の臨床経験の中から取り上げて論じた。資料として、音楽療法関係人名一覧、音楽療法研究法一覧、音楽療法研究に必要な統計方法、音楽療法現場で用いられる楽曲一覧を最後に添付している。(総頁数283頁)
芸術と芸術療法 共著 2013年12月 風間書房 本書では、芸術と芸術療法について、共通項である「精神」や「心」という視点を軸に据えて論じた。具体的には、芸術の中でも「音楽」と「美術」、加えて「音楽における療法」「美術における療法」について論じた。第一章の「音楽」では、特に和声学を取り上げた。芸術と芸術療法のパラドックスの解消をふまえ、鑑賞という視点を取り入れ、表現の方法としての演奏表現(ピアノ演奏や歌唱)に主眼を置き、精神の充実を導けるような演奏の追究のために和声学という学問がどのような役割をはたしていくのか、どのような学習が必要なのかについて論じた。第二章の「美術」では、美術鑑賞という立場から芸術を論じ、日本の現代美術に着目し、日本の現代美術の独自性はどこにあるのかについて見直した。そのことによって、美術という領域における日本人としての精神の充実はどこにあるのかという点が論じられている。第三章の「音楽における療法」では、音楽療法とは何かについて論じ、それらをふまえて、音楽による共感が精神の充実を経て関係発達の促進に至る経過を記した。第四章の「美術における療法」では、ネイチャープレイやフィンガーペインティングについて考察する中で、表現する”私”というものに自分自身が向き合うことについて論じた。そのことによって、表現することと精神の充実の関連を考察し、心の中にあるものを何らかの形にしていくことによる心理療法的な効果について言及した。(総頁数181頁)渡辺恭子編著、飯田真樹、山脇一夫、治田哲之総著者数4名、執筆担当部分:序章(芸術と芸術療法p1-7)・第三章(音楽における療法:音楽が関係発達に果たす役割を中心にp63-110)・あとがき(p179-180)
心理臨床活動における他職種の連携と協働 共著 2015年 3月 岩崎学術出版 本書は心の健康をいかに保つかという問題について他職種との連携と協働という観点から論じたものである。心理士の活動領域は医療・教育分野のみならず, 保健・司法・福祉などきわめて多岐にわたっており, クライアントの背景要因が複雑に関与し深刻な状況である場合, 心理士が単独でクライアントの支援を行う事は難しい。そのような場合には他職種との連携が必要である。担当箇所では, 精神科医療領域における他職種との連携と協働について論じている。(総頁数171頁)P143-158(担当部分) 第十章チーム医療での連携と協働 (共著者)本城秀次, 金子一史, 渡辺恭子他総著者数13人
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
大学病院精神科病棟におけるドラムを用いた音楽療法の実践 共著 1995年10月 日本芸術療法学会誌 通巻26号 愛媛大学医学部附属病院精神科病棟において実施している電気ドラムを用いた音楽療法の実践内容について報告した。さらに、「固有のテンポを有する対象者がいる」「多くの精神分裂病患者が四肢を順次連携させ、秩序だったコンビネーションを構築する能力に欠ける」といった精神分裂病患者のリズム特性について述べた。また、音楽療法場面で治療者によって提供される即興性のある「遊びの場」としての共有空間が、精神分裂病患者に内在する能動性・自発性を導き出す上で極めて有効ではないかと考察された。(P113~P119)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 馬場俊一、南谷茂、渡辺恭子他 総著者数4名(査読有り)
分裂病者の音楽能力 共著 1996年11月 日本芸術療法学会誌 通巻27号 愛媛大学医学部付属病院精神科デイケアに通所する若年層の精神分裂病患者に音楽療法を実践すると共に、精神分裂病患者の音楽能力の特性や傾向を検討するため、分裂病患者群10名と統制群10名に対し、Seashore音楽能力テストを実施した。その結果、分裂病患者群は健常者群に比べて低い値を示すことが明らかになった。この特徴は音楽経験を有する群で特に顕著であった。よって、分裂病患者が経験によって獲得した音楽能力は低下しているのではないかと推察された。また、患者群の2名について音楽療法中の状態を報告した。(P128~P133)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、馬場俊一、南谷茂他 総著者数4名(査読有り)
楽曲が提示する同時代性について-20歳代の精神分裂病患者を対象としたデイケアにおける音楽療法実践から 共著 1997年10月 日本芸術療法学会誌 通巻28号 愛媛大学医学部付属病院精神科デイケアにおいて、20歳代の比較的若年の精神分裂病患者に対し、ポップス音楽を用いてギターやピアノ・ドラムを使った音楽療法を実践した。その中で、ポップス音楽に含まれる様々な現在の価値観を治療者と患者が共有することが、社会適応へむけての重要なステップになりうるという結論を得た。また、音楽療法の効果には短期的要素と長期的要素があり、短期的要素としては受容空間の拡大や自己評価の快復、長期的要素としては個々の心理的内面へのアプローチがはかれるのではないかと考察された。(P49~P55)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 熊本庄二郎、馬場俊一、南谷茂、渡辺恭子(査読有り)
音楽療法における楽曲を介した心理的内面表現について-集団精神療法の一形態として- 共著 1998年 4月 集団精神療法 通巻27号 ポップスを用いて愛媛県内の単科精神病院で音楽療法を実践し、その中で、集団精神療法の一形態として、Supposition(歌の内容について仮想したりイメージを拡大することによりその状況を再経験したり、心理的内面を表現し、それを自身が受け止めたり共有共感すること)という技法を試みた。その結果、歌詞を用いて教示的指示・助言が行える」「Suppositionで心理的内面を表現することにより自己の問題を普遍化し、共感共有できる」「対人関係の学習や社会適応技術を発達させることが出来る」という考察を得た。(P53~P56)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、熊本庄二郎(査読有り)
痴呆症状を呈する老年期の患者に対する音楽療法の試み 単著 2000年 3月 日本芸術療法学会誌 通巻31号 痴呆症状を呈する老年期の患者に対する音楽療法について音楽療法評価表を作成し、症例検討を交えて報告した。その結果、音楽療法に関して「痴呆患者に有効な媒介としての効果」「活動性の向上、身体運動の惹起のおける効果」「情動の安定における効果」「対人関係・社会性の向上における効果」がある可能性が示唆された。(P66~P73)(査読有り)
痴呆症状を呈する高齢者における痴呆用愛媛式音楽療法評価表の有用性 共著 2000年 7月 老年精神医学雑誌 第11巻 第7号 音楽療法の効果を考察する一手段となる痴呆用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Dementia=D-EMS)を作成した。D-EMSは9つの下位項目からなる五段階の行動観察評価である。さらに、その信頼性・妥当性を検討するため、アルツハイマー病および脳血管性痴呆患者111名を対象として、基準関連妥当性・因子分析・信頼性分析・評価者間の一致率を検討した。その結果、D-EMSは信頼性・妥当性がおおむね認められる事がわかった。さらに、項目ごとの信頼性・妥当性も認められたことから他の集団活動にも応用でき、評価者間の一致率から音楽療法専門家以外のコメディカルスタッフにも使用できることがわかった。(P805~P814)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、酉川志保、西川洋他 総著者数8名(査読有り)
痴呆患者における音楽療法の効果について 共著 2001年 6月 精神医学 第43巻 第6号 医学書院 痴呆症状を呈する初老期から老年期の患者120名(アルツハイマー病:61名、脳血管性痴呆:59名)について、音楽療法と作業療法を同日に行い、活動中の状態を痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて検討した。D-EMSの項目の内、「認知」「発言」「表情」「社会性」では音楽療法中の方が有意に評価が高かった。しかし、「集中力」「参加意欲」については差異が認められなかった。よって、音楽療法中は作業療法中に比べ、活動性が向上し、情動が安定し、他の参加者とのコミュニケーションが促進されていることが明らかになった。さらに、「認知」の項目の差は音楽療法の技法により指示の理解が改善したことによると考えられたが、実際の認知機能そのものとの直接的な因果関係の有無については今後の検討が必要であると思われた。(P661~P665)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、酉川志保、西川洋他 総著者数9名(査読有り)
音楽療法の心理的作用に関する一考察 共著 2002年 1月 臨床精神医学 第31巻 第1号 アークメディア 本研究の目的は音楽療法の心理的効果の一つとして、精神疾患における心理的ストレス反応改善の効果に着目し、検証することである。精神科デイケア2施設に通所する107名を対象に、新名らが開発した心理的ストレス反応尺度を実施し、音楽療法施行前後のストレス反応軽減の有無を検討した。その結果、心理的ストレス反応が音楽療法により一時的に改善されることがわかった。さらに、対象者107名を心理的ストレス反応軽減が認められたストレス反応低下群(72名)とストレス反応不変群(35名)の二群に群分けし、論者らが作成した音楽療法の内容Positive尺度を用いて、ストレス反応軽減の有無と関係する音楽療法内容を検討した。その結果、本研究において実施した音楽療法の内容のなかで、知識欲・発声・心理的内面表現に関する要素が、心理的ストレス反応軽減に関与していることが明らかとなった。さらに、前述のストレス反応低下群と不変群について、快感情尺度を用いて、ストレス反応軽減の有無と自己認識する快感情との関係を検討したが、心理的ストレス反応軽減の有無と快感情との関係は明示できなかった。(P79~P86)渡辺恭子、金子一史 総著者数5名(査読有り)
音楽療法における関係発達に関する一考察 共著 2002年 2月 日本芸術療法学会誌 第32巻 第1号 日本芸術療法学会誌 本研究では、ある精神分裂病患者の症例検討を通して、集団音楽療法における対象者とセラピストの関係発達について、発達心理学的観点から考察を加えた。その結果、症例における音楽療法では、関係が「第一期:基本的な信頼確立期」「第二期:攻撃期」「第三期:葛藤期および関係模索期」「第四期:安定期」と発達していると考察された。これらより、集団音楽療法では、歌唱という低次の自己表現による「自他への気づき」、音楽活動を媒介とした情動共有による「対象者とセラピストの基本的な信頼関係の樹立」、「二者関係の強化」という過程を経た上で、「他者への志向」、高次の「心理的内面表現」が展開されていくと考察された。さらに、集団音楽療法では、自己実現・心理的内面表現を行いながら、基本的な信頼関係を構築したセラピストの行動を「観察学習」する事を通して、社会性の獲得や対人関係の改善がなされていくものと思われた。(P5~P11)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、本城秀次 総著者数2名(査読有り)
音楽療法が痴呆症状を呈する老年期の患者の認知機能に及ぼす効果に関する考察 単著 2002年10月 日本音楽療法学会誌 第2巻 第2号 日本音楽療法学会 本研究では音楽療法が認知機能に及ぼす効果を検証するため、痴呆症状を呈する老年期の患者125名を対象に、二週間連続して毎日音楽療法を実施し、その前後で標準化された認知機能検査であるMini-mental State Examination(MMSE)を用いて、認知機能の変化を捉えるよう努めた。その結果、「見当識1(時間見当)」「見当識2(場所見当)」「記銘」「Serial-7」「復唱」「三段階命令」「読字」「想起」「命名」の各項目と「合計点」において、有意に音楽療法後の方が得点が高かった。一方、音楽療法を実施しなかった統制群126名においては、「想起」以外の項目での有意差は認められなかった。これらより、「活動性の向上」「情動の安定」「社会性の改善」といった音楽療法の効果が、認知機能測定時の身体的・心理的・社会的マイナス因子に有効に働き、二次的に認知機能にも影響し、認知機能の改善の一助となっているのではないかと考察された。(p181〜187)(査読有り)
痴呆症に対する音楽療法の効果についての検討 共著 2003年 1月 精神医学 第45巻 第1号 医学書院 長期的に継続した音楽療法実施による音楽療法中の状態変化を検討するため、アルツハイマー病患者と脳血管性痴呆患者50名を対象として、音楽療法を週一回、二ヶ月間実施し、痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて評価した。その結果、本研究で行った音楽療法活動の中では、歌唱活動が最も導入が容易で一定水準まで向上するが、楽器を用いた活動には定着までに若干の期間を要するのではないかと考えられた。さらに、ある程度身体運動を惹起することは可能であるが定着には至らないと考察された。また、音楽療法のアプローチ方法の工夫により、一定水準までの指示理解の改善は期待できると考えられた。加えて、なじみの関係や音楽療法活動の定着により、発言数の増加や社会性の向上といった変化が認められ、その向上は実施期間とある程度比例するのではないかと推察された。一方、他の活動と比べて情動の安定という効果は期待できるが、活動を継続してもほとんど向上しないと思われた。さらに、集中力の改善や参加意欲の向上は難しいと考えられるので、集中や参加を促すスタッフの援助などの工夫が必要であると考えられた。(P49~P54)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、酉川志保、繁信和恵他 総著者数6名
自己愛発達の観点から見た音楽療法 単著 2005年 7月 日本芸術療法学会誌 第34巻 第2号 本研究では、音楽療法に参加した統合失調症患者Aの症例検討を通して、音楽療法における自己愛の発達について考察した。その結果、自己愛の発達における音楽療法の効果として、以下の四点が考えられた。第一に、音楽療法では、自己愛を音楽として表現することにより、クライアントの全能感を満たすことが容易になると思われた。第二に、音楽の特性によって、クライアントは対人関係の軋轢から音楽活動へ一時的に避難することが出来、理想自己を音楽活動中は満足させることが出来ると思われた。また、音楽活動上ではある意味安全な形で現実否認を守り、全能感の錯覚を保障する事が出来ると考察された。第三に、理想化されたセラピストと音楽上で一体化する体験が適度に与えられ、セラピストの共感不全という適度な欲求不満を伴いながら、音楽療法が進行することによって、セラピストの自己対象としての機能が内在化されると推察された。第四に、我々の行ったSuppositionという方法を用いることによって、「いま・ここ」で表現されたSuppositionの内容が「理想自己」であったり過去の関係性の反復である場合、それが音楽療法というグループ(集団)の中で問題化され、クライアントに生の体験としてフィードバックされ、現実自己への自覚を促すと思われた。(P56〜P62)(査読有り)
慢性統合失調症患者における音楽療法評価表の有用性について 共著 2006年12月 臨床精神医学 第35巻 第12号 アークメディア 本研究は、多数例を対象とした音楽療法の効果に関する検討の第一歩として、音楽療法中の慢性期統合失調症患者の状態を観察法により客観的に評価できる評価表の作成を目的として行われた。我々は10項目からなる精神科用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music Therapy Scale for Psychosis ; P-EMS)を作成し、内容的妥当性と、SANSとPANSSを外在基準とする構成概念妥当性を検討した。対象は慢性期統合失調患者132名である。その結果、P-EMSはSANSやPANSSとの相関が高く、慢性期統合失調症を対象とした音楽療法時の評価尺度として妥当性が高いと考えられた。また、再検査による信頼性の検討の結果、安定した結果が得られ、その信頼性が示された。さらに、因子分析の結果、P-EMSは指示因子と反応因子と音楽活動因子に分かれる事がわかった。これらより、P-EMSは妥当性・信頼性がほぼ確立しており、適応範囲の広い評価表であると考えられた。(P1707〜1716)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、本城秀次 総著者数3名(査読有り)
能動的音楽療法実施による中期的効果に関する一考察~統合失調症患者を対象として~ 単著 2007年 3月 音楽心理学音楽療法研究年報 第35巻 日本音楽心理学音楽療法懇話会 本研究は、4ヶ月間という中期間にわたって実施された音楽療法の効果について、慢性期統合失調症患者52名を対象として行われた。その結果、音楽療法中は指示に対する反応が改善され、コミュニケーションが促されているのではないかと考察された。また、音楽療法中は活動性や意欲の向上が認められた。また、一時的ではあるが、音楽療法中は妄想などによる行動が減少している事がわかった。さらに、2ヶ月間の音楽療法の結果と比較すると、P-EMSの「陰性症状」や「社会性」において、期間に主効果が現れてきている事から、今後、長期的な音楽療法の継続によって、活動性の向上やコミュニケーションが促進される可能性が示唆された。(P12〜17)(査読なし)
音楽療法による変化と抗精神病薬量に関する一考察-統合失調症を対象として- 単著 2009年 3月 金城学院大学論集,人文科学編 第5巻 第2号 金城学院大学 本研究では二ヶ月間という期間における、日常生活と比較した音楽療法の変化を検討し、さらに、抗精神病薬の投与量と音楽療法の変化の関連を検討することによって、投与量から推察される重症度により音楽療法変化に違いがあるのかどうかを検討した。その結果、短期間でも音楽療法施行中は日常生活評価と比べて、働きかけや指示に対する反応が改善していた。さらに、社会性が一時的にせよ向上し、周囲への無関心が改善されていると考察された。加えて、音楽療法中は活動性や意欲が向上すると思われた。一方、表情は日常生活に比べて変わらない事が明らかになった。なお、音楽という刺激を用いる事により、観察できる陽性症状を示す行動等は減少したが、陽性症状そのものの改善を示すとは言い切れず、今後さらなる検討が必要であると推察された。また、CPZ換算量による投与量から推察される重症度により比較した結果、重症度による変化の違いは認められず、重症患者でも参加でき、一部、音楽療法変化を期待することが出来ると推察された。(P.151-159)(査読なし)
伴奏楽器がストレス緩和に及ぼす影響について 共著 2010年 4月 日本音楽療法学会東海支部紀要第二巻 ホスピスにおける臨床経験から、患者の抱えているストレスを軽減することが音楽療法の一つの役割であるとの考えから、伴奏楽器の違いによってストレス緩和の効果にどのような違いがあるのかを検討した。具体的には、日本語版POMS短縮版を用いて音楽聴取によってどのような変化があるのかを検討した。調査Ⅰでは、音楽聴取後に6つの因子においてストレス度が軽減していることがわかった。調査Ⅱでは、ピアノとキーボードを用いて、伴奏楽器の違いによりストレス度の変化に違いがあるのかを検討したところ、ピアノ群の方が5つの因子において有意にストレス度が減少していた。このことから、電子音による伴奏よりも楽器音を用いた方がストレス度が有意に軽減することがわかった。(p45〜p53)(共同研究につき本人担当部分抽出不可)伊藤麻友子、渡辺恭子、柏木哲夫総著者数3名(査読有り)
伴奏楽器がストレス緩和に及ぼす影響について〜クロモグラニンA、だ液中コルチゾール、分泌型IgAを指標として 共著 2012年 3月 日本音楽療法学会東海支部研究紀要第三巻 本論文では客観的ストレスに着目し、歌唱提供時の伴奏楽器の違いが客観的ストレス緩和に及ぼす影響について唾液ストレスマーカーを用いて生理学的に検証することを目的とした。調査に使用する唾液ストレスマーカーはコルチゾールとクロモグラニンAに加え、近年注目されてきている分泌型免疫グロブリンAの3種を用いた。大学生27名(年齢20±1、F/M=13/14)を、キーボード群13名(男性7名、女性6名)とオートハープ群14名(男性7名、女性7名)の2つの群に分けて音楽聴取前後に調査を実施した。その結果、オートハープ群の方がキーボード群よりもCORT値が有意に減少していることがわかった。(P24~P35)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)伊藤麻友子、渡辺恭子(査読有り)
統合失調症患者に対する12ヶ月間継続した音楽療法の効果 単著 2012年 6月 日本音楽療法学会誌第12巻 本研究は、統合失調症を対象とした、12ヶ月間という長期にわたる音楽療法がどのような効果をもたらすのかを検討することを目的として行われた。対象は統合失調症患者32名で、1週間に一度45分程度の音楽療法を施行し、妥当性・信頼性がほぼ確立されている精神科用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Psychosis ;P-EMS)を用いて行動観察評価を行った。評価は、日常生活評価と音楽療法中の評価を行い、導入時・6ヶ月後・12ヶ月後の評価数値を用いて、2要因3水準の分散分析を行った。その結果、「認知」「「参加意欲」「社会性」「陰性症状」「陽性症状」の項目において、活動状況と時間に主効果が認められた。この事から、音楽療法中は、認知機能の改善が促されている事が明らかとなった。また、活動への参加が促されており、社会性の改善や陰性症状の改善が認められ、これらの変化は音楽療法を長期間継続することによって認められると思われた。陽性症状の音楽療法中は一時的に改善していた。(p.32〜39)(査読あり)
音楽経験とパーソナリティーに関する一考察 単著 2014年 3月 金城学院大学紀要人文科学編第10巻第2号 本研究は音楽経験とパーソナリティー傾向との間にどのような因果関係があるのかについて検討することを目的として行われた。具体的には, 自己成長エゴグラムを用いてパーソナリティー傾向を調査し, 音楽経験の期間や頻度, 音楽経験の活動形態などとの因果関係を考察した。方法は, 音楽経験・経験した音楽活動の種類(楽器等)・音楽活動時期・集団音楽活動か個人音楽活動かなどを独立変数とし, 自己成長エゴグラムの各因子の得点を従属変数としてパス解析を実施した。その結果, 主に, 音楽経験や頻度・活動時期の大学とエゴグラムのFCに因果関係が認められた。さらに, 音楽経験の頻度・活動時期の高校と大学・声楽とエゴグラムのNPに因果関係が認められた。この事から, 音楽経験は創造性や積極性に影響を与える可能性があると推察された。さらに, 音楽活動を頻回に行うことによって共感能力に影響を与えることが出来るのではないかとの考察が得られた。(p.103-113)(査読なし)
エゴグラムによる母親のパーソナリティーと育児ストレスの関連 共著 2015年 1月 小児保健研究第74巻第1号 本研究は母親のパーソナリティーが母性意識を介して, 育児ストレスにどのように関連するかについて検討したものである。具体的には, 育児中の母親143名を対象にエゴグラムを実施し母性意識と育児ストレスとの因果関係をパス解析によって検討した。パス解析の結果, FCではMPへ, ACではMNへの有意なパスが認められた。さらに, MNではストレッサー尺度のそれぞれに有意なパスが認められ, また, ACでは「育児知識と技術不足」への有意なパスが認められた。P144-P148(担当部分)共同研究につき本人担当部分抽出不可能。(共著者)島澤ゆい, 渡辺恭子, 川瀬正裕 総著者数3名(査読有り)
VOCALOID音楽聴取による印象とストレス度の変化に関する一考察 共著 2015年 3月 金城学院大学論集人文科学編第12巻第1号 本研究では, 人が実際に歌った楽曲の聴取とVOCALOIDを用いて作成した楽曲の聴取において, 印象評定・ストレス度の変化にどのような違いがあるのかについて検討する事を目的とした。さらに, 印象評定によってストレス度の変化が影響されるのではないかという仮説をたて検証した。また, その印象評定は音楽経験の有無によって影響を受けるのではないかという仮説をたてこれも検証する事とした。103名を対象と対象とした調査の結果, , 人の声では全体として印象が強い傾向があり, 親和感が増しやすいのではないかと推察された。また, ストレス度の変化においては, 人の歌声によって攻撃性を示すストレスが改善されるのではないかと考察された。VOCALOIDでは内向性を示すストレスが改善されており, VOCALOID音楽を嗜好するパーソナリティー傾向との関連があるのではないかと思われた。さらに, 印象評定とストレス度の変化との因果関係において, その音楽に親しみを感じる事が出来るかどうかがストレス度に影響していると考察された。VOCALOIDでは特徴的に, 親しみを感じた場合は内向性を示すストレス度に影響が出ると推察された。(P97〜P103)(筆頭論者。共同研究につき本人担当部分抽出不可能)、渡辺恭子, 斎田彩奈, 総著者数2名(査読なし)
音楽聴取による育児中の母親の気分改善について 共著 2016年 7月 日本音楽療法学会東海支部紀要第5卷 本研究では, 心理学的指標を用いて気分の変化を検証することで, ストレス緩和に有用であるとされる音楽聴取が, 育児ストレスを問題とする母親に有効であるか検証した。さらに, 育児中の母親のパーソナリティに焦点を当て, その特徴における音楽聴取による気分変化について, 事例として取り上げた。その結果, 音楽聴取により気分尺度であるPOMS得点の減少が認められ, 育児中の母親を対象とした音楽聴取によるリラックス効果の可能性が示唆された。しかし, ACが高すぎる母親に対しては, その効果が得られにくいことが推察された。このことから, FCを高める, あるいはACを低下させる音楽活動の取り組みが必要であると考えられた。(P47〜P56)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)島澤ゆい、渡辺恭子、総著者数2名(査読あり)
The Eating Attitudes, Body Image, And Depression of Japanese Female University Students 共著 2017年 Social Behavior and Personality,45(8) We examined the interrelationship of eating attitudes, body checking behavior cognition, and depression among Japanese female university students. The1 97 students were divided, according to their Eating Attitudes Test (EAT-26) scores, into three groups : high (EAT-H), medium(EAT-M), and low (EAT-L). Body-checking behavior and depression scores were compared among the 3 groups, using a 1-way analysis of variance. Results showed that the EAT-L group had the lowest scores for objective verification, body control, and depression. Further, the obsessive thoughts body image score increased as scores on the EAT-26 did, indicating that inappropriate eating attitudes have a strong impartial on obsessive thoughts. In addition, the EAT-M group had a higher reassurance-confidence score than that of the EAT-L group, and the EAT-H group had the highest scores foe objective verification, obsessive thoughts, body control, and depression.(p.943〜950) Yoshie, M., Kato, D., Sadamatsu, M., Watanabe, K.
家族の視点による音楽療法の効用に関する質的研究〜認知症クライアントの家族との半構造化面接を通して〜 共著 2017年 6月 日本芸術療法学会誌第48巻第一号 本研究は、認知症のクライアントの家族という視点から音楽療法にどのような効果を感じているのかを検討することを目的とした。具体的には、音楽療法に参加する8名の認知症Clの家族に半構造化面接を行い、その内容を木下による修正版グラウンデッドセオリーアプローチ法(Modified Grounded Theory Approach;M-GTA)によって分析した。その結果、音楽療法参加への動機としてもともと【音楽が好き】である事が影響している事が明らかになった。そこに音楽による【気分改善への期待】や【認知症への効果】への期待から、参加を検討すると判断された。参加後は、家族が『Clの変化』を音楽活動の中で見いだしている事が明らかになった。その変化は、【情動の安定】【意欲】【活動性の向上】であると考察された。家族はこれらの変化への気づきから音楽療法への参加継続を決めていると推察された。(p70〜79)(共同研究につき本人担当分抽出不可能)渡辺恭子、三浦久幸、総著者数2名(査読あり)
高齢者を対象とした心理学的検査のシステマティクレビュー, 認知症スクリーニング検査を中心に 単著 2017年 9月 金城学院大学論集人文科学編第14巻第1号 本論文ではシステマティクレビューの方法により、認知症スクリーニング検査のMinimental State Examination(MMSE) について検討を行った。MMSEに関わる先行研究325本のうち、タイトルの検討・抄録の検討・採択基準による検討の結果、19本の学術論文を研究対象とすることとした。検討の結果、MMSEの下位項目である「見当識」「想起(遅延再生)」がアルツハイマー病の鑑別に有用であること、「構成」がレビー小体型認知症の鑑別に有用であることが明らかになった。(p.85-94)(査読なし)
高齢者を対象とした心理学的検査のシステマティックレビューその(2) 単著 2019年 3月 金城学院大学論集人文科学編第15巻第2号 ウェクスラー法のWAIS に関係する277本の学術論文の中から、19本の論文を選定した。さらに、WMS に関する105本の学術論から5本の論文を選定し、検討した。WAISの下位検査ごとにみると、アルツハイマー病患者の「符号」「類似」「理解」の得点低下については複数の先行研究で見解が一致している。「算数」「知識」「絵画完成」「語音整列」は低下の可能性があるが先行研究の数は少なかった。一方で、アルツハイマー病の影響を受けにくい下位検査として「単語」「行列推理」「数唱(順唱)」「記号探し」があると考えられる。なお、「積木模様」「絵画配列」については、アルツハイマー病に関する研究結果は一致していなかった。一方、レビー小体型認知症では、「絵画配列」の得点が低下し、鑑別の一助となると考えられる。また、「積木模様」も低下の可能性がある。(p.167-178)
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
分裂病者の音楽能力 1995年10月 第27回日本芸術療法学会(東京女子医科大学) 愛媛大学医学部付属病院精神科デイケアに通所する若年層の精神分裂病患者に音楽療法を実践すると共に、精神分裂病患者の音楽能力の特性や傾向を検討するため、分裂病患者群10名と統制群10名に対し、Seashore音楽能力テストを実施した。その結果、分裂病患者群は健常者群に比べて低い値を示すことが明らかになった。この特徴は音楽経験を有する群で特に顕著であった。よって、分裂病患者が経験によって獲得した音楽能力は低下しているのではないかと推察された。また、患者群の2名について音楽療法中の状態を報告した。渡辺恭子、馬場俊一、南谷茂
愛媛大学精神科デイケアにおける音楽療法の実践について 1996年 6月 第13回愛媛県精神神経学会(愛媛医師会館) 愛媛大学精神科では週一回のデイケアにおいて1993年以降、流行歌を用いた音楽療法を実践してきた。当デイケアにおける音楽療法の特徴・意義としては「容易に取り組める演奏が長期間楽しみなメニューとして定着した」「流行歌の使用が"今、ここで=Here & Now"を共有する体験となり得た」「音楽療法士を含む複数のスタッフが関与し、検討を繰り返すことによってより必要性のある音楽療法が展開できた」という3点が挙げられた。 熊本庄二郎、細江浩文、渡辺恭子他 総発表者数12名
音楽療法における楽曲が提示する同時代性について 1996年11月 第28回日本芸術療法学会(中京大学) 我々は、愛媛大学医学部付属病院精神科デイケアにおいて、20歳代の比較的若年の精神分裂病患者に対し、ポップス音楽を用いてギターやピアノ・ドラムを使った音楽療法を実践した。その中で、ポップスに含まれる様々な現在の価値観を治療者と患者が共有することが、社会適応へむけての重要なステップになり得たという結論を得た。また、音楽療法の効果には短期的要素と長期的要素があり、短期的要素としては受容空間の拡大や自己評価の快復、長期的要素としては個々への心理的内面へのアプローチがはかれるのではないかと考察された。 熊本庄二郎、馬場俊一、渡辺恭子他 総発表者数4名
老人を対象とした音楽療法の一試論 1997年 4月 愛媛音楽療法研究会第3回定期研究会(愛媛県総合社会福祉会館) 老人を対象とした音楽療法の試みとして、症例検討を通じてその方法論の検討を行った。その結果、老人領域における音楽療法では、唱歌・童謡といった媒介を用いたり、身体運動を惹起するプログラムが有用なのではないかという考察を得た。
痴呆症状を呈する老年期の患者を対象とした音楽療法 1998年10月 第30回日本芸術療法学会(栃木県総合文化センター) 本発表では、痴呆症状を呈する老年期の患者に対する音楽療法について音楽療法評価表を作成し、症例を交えて報告した。その結果、音楽療法に関して「痴呆患者に有効な媒介としての効果」「活動性の向上、身体運動の惹起のおける効果」「情動の安定における効果」「対人関係・社会性の向上における効果」がある可能性が示唆された。
痴呆患者を対象とした音楽療法評価表の作成 1999年10月 第9回認知リハビリテーション研究会(慶応義塾大学病院) 痴呆症状を呈する老年期の患者を対象とした音楽療法の実践過程で、重度の痴呆症状を呈する患者も比較的容易に参加できることから、音楽の特性を利用しすることによって、活動性の向上・社会性の向上・情動の安定といった様々な効果を得ることが出来るのではないかと考えられた。そこで、痴呆用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Dementia=D-EMS)を用いて、あるアルツハイマー病の音楽療法療法中の状態を評価し、その変化を捉えることによって、音楽療法の効果について考察した。 渡辺恭子、酉川志保、繁信和恵他 総発表者6名
音楽療法評価表の基準関連妥当性に関する考察 1999年10月 臨床音楽療法協会 第六回全国大会(東海大学) 渡辺作成の音楽療法評価表について、標準化された認知機能検査であるMini Mental State Examination(MMSE)を外在基準として、その相関を検討した。その結果、全ての項目について強い相関が認められ、渡辺作成の音楽療法評価表は基準関連妥当性がおおむね認められることが示唆された。
痴呆症状を呈する老年期の患者を対象とした音楽療法の評価測定に関する一考察 2000年 6月 第21回日本バイオミュージック学会学術大会(東京大学) 痴呆症状を呈する初老期から老年期の患者111名(アルツハイマー病:56名、脳血管性痴呆:55名)について、音楽療法と作業療法を同日に行い、活動中の状態を痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて検討した。D-EMSの項目の内、「認知」「発言」「表情」「社会性」では音楽療法中の方が有意に評価が高かった。しかし、「集中力」「参加意欲」については差異が認められなかった。よって、音楽療法中は作業療法中に比べ、活動性が向上し、情動が安定し、他の参加者とのコミュニケーションが促進されていることが明らかになった。 渡辺恭子、川東伸江、一色康子
前頭側頭葉変性症患者に対する音楽療法の試み 2000年 7月 第15回日本老年精神医学会(神奈川県立県民ホール) 痴呆疾患の中でも、その人格変容と問題行動から最も集団活動になじみにくいとされる前頭側頭葉変性症(FTLD)患者11名を中心とするグループに音楽療法を実施し、その状態を「FTLD患者のための痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS for FTLD)」で評価した。その結果、「認知」「発言」「集中力」「表情」の項目で有意差が認められた。よって、音楽療法はFTLD患者にも参加できる有用なプログラムではないかと推察された。 渡辺恭子、酉川志保、塩田一雄他 総発表者数8名
伴奏楽器の違いがストレス緩和に及ぼす影響について 2008年 4月 第7回日本音楽療法学会東海支部大会(金城学院大学) 音楽療法の現場で用いられる伴奏楽器の違いによってストレス緩和への効果に違いが出るのではないかという仮説のもとに、ピアノ群23名、キーボード群18名を対象に、音楽聴取前後に日本語版POMSを実施した。その結果、POMSの「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「疲労」「混乱」の4因子においてピアノ群の方がストレスが有意に緩和していることが明らかとなった。よって、電子音であるキーボードより生演奏音であるピアノの方がストレス緩和に有効であると考えられた。 伊藤麻友子、渡辺恭子
在学中のカリキュラム内における臨床実習の指導のあり方 2010年 9月 第10回日本音楽療法学会学術大会(神戸国際会議場) 音楽療法コースカリキュラムに関するガイドライン01で定められている実習6単位について、金城学院大学の施設実習(1)(2)における工夫と課題について発表した。
ホスピス・緩和ケア領域での音楽療法の変遷, 我が国と諸外国の比較から 2011年 1月 第10回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋芸術大学) 音楽療法の諸領域の中でホスピス・緩和ケアでの音楽療法は最も新しい領域で、その効果も注目されている。しかし、我が国のホスピス・緩和ケア病棟承認施設である120施設のうち、音楽療法を取り入れている施設は全体の約20%と少ない。そこで、音楽療法の先進国とも言える欧米諸国におけるホスピス・緩和ケア領域の音楽療法の歴史を追い、我が国の歴史と比較することによって、我が国の音楽療法の課題を明確にすることを目的として、文献の検討を行った。その結果、諸外国では音楽療法研究において量的研究が多いのに対して、我が国では質的研究が多いことが明らかとなった。従って、今後、客観的な指標に基づく評価について検討する必要性があると考察された。伊藤麻友子、渡辺恭子、総発表者数2名
統合失調症に対する12ヶ月間継続した音楽療法による変化に関する一考察 2011年 1月 第10回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋芸術大学) 本研究は、統合失調症を対象とした、12ヶ月間という長期にわたる音楽療法がどのような効果をもたらすのかを検討することを目的として行われた。対象は統合失調症患者32名で、1週間に一度45分程度の音楽療法を施行し、妥当性・信頼性がほぼ確立されている精神科用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Psychosis ;P-EMS)を用いて行動観察評価を行った。評価は、日常生活評価と音楽療法中の評価を行い、導入時・12ヶ月後の評価数値を用いて、2要因2水準の分散分析を行った。その結果、音楽療法中は、意欲が向上し、対人関係が促されていると考えられた。また陰性症状も改善していた。
音楽経験とエゴグラムによる自我状態の関連性に関する一考察 2011年 1月 第10回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋芸術大学) 本研究は音楽経験の期間、頻度がパーソナリティー傾向にどのような影響を及ぼすのかを検討することを目的として行った。具体的には音楽経験者群について、自己成長エゴグラムを用いて調査し、音楽経験と自我状態の関連を考察した。対象は148名で、質問紙調査を行った。質問紙は二部に分かれており、一部は音楽経験を問う内容、二部は自己成長エゴグラム1991年改訂版となっている。相関分析の結果、音楽経験の期間とCP(批判的な親)の点数に相関、期間とNP(養護的な親)の点数に相関、頻度とNPに相関が認められた。笠松千祐、渡辺恭子、総発表者数2名
音楽聴取による漫画風コマを用いた心的内面表現に関する一考察 2011年 1月 第10回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋芸術大学) 本研究は音楽聴取による感情の変化を捉える方法として漫画風コマを用い、自由記述による表現を行うことによって、聴取音楽の違いによって、場面設定や会話内容が左右されるのか否かを検討する目的で行った。調査の対象は26名で、Tchaikovskyの組曲《くるみわり人形》と《花のワルツ》を聴取してもらい、それぞれの楽曲聴取後に表情が描かれていない会話場面の漫画風イラストに、台詞を入れてもらった。その台詞の内容をKJ法を用いて分析した結果、曲調によって、場面設定や会話の内容に違いがあることがわかった。石川瑞紀、大塚桂子、渡辺恭子他、総発表者数4名
被在宅介護者を対象とした音楽的介入による気分変化に関する一考察 2012年 4月 第11回日本音楽療法学会東海支部大会(鈴鹿国際大学) 本研究では在宅介護サービスを受ける被験者を対象として、楽器を必要とせず、対象者とセラピスト1対1で行える歌唱という在宅介護の現場でも導入が容易な形態を用いて、音楽的介入を行った。そして、Profile of Mood States(;POMS)を用いて音楽介入の前後における気分の変化を検討した。結果により、歌唱という音楽的介入によって、「活気」の気分はほぼ持続または増加の状態で、「緊張-不安」、「抑うつ」、「怒り-敵意」、「疲労」、「混乱」といったネガティブな気分に関しては気分を改善することができると推察された。被在宅介護者らは、自分の心身の状況に対しての不安などのネガティブな気分が強いと推察される。そのような状態の被在宅介護者に対して音楽的介入を行うことで一時的にせよネガティブな気分が改善していることは一考に値する。また、今回の対象者は外出さえできない状態の者が多く、何かの活動に参加することが難しい。そのような対象者でも、本研究のような音楽的介入は、導入が容易で、ある一定の効果を期待出来ると考察された。山村美樹、大塚桂子、渡辺恭子他、総発表者5名
音楽聴取による表情選択と自由連想に関する一考察 2012年 4月 第11回日本音楽療法学会東海支部大会(鈴鹿国際大学) 本研究では、楽曲の違いによって、漫画風コマの中の表情選択や自由連想といった表現内容にどのような影響を及ぼすのかについて検討することを目的とした。≪花のワルツ≫と≪アラビアの踊り≫をもちいた検討の結果、音楽は気分や感情を引き出しやすくする性質があるのではないかと推察された。また、音楽により引き出される連想内容には無意識に欲求や困惑といった内容が反映される可能性が考えられた。石川瑞紀、渡辺恵理香、渡辺恭子他、総発表者数5名
母親のパーソナリティーと育児ストレスの関連 2012年 9月 第31回日本心理臨床学会(愛知学院大学) 本研究では、母性意識やパーソナリティの、育児ストレス軽減・加重への関連性を検討することで、育児ストレスを問題とする母親への支援において、有効的な方法を模索することを目的とした。A市保健センターで実施された、1歳6ヶ月児健診、2歳児歯科健診、離乳食教室の、健診及び育児教室、子育て支援施設へ参加した母親116名を対象とし、TEGⅡ、母性意識尺度、育児ストレッサー尺度についてパス解析によって分析した。その結果、自由な子どものパーソナリティー傾向を示すFCは積極的・肯定的な母性意識に影響を与え、親としての効力感低下によるストレスの軽減に影響することが示された。さらに、順応した子どもを示すACは否定的な母性意識に影響を与えており、様々なストレスの加重に関連していることが示唆された。島澤ゆい、渡辺恭子、総発表者2名
音楽経験とパーソナリティーの関連についての一考察 2013年 3月 平成24年度日本音楽教育学会東海地区例会(静岡市産学交流センター) 本研究は音楽経験とパーソナリティー傾向との間にどのような因果関係があるのかについては検討しすることを目的として行われた。具体的には、自己成長エゴグラムを用いてパーソナリティー傾向を調査し、音楽経験の期間や頻度、音楽経験の活動形態などとの因果関係を考察した。対象は144名、性別は全員女性であった。方法は、音楽経験・経験した楽器・音楽活動時期・集団音楽活動か個人音楽活動かなどを独立変数とし、自己成長エゴグラムの各因子の得点を従属変数としてパス解析を実施した。その結果、音楽経験・活動時期の大学生とエゴグラムのFC、音楽経験の頻度・活動時期の高校生と大学生とエゴグラムのNPに強い有意なパスが認められた。この事から、音楽経験が創造性の向上や情操面で影響を与えることの傍証となりうると推察された。さらに、音楽活動を頻回に行うことによって共感力を向上させることが出来るのではないかとの考察が得られた。
Vocaloido音楽聴取による印象とストレス度の変化に関する一考察 2013年 4月 第12回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋音楽大学) 昨今、音声合成エンジンVOCALOIDを採用した様々な音楽合成ソフト(以下VOCALOIDと称す)が若年層に大きな拡がりを見せている。VOCALOIDは人の歌声の録音から取り出した素片を用いて楽曲を作成する。しかし、人の歌唱による楽曲とVOCALOIDによる楽曲の違いに関する基礎的研究は見受けられない。そこで、本研究では、人が実際に歌った楽曲の聴取とVOCALOIDを用いて作成した楽曲の聴取において、103名を対象に印象評定・ストレス度の変化にどのような違いがあるのかについて検討した。その結果、 本研究の結果、人の声とVOCALOIDを用いた楽曲の聴取では印象やストレス緩和においても有意な違いがあることが明らかとなった。渡辺恭子、斎田彩奈、総発表者2名
音楽経験および楽曲の感情価とリラクゼーション効果 2013年11月 第45回日本芸術療法学会(金沢医科大学) 本研究ではどのような音楽が最もリラクゼーション効果が期待されるのかについて検討した。谷口のAVSMを使用した印象評定によって楽曲を選定後, 54名を対象に多面的感情尺度を音楽聴取前後に調査した。その結果, 音楽によるリラクゼーション効果は楽曲の持つ感情価や聴取する人の個人的要因の影響を受けることが示唆された。湯本敦子, 渡辺恭子, 他, 総発表者数4名
音楽聴取による育児ストレスの変化に関する一考察 2014年 9月 第14回日本音楽療法学会学術大会(名古屋国際会議場) 本研究では育児中に母親に限定してストレス緩和に有用であるとされる音楽聴取が、育児ストレスを問題とする母親に有効であるかどうかをPOMSを用いて検証した。また、エゴグラムの型別にしけれ意見等を行い、どのようなパーソナリティー傾向にある母親が音楽聴取によってリラックスしやすいのかを検討した。その結果、育児中の母親を対象としても、音楽聴取がリラックスを促し、ストレス軽減に効果的である事が示された。また、エゴグラムの「FC」という創造的な部分を示すパーソナリティーが高い程、音楽聴取によるリラックス効果が高いと推察された。反対に「AC」が高すぎる場合は「FC」そのものを高める音楽的介入が必要であると考えられた。島澤ゆい、渡辺恭子、総発表者2名
高齢者に対する音楽療法の効果に関する一考察 2014年 9月 第14回日本音楽療法学会学術大会(名古屋国際会議場) 本研究は認知症を主症状とする25名の患者を対象に、15回という短期的な音楽療法の効果について経時的な視点を加えて検討する事を目的とした。具体的には、認知症用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて行動観察を行い、その後、D-EMSの下位項目ごとに、1-5回を前期・6-10回を中期・11-15回を後期として平均値をそれぞれ算出し、対応ありの1要因分散分析によって分析した。その結果、認知症患者に対する音楽療法により身体運動が上昇傾向にあり、活動性の向上に音楽療法が寄与していると推察された。さらに、多重比較の結果から、活動性の向上は導入後比較的早い段階でもたらされるのではないかと思われた。これは音楽の身体運動を惹起するという特性が有効に働いたためではないかと考察される。また、ストレス改善効果などが示す音楽の心理的効果が作用して、表情が次第に良くなってきており、情動が安定していると考えられた。さらに、社会性も上昇傾向にあり、非言語的コミュニケーションである音楽を用いる事によって、導入直後からコミュニケーションが促進され対人交流が活発になってきているのではないかと思われた。なお、社会性の向上という音楽療法の効果は持続傾向にあるとも考察された。渡辺恭子、石川喜子、林あかね、総発表者3名
認知症患者の家族から見た音楽療法の効果に関する一考察, M-GTAを用いた質的研究 2014年11月 第46回日本芸術療法学会(名古屋大学) 本研究は, 認知症のクライアントに日常接している家族という視点から音楽療法にどのような効果を感じているのかを質的に検討する目的とした。具体的には, 音楽療法に参加する8名の認知症Cl.の家族に半構造化面接を行い, その内容を木下によるグラウンデッドセオリーアプローチ法(Modified Grounded Theory Approach ;M-GTA)によって分析した。
乳児を持つ母親の被養育体験とマターナル・アタッチメントの関係 2016年 9月 第35回日本心理臨床学会(パシフィコ横浜) 本研究では乳幼児を持つ母親に焦点をあて, 自身の被養育体験がマターナル・アタッチメントや攻撃性に与える影響と育児サポートがそれらに与える影響を検討した。攻撃性については半投影法的な育児場面欲求不満刺激画を作成して調査した。117名を対象に育児サポート, 被養育体験, マターナル・アタッチメント, 刺激画を実施し, パス解析によって分析したところ, 虐待された母親は我が子にマターナル・アタッチメントを抱きにくいこと, 育児サポートを受けない傾向にあることが明らかになった。しかし, 育児サポートを多くの人から受けていると虐待的な環境で育った母親であってもマターナル・アタッチメントを抱くことができるようになっていた。また, 刺激画では, 虐待的に養育避けた母親は他責的であることが明らかになった。下牧敦子, 渡辺恭子, 総発表者2名
Effects of listening to music on physiological changes.〜Examining levels of salivary amylase, cortisol, chromogranin, and secretory immunoglobulin A〜 2017年 7月 15th WFMT World Congress of Music Therapy(Tsukuba International Congress Center) This study examines the physiological changes resulting from listening to music. In addition, we distinguished whether the physiological effects differed according to whether the participants had musical experiences apart from music education at school. We found that physiological changes did result from listening to music, but these changes did not depend on musical experiences.(Kyoko Watanabe, Mayuko Ito)
音楽聴取が感情体験に与える影響〜楽曲に対する認知度と歌詞の役割に着目して〜 2017年10月 第49回日本芸術療法学会学術大会(島根県民会館) 先行研究の検討から,曲の特徴,つまり歌詞の有無と,聴取者の特徴,つまり曲の認知度の関係性を検討することが必要ではないかと考えた。そこで、本研究では,歌詞と曲の認知度に着目し音楽の感情価と聴取者の感情変化へ与える影響を検討することを目的とした。さらに、感情変化に加えて,音楽を聴取することによって生じる体験過程についても検討した。女子大学生121名を対象に、谷口のAVSM,徳田の一時的気分尺度(TMS),加藤らの芸術療法体験尺度(SEAT-R)より「自己理解」と「子ども時代への回帰」の2因子を用い、音楽聴取と質問紙調査を行った。その結果、認知度が高く,歌詞なしの曲では,自分を再確認することが影響し,リラックス効果や気分の安定を促すと考えられた。また,童心に返り,自らを振り返ることで自分に対する気づきが深まると推察された。本研究より,懐かしさとリラックス感の間に自己理解の過程があることが示唆された。宇佐美桃子、渡辺恭子、加藤大樹(総発表者数3名)、査読有
あがり場面における自己効力感の役割 2018年 9月 日本心理学会第82回学術大会(仙台国際センター) あがり場面における自己効力感・公的自意識・楽観性の役割を検討するため、あがりの場面を演奏をする演奏群(58名)、試験に臨むテスト群(96名)を比較した。共分散構造分析の結果、テスト群・演奏群共に、楽観性があがりを低下させる一方で、公的自意識はあがりを高めることが明らかになった。また、楽観性が自己効力感を介して試験後の誇り感情を高めることがわかった。演奏群のみに認められた結果として、音楽経験年数が自己効力感を高め、公的自意識を低めることが明らかになり、楽観性が自己効力感を高めることを介してあがりを低めていた。永井亜美、橋本翔子、渡辺恭子(総発表者数3名)(査読有)
パーソナリティーと家族関係が主観的幸福感を介して老年期における悲嘆と抑うつに及ぼす影響 2018年 9月 日本心理学会第82回学術大会(仙台国際センター) 老年期の対象者50名に対して質問し調査を行い共分散構造分析を行った結果、神経症傾向が高いほど主観的幸福感を介して抑うつの無力感が高まることが明らかになった。また、明るさや社交性が高いほど無力感が低下することがわかった。さらに、主観的幸福感が低いと悲嘆が強くなり、家族の会話を快いと感じている人ほど身近な人の死を受け入れにくいことが明らかになった。橋本翔子、永井亜美、渡辺恭子(総発表者数3名)(査読有)
青年期女子の音楽聴取における認知度と感情体験の関連 2019年 3月 第18回日本音楽療法学会東海支部大会(名古屋芸術大学) 本研究では,認知度の違う音楽を聴取した際の気分や体験の仕方差異を検討することを目的とした。NN(認知度なし)条件,NA(認知度あり)条件共に『疲労』と『抑うつ』を軽減させ,先行研究と同様にリラックス効果があることが示唆された。しかし,NA条件においてのみ『活気』が高まったことからは,認知度が高い曲は,主観的なポジティブ感情を高めると考えられる。体験過程については,認知度が高くなじみのある曲の方が,童心に返ったり自己を振り返ったりすることが明らかになった。知っている曲は聴取者の体験と結びつくことで,追体験をしたり,内省が深まったりすると考えられる。本研究より認知度の高い曲がよりポジティブ感情を高め,体験過程を促すことが示された。渡辺恭子、宇佐美桃子、鈴木翔子(総発表者3名)(査読有)
ディプロマ・ポリシー対応ルーブリックのICTによる学生自己評価の実施について 2019年 9月 2019年度私立大学情報教育協会教育イノベーション大会(アルカディア市ヶ谷:東京) 金城学院大学では、学位授与方針に基づいた学修成果を可視化し、教育課程を恒常的に改善していくためにアセスメント・ポリシーを策定し、内部質保証に取り組んでいる。内部質保証のためには、学生が卒業時に達成すべき目標であるディプロマ・ポリシーを理解し、どこまで達成できていて、どこが不足しているかを、定期的に自己評価し振り返る必要がある。そこで、全学共通の「学生自己評価DP対応ルーブリック」を作成した。そして、学生ポータルサイトK-PORTのアンケート機能を利用して、2019年度入学生から、学生自己評価を開始した。本発表ではこれらの取り組みについて報告する。学修成果の可視化に向けて、大学共通DP対応の「学生自己評価DP対応ルーブリック」を作成した。2019年度学生から、本学のポータルサイトであるK-PORTのアンケート機能を用い、自己評価の形で実施した。その結果、ICTを活用することによって高い有効回答数を得ることができた。さらに、今後のIR活動にも有効に利用できる。また、ルーブリックの妥当性について、9項目で入学直後に設定した基準1の選択率が高かったことから、一定の妥当性があると判断できた。一方で、3項目については基準1の選択率が低かったが、学修以外の影響も大きいと考えられる。渡辺恭子、岩崎公弥子、内山潤、時岡新(総発表者4名)(査読有)
受験ストレスと家族関係について 2019年 9月 日本心理学会第83回大会(立命館大学) 本研究では家族機能や自己効力感、自律支援が受験ストレスにどのような影響を与えるのか基礎的研究を行うことを目的とする。共分散構造分析の結果から、親が『統制型』の家庭であると、すべての受験ストレスが高められることが示された。次に、『家族機能』が機能すると進路に関する自己効力感の3因子が高められることが示された。さらに、進路に関する自己効力感の『決定意志』は、受験ストレスの『無気力』を低めることが示された。鈴木翔子、宇佐美桃子、渡辺恭子(総発表者数3名)(査読有)
青年期女子の音楽聴取における楽曲の感情価・認知度と感情体験の関連-懐かしさの観点からの検討- 2019年 9月 日本心理学会第83回(立命館大学) 本研究では,研究1で懐かしさに関する尺度を構成し,研究2において,懐かしさをもたらすパーソナリティについて検討すること,そして懐かしさに関する尺度を用いて実際に音楽を聴取した際の懐かしさを検討することとした。NN(認知度なし)条件では,『誠実性』が『せつなさ』を介して『子ども時代への回帰』を高めることが示された。さらに,『自己理解』は『抑うつ』を低下させ,『子ども時代への回帰』は『疲労』を低下させることが示された。認知度の低い曲では,具体的ではないイメージの中で自身の体験と結びつける可能性が推察される。NA(認知度あり)条件では,『ほろ苦さ』が『自己理解』『疲労』を高めることが示された。認知度のある曲では具体的な自伝的記憶の想起によるほろ苦い懐かしさが促されるために,エネルギーを必要とし,疲労感を感じたと考えられる。宇佐美桃子、鈴木翔子、渡辺恭子(総発表者数3名)(査読有)
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雑誌等

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「痴呆患者を対象とした音楽療法-痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて-」 共著 2000年10月 認知リハビリテーション2000 新興医学出版 痴呆症状を呈する老年期の患者を対象とした音楽療法の実践過程で、重度の痴呆症状を呈する患者も比較的容易に参加できることから、音楽の特性を利用することによって、活動性の向上・社会性の向上・情動の安定といった様々な効果について論じた。また、痴呆用愛媛式音楽療法評価表(Ehime Music therapy Scale for Dementia=D-EMS)を用いて、あるアルツハイマー病の音楽療法療法中の状態を評価し、その変化を捉えることによって、音楽療法の効果について考察した。総頁数156頁(P59~P64) 認知リハビリテーション研究会編 渡辺恭子、酉川志保、繁信和恵他 総著者数6名
「痴呆のリハビリテーション:痴呆に対する音楽療法」 共著 2002年 9月 老年精神医学雑誌 第13号 第9号 痴呆のリハビリテーションとしての音楽療法について、音楽療法の歴史的背景・音楽療法の定義と効果・痴呆に対する音楽療法の先行研究について述べた。さらに、我々が行った様々な研究について報告した。まず、第一に「痴呆用愛媛式音楽療法評価表」の作成について概略を述べた。第二に、アルツハイマー病と脳血管生痴呆を対象とした音楽療法中の状態変化について、他の活動との比較の結果を述べた。第三にアルツハイマー病と脳血管生痴呆を対象とした音楽療法による縦断的変化について概略した。第四に、前頭側頭葉変性症患者に対する音楽療法の効果について述べた。最後に、痴呆に対する音楽療法の今後の課題について述べた。(P1031~P1035)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、池田学 総著者数2名
「アルツハイマー病を対象とした音楽療法の有用性」 共著 2003年 4月 Cognition & Dementia 近年、様々な医療・福祉施設において、音楽を用いた活動が非薬物療法の一つとして頻繁に実践されている。しかし、痴呆症を対象とした音楽療法の効果に関する研究は症例報告が一般的であり、多数例を対象とした検討がほとんどなされていなかった。そこで、我々は、多数例を対象として、音楽療法の評価尺度の作成・他の集団活動との比較による音楽療法の短期的効果に関する研究・継続した音楽療法の効果に関する研究を行った。その結果、他の非薬物療法と比較して、少なくとも短期的には活動性の向上・情動の安定・社会性の向上といった側面で効果が認められると推察された。また、日常的なリハビリテーション場面においても様々な効果が期待できると思われた。これらより、音楽療法は痴呆症状を呈する老年期の患者に対する代替医療・相補医療の一つとして、ある一定の有用性があるのではないかと考えられた。(P27~P32)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能) 渡辺恭子、池田学 総著者数2名
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博士論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「老年期痴呆患者を対象とした音楽療法に関する研究」 単著 2002年 3月 名古屋大学大学院 第一章では音楽療法の歴史的背景について触れた。第二章では音楽療法の理論的背景について、音楽療法の定義、音楽療法の関連領域、音楽の治療的特性、音楽療法の対象について述べた。第三章では音楽療法をその実施形態から「受動的音楽療法」と「能動的音楽療法」に分類し、音楽療法の技法や方法について論じた。第四章では本研究の対象となる老人領域について三つの観点、つまり、老年精神医学の観点、老年心理学の観点、痴呆の臨床像の観点について論じた。第五章では音楽療法中の対象者の状態をより正確に捉えることの出来る評価表を作成した。痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)について、アルツハイマー病と脳血管性痴呆の患者111名を対象に、有用性を検討した。その結果、基準関連妥当性・内容的妥当性・信頼性分析・評価者間の一致率において、おおむね信頼性・妥当性が認められることが示された。第六章では、D-EMSを用いて、午前中に行われる他の作業療法による集団活動と、同日の午後行われる音楽療法中の状態について評価した。アルツハイマー病および脳血管性痴呆の患者120名を対象に比較したところ、音楽療法中は、集中力や参加意欲は変わらないが、活動性が向上し、情動が安定し、他の参加者とのコミュニケーションが促進されていることが明らかになった。第七章では認知機能検査のMini-Mental State Examination(MMSE)を用いて痴呆症状を示す老年期の患者125名を対象に、二週間連続で音楽療法を実施し、その前後でMMSEを測定し、音楽療法を実施しない群126名と比較した。その結果、音楽療法によって活動性の向上・情動の安定などが促進され、その結果として認知機能が二次的に向上していると思われた。第八章では音楽療法を実施したアルツハイマー病患者A氏と、脳血管性痴呆患者B氏について、音楽療法実施期間中に認められた変化を報告し、考察した。第九章では前頭側頭葉変性症(Frontotemporal Lobar Degeneration=FTLD)患者を対象とした音楽療法について報告した。
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研究会発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
思い入れのある楽曲聴取による感情変化に関する一考察 共著 2010年12月 第四回日本音楽医療研究会 本研究は音楽聴取者が思い入れを持っている楽曲を聴取してもらい、どのような感情変化が起こるのかを検討する目的で行った。対象は22名で、無音時と思い入れのある楽曲聴取後に、大出(2007)による感情評価語を用いて6件法で回答を求めた。t検定の結果、「受容」の因子で有意差が認められ、思い入れのある楽曲聴取によって、安らぎといった感情や心温まる感情、胸がいっぱいになるといった感情が呼び起こされ、聴取者が受容体験をしているのではないかと推察された。渡辺恵理香、石川瑞紀、渡辺恭子他、総発表者数4名
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