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フリガナツカモト キクオ
ローマ字TSUKAMOTO Kikuo
氏名塚本 喜久雄
学位医学博士 
所属薬学部 / 薬学科
職名教授
所属学会日本薬学会 日本生化学会 日本細菌学会 日本分子生物学会 日本脂質生化学研究会 
専門分野薬学 基礎医学 生物分子科学   
研究課題微生物病原因子の構造と機能に関する研究 GPIアンカータンパク質の生合成と機能に関する研究  

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
1978年 4月 日本生化学会会員 現在に至る
1979年 4月 日本細菌学会会員 現在に至る
1980年 4月 日本分子生物学会会員 現在に至る
1981年 4月 日本免疫学会会員 1998年12月迄
1981年 4月 日本人類遺伝学会会員 1998年12月迄
1985年 4月 日本薬学会会員 現在に至る
1996年 4月 病態とプロテアーゼ研究会会員 2004年12月迄
1997年 9月 第13回微生物シンポジウム:分子生物学とその薬学領域における応用面幹事
1998年 1月 日本食品化学会会員 現在に至る
1998年 4月 日本細菌学会中部支部評議員 2005年 3月迄
2001年 1月 日本脂質生化学研究会会員 現在に至る
2008年 1月 日本薬学会関東支部市民講座企画委員会委員 現在に至る
2009年 1月 日本薬学会関東支部市民講座企画委員会委員長 2010年 1月迄
2009年 2月 日本薬学会関東支部役員 2010年 2月迄
2012年 4月 愛知県衛生研究所運営委員 現在に至る
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受賞歴

受賞年月 受賞名
1992年10月 上原記念生命科学財団 研究奨励賞
2001年 4月 日本細菌学会 第74回日本細菌学会総会ポスター賞
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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
Molecular and functional analysis of class II molecules characteristic to HLA-Dw2 and Dw12. in “Histocompatibility Testing 1984” 共著 1985年 5月 Springer-Verlag ヒト主要組織適合抗原 HLA-Dw2 および Dw12 について、溶連菌感染に対する免疫応答性の違いを明らかにし、リンパ球混合反応におけるはたらき、2次元電気泳動による分子構造の違いを解明して、その分子基盤を明らかにした。Y. Nishimura, K. Tsukamoto, T. Sone, K. Hirayama, T. Takenouchi, K. Ogasawara, M. Kasahara, A. Wakisaka, M. Aizawa and T. Sasazuki. P504-508(総頁数761)
Molecular and functional analysis of class II molecules responsible for the primary MLR in man. in “Human T cell clones” 共著 1985年11月 The Humana Press Inc. ヒトの主要組織適合クラスⅡ抗原 HLA-D 領域の分子とその遺伝子の、リンパ球混合培養におけるはたらきとその分子多型について明らかにした。T. Sasazuki, Y. Nishimura, K. Tsukamoto, K. Hirayama and T. Sone. P91-103
「最新免疫研究法」 HLA-D領域遺伝子の解析法 共著 1988年 7月 医学書院 多型を持つ HLA-D 領域遺伝子の解析法として、血清タイピング法、リンパ球混合培養法、2次元電気泳動法、サザンブロット法を紹介し、DR, DQ, DP 遺伝子の多型とその分子基盤について解説した。笹月健彦,菊池郁夫,太田伸生,塚本喜久雄 P247-266(総頁数357)
「分子細胞生物学辞典」;セルロースシンターゼ 共著 1997年 3月 東京化学同人 セルロースシンターゼについて、遺伝子、遺伝子産物およびその機能を解説した。村松正実 編、塚本喜久雄ほか 著者多数につき省略、P460(総頁数1025)
「Cell Surface Aminopeptidases」;Molecular cloning and expression of the silkworm aminopeptidase N Isozymes as receptors for Cry toxins 共著 2001年 7月 Elsevier Science,Amsterdam,Netherlands 昆虫の中腸上皮細胞に発現しているアミノペプチダーゼの各種分子種の遺伝子構造、遺伝子クローニング、分子構造および生物農薬として使われている細菌毒素Cryの受容体としての各分子種の毒素結合特異性などの特性について解説した。S. Mizutani 編、K.Tsukamoto, G.Hua, M.J.Adang, H.Murayama, M.Tomita, M.Imagawa and H.Ikezawaほか著者多数につき省略、P351-P354(総頁数419)
「21世紀の考える薬学微生物学」第3版 共著 2011年 8月 廣川書店 細菌、真菌、原虫、ウイルス、悪性新生物など、感染症と癌に対する化学療法剤の分子構造、作用機作、副作用、薬剤耐性とその分子機構などについて詳説し、化学療法剤の開発および化学療法剤による感染症および癌の治療の基礎について解説した。各種新薬についても最新の内容を解説した。池澤宏郎編、塚本喜久雄、天野冨美夫、今井康之、今川正良、長田茂宏、冨田昌弘、中林利克、福永将仁、森裕志、安田陽子、吉田雄三、渡部一仁、P281-P369(総頁数528)
あたらしい疾病薬学 共著 2016年 9月 テコム 病原微生物による各種感染症について、その病理・病態および薬物治療を中心に解説した。小野寺憲次編、塚本喜久雄ほか著者11名、P295-P346(総頁数430)
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
A set of bacterial strains for evaluation of -lactamase stability of -lactam antibiotics. 共著 1981年10月 J. Antibiotics 34: (10), 1318-1326 抗菌薬の代表的なグラム陽性菌及びグラム陰性菌について、薬剤感受性株から高度耐性株まで数段階の薬剤耐性レベルの異なる菌株セットを作出し、抗菌薬感受性を判定する標準菌株とし、抗菌薬開発のスクリーニング系を確立した。T. Sawai, T. Yoshida, K. Tsukamoto and S. Yamagishi.
Characterization of eight -lactamases of gram-negative bacteria. 共著 1982年 2月 J. Bacteriol. 152: (2), 567-571 代表的なグラム陽性菌及びグラム陰性菌が産生する各種β-ラクタマーゼについて、精製酵素を用いてその基質特異性等の分子特性を明らかにし、耐性菌のβ-ラクタム系薬に対する耐性パターンの分子的基盤を解明した。T. Sawai, M. Kanno and K. Tsukamoto.
HLA遺伝子 共著 1983年 6月 免疫と疾患6: 493-502 HLA クラスⅠおよびⅡの遺伝子構造、遺伝子多型、遺伝子発現産物の多型について解説した。塚本喜久雄,笹月健彦
Isolation of a cDNA clones and corresponding genomic clones for the light chain of the human B cell alloantigen DC1. 共著 1983年10月 Proc. Jpn. Soc. Immunol. 13: (10), 172-173 ヒトの主要組織適合抗原 HLA-DC1 の軽鎖の cDNA をクローニングし、そのアミノ酸1次構造を明らかにした。またこのクローンをプローブとして、ヒトの HLA クラスⅡβ鎖遺伝子をクローニングして、遺伝子構造を明らかにした。K. Tsukamoto, H. Inoko, A. Andoh, T. Hirose, S. Inayama and T. Sasazuki.
Molecular and functional polymorphism of HLA-DR4 molecule. 共著 1983年10月 Proc. Jpn. Soc. Immunol. 13: (10), 142-143 ヒトの組織適合抗原 HLA-DR4 について、そのリンパ球混合培養における他の DR 分子との反応性を解析し、遺伝子産物の多型との関連について明らかにした。K. Tsukamoto and T. Sasazuki.
Cefoxitin, N-formimidoyl thienamycin, clavulanic acid and penicillanic acid sulfone as suicide inhibitors for different types of β-lactamases produced by gram-negative bacteria. 共著 1983年11月 J. Antibiotics 35: (11), 1594-1602 代表的なグラム陰性腸内細菌群が産生する各種β-ラクタマーゼについて、セフォキシチンの抗菌効果に対してβ-ラクタマーゼ阻害剤であるチエナマイシン、クラブラン酸、ペニシラン酸スルフォンの併用効果を解析し、β-ラクタマーゼ阻害剤が有効なβ-ラクタマーゼのタイプを同定した。T. Sawai and K. Tsukamoto.
Carbenicillin-hydrolysing penicillinases of Proteus mirabilis and PSE-type penicillinase of Pseudomonas aeruginosa. 共著 1983年12月 Microbiol. Immunol. 27: (12), 995-1004 Proteus mirabilis の産生するカルベニシリン分解型ペニシリナーゼおよび緑膿菌が産生する PSE-タイプのペニシリナーゼを精製し、その酵素的特徴を明らかにして、これら産生菌のβ-ラクタム系薬に対する耐性の分子基盤を明らかにした。I. Takahashi, K. Tsukamoto, M. Harada and T. Sawai.
Isolation and characterization of cDNA and genomic clones of HLA class II antigens. 共著 1984年 2月 Jpn. J. Human Genet. 29: (2), 193-194 オリゴ DNA をプローブとし、ヒトの主要組織適合クラスⅡ抗原 HLA-DC1 β-鎖の cDNA をクローニングし、そのタンパク質のアミノ酸1次配列を明らかにした。またこのクローンをプローブとしてヒトの HLA クラスⅡβ鎖の遺伝子をクローニングして、その遺伝子構造を明らかにした。K. Tsukamoto, T. Sasazuki, H. Inoko, A. Andoh, T. Hirose and S. Inayama.
Polymorphism of the HLA-DR4 molecule. 共著 1984年 2月 Jpn. J. Human Genet. 29: (2), 246-247 ヒト主要組織適合抗原クラスⅡ分子の HLA-DR4 について、2次元電気泳動法およびサザンブロット法を用いて多型の分子基盤を明らかにした。K. Tsukamoto, N. Nishimura and T. Sasazuki.
A novel class II molecule responsible for the primary MLR between HLA-Dw2 and Dw12. 共著 1984年10月 Proc. Jpn. Soc. Immunol. 14: (10), 50 ヒトの組織適合抗原 HLA-Dw2 および Dw12 について、2次元電気泳動法を用いて新しい分子種を同定し、同型の中でさらに詳細な分子多型があることを明らかにした。Y. Nishimura, K. Tsukamoto and T.Sasazuki.
Diversity and expression of HLA class II genes. 共著 1984年10月 Proc. Jpn. Soc. Immunol. 14: (10), 58 サザンブロット法によって、ヒト主要組織適合抗原クラスⅡ遺伝子の遺伝子座に多様性があり、複数の遺伝子座が存在することを明らかにした。また2次元電気泳動法を用いて、その遺伝子産物にも複数の多様性があることを示した。K. Tsukamoto, M. Yasunami and T. Sasazuki.
Study on structure and expression of HLA class II genes. 単著 1985年 1月 Ochanomizu Med. J. 33: (1), 103-117 ヒトの主要組織適合抗原クラスⅡ分子について、各種ハプロタイプのクラスⅡ分子の多型を2次元電気泳動法で解析し、またβ鎖 cDNA をクローニングし、これをプローブとしてサザンブロット法によって遺伝子レベルでその多型を明らかにした。さらにいくつかの HLA 遺伝子をジーンウォーキングでクローニングしてクラスⅡ遺伝子領域の遺伝子構造を解析し、免疫応答の多様性とクラスⅡ分子の多型との関連を明らかにした。K. Tsukamoto.
Analysis of the HLA class II molecules from HLA-Dw2 and Dw12: Identification and characterization of a novel class II molecule. 共著 1985年 2月 Jpn. J. Human Genet. 30: (2), 124 ヒトの主要組織適合クラスⅡ抗原 HLA-Dw2 および HLA-Dw12 について、2次元電気泳動を用いて解析し、これら2つの多型には、さらに多様な分子多形があることを明らかにした。K. Tsukamoto, Y. Nishimura and T. Sasazuki.
Analysis of the polymorphism of HLA class II gene family. 共著 1985年 2月 Jpn. J. Human Genet. 30: (2), 125 ヒト主要組織適合抗原クラスⅡβ鎖の cDNA をプローブとし、各種 HLA-D 領域ホモ接合体およびヘテロ接合体の遺伝子多型を、サザンブロット法で解析して、その分子多型を明らかにした。K. Tsukamoto, M. Yasunami and T. Sasazuki.
Structural analysis of cDNA clones encoding HLA class II polypeptides expressed on HLA-Dw12. 共著 1985年 2月 Jpn. J. Human Genet. 30: (2), 124-125 HLA-Dw12 ホモ接合細体胞の発現するヒト組織適合抗原β鎖の cDNA をクローニングし、そのアミノ酸1次配列を明らかにした。K. Tsukamoto and T. Sasazuki.
Two distinct class II molecules encoded by the genes within HLA subregion of HLA-Dw2 and Dw12 can act as stimulating and restriction molecules. 共著 1985年 2月 J. Immunol. 135: (2), 1288-1298 ヒト主要組織適合抗原 HLA-Dw2 および HLA-Dw12 について2次元電気泳動法を用いて解析し、その分子多型を明らかにした。またこの2つの Dw 型の溶連菌に対する免疫応答の違いを明らかにし、それが Dw 分子の分子多型に起因することを明らかにした。T. Sone, K. Tsukamoto, K. Hirayama, Y. Nishimura, T. Takenouchi, W. Aizawa and T. Sasazuki.
Functional and molecular analysis of three distinct HLA-DR4  chains responsible for the MLR between HLA-Dw4, Dw15 and DK12. 共著 1986年 2月 J. Immunol. 137: (2), 924-933 2次元電気泳動法を用いて HLA-DR4 分子にさらに詳細な分子多型があることを明らかにし、HLA-DR 分子の多型がリンパ球混合培養反応の惹起に関与する分子であることを明らかにした。K. Hirayama, Y. Nishimura, K. Tsukamoto and T. Sasazuki.
DQw1  gene from HLA-DR2-Dw12 consists of six exonsand express multiple DQw1  polypeptide through alternative splicing. 共著 1987年 5月 Immunogenet. 25: (5), 343-346 ヒトの組織適合抗原 HLA-DQw1 のβ鎖の cDNA および遺伝子をクローニングし、そのアミノ酸1次構想および遺伝子構造を明らかにした。また遺伝子は6つのエキソンで構成され、RNA スプライシングの違いによって多様な DQwβ1 タンパク質が発現することを明らかにした。K. Tsukamoto, M. Yasunami, A. Kimura, H. Inoko, A. Andoh, T. Hirose, S. Inayama and T. Sasazuki.
Amino acid sequence, active site residues, and effect of suicide inhibitors on cephalosporinase of Citrobacter freundii GN346. 共著 1988年 4月 Rev. Infect. Dis. 10: (4), 721-725 Citrobacter freundii の産生する染色体性セファロスポリナーゼ遺伝子をクローニングし、そのアミノ酸1次配列を明らかにした。またこのタンパク質に対する各種自殺基質型β-ラクタム剤の阻害効果について解析を行った。T. Sawai, A. Yamaguchi and K. Tsukamoto.
「Structural and functional studies on the active site of the class C β-lactamase from Citrobacter freundii GN346」 共著 1990年 1月 J.Pharmacobio-Dyn.13:(1),s-27 Citrobacter freundii GN346株のβ‐ラクタム系薬耐性遺伝子をクローニングし、その遺伝子産物であるセファロスポリナーゼの分子構造と活性中心アミノ酸残基の検索を行い、日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物セファロスポリナーゼについて、その分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索、自殺基質型β‐ラクタム系薬を用いた酵素阻害様式について解析し、セファロスポリナーゼが典型的なセリン酵素型であり、自殺基質が作用する活性中心アミノ酸残基のセリン残基であることを示唆した。K.Tsukamoto, R.Kikura, R.Ohno, N.Nishida and T.Sawai
「Role of lysin-67 in the active site of class C β-lactamase from Citrobacter freundii GN346」 共著 1990年 2月 Eur.J.Biochem.188:(1),15-22 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するCitrobacter freundii GN346株のセファロスポリン耐性遺伝子産物クラスCセファロスポリナーゼについて、活性中心アミノ酸残基の探索をおこなった。遺伝子の部位特異的変異導入によって、Lys67の変異が酵素活性の低下をもたらすこと、Lys→His変異では部分的に活性が残存することから、Lys67がセファロスポリナーゼの基質分解に重要であることを明らかにし、Lys67がセリン酵素の塩基性アミノ酸残基の役割を果たしていることを示唆した。K.Tsukamoto, K.Tachibana, N.Yamazaki, H.Ishii, K.Ujiie, N.Nishida and T.Sawai
「Substitution of aspartic acid-217 of Citrobacter freundii cephalopspolinase and properties of the mutant enzymes」 共著 1990年 5月 FEBS Lett.264:(2),211-214 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するCitrobacter freundii GN346株のセファロスポリン耐性遺伝子産物クラスCセファロスポリナーゼについて、活性中心アミノ酸残基の存在する近傍の空間に局在すると予想されるアミノ酸残基Asp217に部位特異的変異を導入すると、セファロスポリナーゼに安定な第3世代セファロスポリン系薬に対して分解活性の上昇した変異セファロスポリナーゼに転換されることを明らかにした。臨床上で出現の兆しが見え始めた基質拡張型セファロスポリナーゼを、実験的に証明し、出現のメカニズムを分子レベルで示唆したことで、高く評価された。K.Tsukamoto, R.Kikura, R.Ohno and T.Sawai
「Extension of the substrate spectrum by an amino acid substitution at residue 219 in the Citrobacter freundii cephalosporinase」 共著 1990年 8月 J.Bacteriol.172:(8),4348-4351 Citrobacter freundiが生産するセファロスポリン分解型β-ラクタマーゼのGlu219における部位特異的変異が、第3世代セフェム剤に対しても高度耐性を獲得することを明らかにした。これはβ-ラクタマーゼと第3世代セフェム系薬との酵素・基質結合が、野生型酵素では高い親和性を示し、第3世代セフェム系薬はβ-ラクタマーゼに対して阻害的に作用するのに対して、変異酵素では第3世代セフェム剤に対する結合親和性が低下し、分解活性を獲得したためであることを明らかにした。このことは、臨床的に分離され始めた基質拡張型β-ラクタマーゼ生産耐性菌が、こうした変異β-ラクタマーゼを産生することで耐性を獲得している可能性を強く示唆した。K.Tsukamoto, R.Ohno and T.Sawai
「Function of the conserved triad residues in the calss C β-lactamase from Citrobacter freundii GN346」 共著 1990年10月 FEBS Lett.271:(1,2),243-246 Citrobacter freundii GN346株のβ‐ラクタム系薬耐性遺伝子の遺伝子改変によって、セファロスポリナーゼの基質分解活性および基質特異性に関わるアミノ酸残基を検索した。セファロスポリナーゼで保存性の高いアミノ酸残基Lys315, Thr316, Gly317の3連続したアミン酸残基に部位特異的変異を導入し、これらアミノ酸残基のどれか1残基が変異すると、基質分解活性が部分的に低下することを明らかにした。またこの中で、Lys315の変異では、塩基性アミノ酸残基HisまたはArgの変異では活性低下の程度は大きくないが、他のアミノ酸残基への変異では活性が著しく低下することから、この部位は塩基性アミノ酸残基の正電荷が重要であることを強く示唆し、触媒においてこれら3残基が反応中間体の安定性を高めるという反応モデルを提唱した。K.Tsukamoto, N.Nishida, M.Tsuruoka and T.Sawai
「Nucleotide sequence and characterization of a carbenicillin-hydrolyzing penicillinase gene from Proteus mirabilis」 共著 1991年11月 J.Bacteriol.173:(21),7038-7041 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するProteus mirabilisについて、β‐ラクタム系薬耐性の要因となっているペニシリナーゼ遺伝子をクローニングし、ペニシリナーゼの分子構造を明らかにした。またこのペニシリナーゼはカルベニシリンなどの緑膿菌にも有効なペニシリン系薬を加水分解するが、他のペニシリナーゼやセファロスポリナーゼとのアミノ酸1次配列の比較および部位特異的変異導入から、この基質特異性がArg209, Thr210, Gly211という3連続のアミノ酸配列によることを強く示唆した。Y.Sakurai, K.Tsukamoto and T Sawai
「Molecular basis of the active site function of the class C β-lactamase from Citrobacter freundii」 共著 1991年12月 J.Pharmacobio-Dyn.14:(12),s-141 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物セファロスポリナーゼについて、遺伝子クローニングと部位特異的変異による分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索と同定を行い、このセファロスポリナーゼがセリン酵素スーパーファミリーに属すること、活性中心アミノ酸残基のSer64, Lys67, Asp217が触媒反応に必須であること、および基質結合および反応中間体の安定化にLys315, Thr316, Gly317の3残基が必要であることを示唆した。K.Tsukamoto, M.Tsuruoka, M.Nukaga, R.Ikuta and T.Sawai
「The effect of amino acid substitution at position 219 of Citrobacter freundii cephalosporinase on extension of its substrate spectrum」 共著 1993年 8月 Eur.J.Biochem.207:(3),1123-1127 Citrobacter freundiが生産するセファロスポリン分解型β-ラクタマーゼのGlu219における部位特異的変異が、第3世代セフェム系薬に対しても高度耐性を獲得することを部位特異的変異によって明らかにした。この高度耐性化は、219位を置換するアミノ酸残基の種類ではなく、アミノ酸残基側鎖の嵩高さに依存することを示唆した。またGlu219の化学修飾によって、人工的にこの部位の側鎖の嵩高さを増すと、第3世代セフェム系薬に耐性を示すことも明らかにした。臨床上で出現の兆しが見え始めた基質拡張型セファロスポリナーゼの基質特異性拡張メカニズムを実験的に証明したことで、高く評価された。K.Tsukamoto, R.Ohno, M.Nukaga and T.Sawai
「A survey of a functional amino acid of class C β-lactamase corresponding to Glu166 of class Aβ-lactamases」 共著 1993年10月 FEBS Lett.332:(1,2),93-98 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物クラスCセファロスポリナーゼについて、グラム陽性菌の代表的ペニシリナーゼである黄色ブドウ球菌のクラスAペニシリナーゼにおけるGlu166に相当するアミノ酸残基の検索をおこなった。部位特異的変異導入によって探索した結果、Asp217の変異によって触媒活性が顕著に低下し、Asp217が、クラスAペニシリナーゼのGlu166に相当するアミノ酸残基であることを明らかにした。M.Nukaga, K.Tanimoto, K.Tsukamoto, S.Imajo, M.Ishiguro and T.Sawai
「Cloning and sequencing of an Na+/H+ antiporter gene from the marine bacterium Vibrio alginolyticus」 共著 1994年 5月 Biochim.Biophys.Acta1190:(2),465-468 ビブリオ菌のNa+/H+アンチポーター遺伝子をクローニングし、その全1次構造を解明した。またこのアンチポーターの欠失では、ビブリオ菌が海水と同じ食塩濃度の培地では生息できないことを明らかにした。これによって、このアンチポーターが、海洋細菌としてのビブリオ菌が高塩濃度で棲息するために、細胞内の食塩濃度を調節するのに必須であることが明らかになった。T.Nakamura, Y.Komano, E.Itaya, K.Tsukamoto, T.Tsuchiya and T.Unemoto
「Interaction of oxyimino β-lactams with a class C β-lactamase and a mutant with a spectrum extended to β-lactams」 共著 1994年 6月 Antimicrob.Agents Chemother.38:(6),1374-1377 臨床上で問題となっている基質拡張型β-ラクタマーゼ生産β-ラクタム抗生物質高度耐性菌のβ-ラクタマーゼが、β-ラクタマーゼに阻害活性を示すオキシイミノ側鎖を持ったβ-ラクタム抗生物質による阻害に対して、活性中心ポケット近傍のωループ構造を変異させることで、オキシイミノβ-ラクタム抗生物質に対する結合親和性の低下と分解活性を獲得し、これが第3世代セフェム剤を含むオキシイミノβ-ラクタム抗生物質に対する耐性化の分子基盤であることを明らかにした。M.Nukaga, K.Tsukamoto, H.Yamaguchi and T.Sawai
「薬剤分解酵素による薬剤耐性機構:β-ラクタム抗生物質耐性」 共著 1994年10月 細胞工学 13:872-881 セファロスポリン分解型クラスCβ‐ラクタマーゼの分子構造を、コンピュータモデリングで構築し、各種β‐ラクタム抗生物質との酵素・基質ドッキングモデルを分子動力学計算によって推測した。これによってクラスCに対して阻害活性を持つ第3世代セフェム剤およびその誘導体は、酵素分子と安定な複合体構造を形成し、酵素触媒に必須な塩基性アミノ酸残基の働きを阻害することで、阻害活性を示すことを示唆した。澤井哲夫,塚本喜久雄
「Studies on the active sites of Bacillus cereus sphingomyelinase: substitution of some amino acids by site-directed mutagenesis」 共著 1995年10月 Amino Acids 9:(10),293-298 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの触媒機能アミノ酸残基の部位特異的変異導入による探索を行った。各菌種のスフィンゴミエリナーゼで保存的なAsp126, Asp156の部位特異的変異によって、部分的に溶血活性が影響を受けることを明らかにした。またこれら残基の変異は、スフィンゴミエリンの基質分解活性においてもわずかであるが部分的な低下をもたらし、これらアミノ酸残基が基質との相互作用に関わることを示唆した。H.Ikezawa, K.Tameishi, A.Yamada, H.Tamura, K.Tsukamoto, Y, Matsuo and K.Nishikawa
「A distant evolutionary relationship between bacterial sphingomyelinase and mammalian DNase I」 共著 1996年12月 Protein Sci.5:(5),2459-2467 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造を、3D-1D構造的合法によって推測し、ウシ膵臓のDNaseIに最も高い適合性を持つことを見いだした。これをもとに、スフィンゴミエリナーゼの3次元分子構造をコンピュータモデリングした。モデルでは、細菌スフィンゴミエリナーゼで保存的なアミノ酸残基が1箇所に集中し手存在し、これらの機能的な重要性を示唆した。また基質とのリガンドドッキングモデルを分子動力学計算などの手法を用いて作成し、基質疎水側鎖と相互作用するアミノ酸残基を予測した。Y.Matsuo, A.Yamada, K.Tsukamoto, H.Tamura, H.Ikezawa, H.Nakamura and K.Nishikawa
「カイコ幼虫中腸アミノペプチダーゼNのGPIアンカー蛋白質としての発現と性状」 共著 1996年12月 Modern Physician,16:1553-1554 カイコ幼虫の中腸から刷子縁膜画分を調整し、PI-PLC処理によってGPI-アンカータンパク質を遊離した。この画分から、アミノペプチダーゼNを生成し、その分子量およびN末端アミノ酸配列を決定した。またカイコ中腸から調整したmRNA画分を鋳型として、カイコ中腸cDNAライブラリーを作成した。アミノペプチダーゼNのN末端アミノ酸配列をもとにcDNAライブラリーのスクリーニングを行い、いくつかのcDNA候補のクローニングに成功した。池沢宏郎,華剛,塚本喜久雄,冨田昌弘,宮嶌成壽,田口良
「Mutational analysis of the C-terminal signal peptide of bovine 5'-nucleotidase for GPI anchoring」 共著 1997年 9月 Biochim. Biophys. Acta1328: (2), 185-196 代表的GPIアンカータンパク質として、ウシの5’-ヌクレオチダーゼcDNAをクローニングし、5’-ヌクレオチダーゼ前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的伸長および短縮変異クローンを、部位特異的変異導入によって作成した。これらの変異クローンをアフリカ緑ザル培養細胞COS-7に導入して細胞表層への発現とGPIアンカー修飾の有無を検討した。正常なGPI修飾が起こるためには、GPI修飾シグナル親水性領域に適切な長さのアミノ酸残基の範囲があることを明らかにした。Y. Furukawa, K. Tsukamoto and H. Ikezawa
「Mutational analysis of the COOH-terminal signal peptide of bovine liver 5’-nucleotidase for GPI attachment」 共著 1997年 9月 FASEB J.11:(9),A-962 ウシの5’-ヌクレオチダーゼをGPIアンカータンパク質の典型として用い、5’-ヌクレオチダーゼ前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的伸長および短縮変異クローンを部位特異的変異導入によって作成して、親水性領域の構造要因とGPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域が4残基以上必要であり、最長の長さは14残基であった。GPI修飾に適切な長さの親水性領域は、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。H.Ikezawa, Y.Furukawa and K.Tsukamoto
「Characterization of aminopeptidase N from the brush border membrane of the larvae midgut of silkworm, Bombyx mori as a zinc enzyme」 共著 1998年 4月 Biochim.Biophys.Acta1383:(2),301-308 Bacillus thuringiensis の生産する結晶性毒素のリセプターとして働くカイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNについて、その主要アイソザイム100kDa APNを単離精製し、酵素学的性状を明らかにした。またこの酵素が亜鉛を必須とする金属酵素であることを示し、複数の亜鉛結合部位を持つことで酵素機能が調節されていることを解明した。G.Hua, K.Tsukamoto, R.Taguchi, M.Tomita, S.Miyajima and H.Ikezawa
「Molecular cloning of a GPI-anchored aminopeptidase N from Bombyx mori midgut:a putative receptor for Bacillus thuringiensis CryIA toxin」 共著 1998年 7月 Gene 214:(1-2),177-185 カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイム110kDa APNを単離精製した。カイコ中腸mRNAからcDNAライブラリーを作成し、110kDaAPNの部分アミノ酸配列を参考にして、110kDa APNをコードするcDNAクローンを単離し、その全1次構造を解明した。またこの酵素分子がBacillus thuringiensisの結晶性毒素CryIAのリセプター分子となることを、毒素結合実験で示した。G.Hua, K.Tsukamoto, M.-L.Rasilo and H.Ikezawa
「Cloning and sequence analysis of the aminopeptidase N isozyme (APN2) from Bombix mori midgut」 共著 1998年10月 Comp.Biochem.Physiol.121B:(2),213-222 カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイム90kDa APNを単離精製した。カイコ中腸mRNAから作成したcDNAライブラリーより、90kDaAPNの部分アミノ酸配列を参考にして90kDa APNをコードするcDNAクローンを単離し、その全1次構造を解明した。これによって他の鱗翅目昆虫APNの分子構造との違いを明確にした。またこの違いが、Bacillus thuringiensisの結晶性毒素に対する結合親和性と関連することを示唆した。G.Hua, K.Tsukamoto and H.Ikezawa
「Mg2+ Binding and Catalytic Function of Sphingomyelinase from Bacillus cereus」 共著 1998年10月 J.Biochem.124:(6),1178-1187 セレウス菌の生産する溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼは、酵素活性発現にMg2+を必須とする。スフィンゴミエリナーゼのMg2+結合状態と酵素活性との関連を解析し、スフィンゴミエリナーゼには2つのMg2+結合部位が存在し、Mg2+の結合数によって、酵素活性が2段階に活性化されることを明らかにした。生理的Mg2+濃度では、高親和性結合部位にMg2+が結合し、酵素最大活性のおよそ90%の活性を発現することを示した。S.Fujii, B.Inoue, H.Yamamoto, K.Ogata, T.Shinki, S.Inoue, M.Tomita, H.Tamura, K.Tsukamoto, H.Ikezawa and K.Ikeda
「The presence of four aminopeptidase N (APN) isozymes GPI-linked to the brushborder membrane of silkworm midgut, the receptors for various insecticidal toxins of Bacillus thuringiensis」 共著 1998年10月 Chem. Phys. Lipids 94: (2), 169 Bacillus thuringiensisの結晶性毒素のリセプター分子として働くカイコ中腸のGPIアンカー型アミノペプチダーゼNには、4種のアイソザイム分子があることを、刷子縁膜からPI-PLCによって遊離した画分から各アイソザイム分子を分離して証明し、各アイソザイムの分子構造の違いと毒素のサブタイプとの結合特異性との関連を示唆した。H.Ikezawa, G.Hua, M.-L.Rasilo, and K.Tsukamoto
「Roles of Asp126 and Asp156 in the enzyme function of sphingomyelinase from Bacillus cereus」 共著 1999年 7月 J. Biochem. 126:(1),90-97 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの、保存性残基Asp126およびAsp156は、酵素触媒に必須なアミノ酸残基ではないが、基質となるスフィンゴミエリンとの相互作用によって、基質特異性に影響を与える残基であることを明らかにした。これによって、酵素分子表面の荷電アミノ酸残基が、基質分子との相互作用に需要であることを示唆した。S.Fujii, K.Ogata, B.Inoue, S.Inoue, M.Murakami, S.Iwama, S.Katsumura, M.Tomita, H.Tamura, K.Tsukamoto, H.Ikezawa and K.Ikeda
「Binding of salicylhydroxamic acid and several aromatic donor molecules to Arthromyces ramosus peroxidase investigated by X-ray crystallography, optical difference spectroscopy, NMR relaxation, molecular dynamics and kinetics」 共著 1999年 9月 Biochemistry 38:(39),12558-12568 真菌Arthromyces ramosusのペルオキシダーゼとその基質分子ARPとの複合体について、X線結晶解析によってその3次元構造を明らかにした。また結晶化に成功していない西洋わさびペルオキシダーゼの3次元構造をコンピュータモデリングによって構築し、各種基質分子との複合体構造を推測した。分子動力学などの計算手法によって推測した酵素・基質ドッキングモデルから、真菌と植物のペルオキシダーゼの基質特異性の差異が、活性中心構造の違いによることを示した。K.Tsukamoto, H.Itakura, K.Sato, K.Fukuyama, S.Miura, S.Takahashi, H.Ikezawa and T.Hosoya
「Glu53 of B. cereus sphingomyelinase act as an indispensable ligand of Mg2+ essential enzyme catalytic activity 共著 2003年 3月 J.Biochem.,133:(3),279-286 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Glu53が、酵素触媒に必須なMg2+のリガンド残基として働くこと予想をし、部位特異的変異酵素を作出して酵素学的正常の変化を解析した。これによってGlu53はMg2+の高親和性結合部位を形成する酵素触媒に必須な残基であることを証明した。またMg2+の結合には、Glu53と基質分子リン酸基が重要であることを示した。T.Obama, Y.Kan, H.Ikezawa, M.Imagawa and K.Tsukamoto
「His151 and His296 of Baclllus cereus sphingomyelinase play a catalytic role in sphingomyelin hydrolysis」 共著 2003年 7月 Biol.Pharm.Bull.,26:(7),920-926 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、活性中心ポケットに集結すると予想される保存性残基His151、His296およびAsp195について、これら残基が、酵素触媒に必須な酸‐塩基触媒として機能することを、部位特異的変異酵素を用いた酵素学的解析によって明らかにし、スフィンゴミエリナーゼの反応機構モデルを提唱した。T.Obama, S.Fujii, H.Ikezawa, K.Ikeda, M.Imagawa, and K.Tsukamoto
「Novel inhibition mechanism of Bacillus cereus sphingomyelinase by beryllium fluoride」 共著 2004年 2月 Arch..Biochem.Biophys.424:(2),201-209 セレウス菌が生産する溶血毒素スフィンゴミエリナーゼは、スフィンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解する。フッ化ベリリウムおよびフッ化アルミニウムは共にリン酸アナログとして作用する阻害剤として知られるが、セレウス菌スフィンゴミエリナーゼはフッ化ベリリウムによって非拮抗的に阻害を受け、フッ化アルミニウムでは阻害されないことを明らかにした。また阻害活性を持つ分子種は2フッ化ベリリウムであることを証明し、この阻害が他のリン酸が関与する酵素阻害様式とは異なる新規の阻害様式であることを示した。S.Fujii, M.Nagata, M.Morita, K.Minoura, K.Tsukamoto, H.Ikezawa, K.Ikeda
「Chromogenic assay for the activity of sphingomyelinase from Bacillus cereus and its application to the enzymatic hydrolysis of lysophospholipids」 共著 2004年11月 Biol.Pharm.Bull.27:(11),1752-1729 スフィンゴミエリナーゼの活性測定には、これまで湿式灰化法による酵素反応生成物の分解とリン酸定量を組み合わせた測定法が用いられてきた。しかしこの方法は煩雑で測定に10時間以上の長時間を要する。そこで、セレウス菌スフィンゴミエリナーゼによるスフィンゴミエリンの加水分解によって生じるホスフォコリンを3種のレポーター酵素を組み合わせることによって、発色基質による比色定量法を開発考案した。これによって短時間およびリアルタイムで酵素反応をモニターすることが可能になった。S.Fujii, A.Yoshida, S.Sakurai, M.Morita, K.Tsukamoto, H.Ikezawa, K.Ikeda
Inhibition of Excessive Cell Proliferation by Calcilytics in Idiopathic Pulmonary Arterial Hypertension 共著 2015年 9月 PLoS One, 2015 Sep 16;10(9):e0138384. doi:10, 1371 我々は特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)において、その病因である肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)の過剰な増殖が、PASMCsにおけるCa2+シグナルの亢進によって起こり、これがPASMCsのCa2+感受性受容体(CaSR)の発現亢進によることをすでに明らかにしている。IPAH患者由来のPASMCsの増殖亢進は、健常者や血栓塞栓性肺高血圧症患者由来のPASMCsの1.5倍になる。そこでIPAH患者由来PASMCsの増殖に対するCaSR拮抗薬の効果を検証した。CaSR拮抗薬であるNPS2143やCalHex231はIPAH患者由来PASMCsの増殖を濃度依存的に抑制したが、健常者や血栓塞栓性肺高血圧症患者由来のPASMCsの増殖には影響を示さなかった。一方でCaSRの活性化薬であるR568はIPAH患者由来PASMCsの増殖を亢進した。以上から、CaSR拮抗薬は、特発性肺動脈性高血圧症の新規治療薬として有用であることが強く示唆される。Aya Yamamura, Naoki Ohara, Kikuo Tsukamoto
Calcilyticsenhancesildenafil-induced antiproliferationinidiopathic pulmonary arterialhypertension 共著 2016年 4月 Eur. J. Pharmacol. 2016: (784), 15-21 我々は、特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PATHMCs)ではカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発言によって平滑筋細胞の増殖が起こることを明らかにしている。そこで CaSR の拮抗薬が IPSH 患者由来の PATHMCs 増殖を抑制するかについて検討した。CaSR 拮抗薬である NPS2143 および Calhex231 は、健常者や慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者由来の PATHMCs の増殖に影響を与えなかったが、IPATH 患者由来の PATHMCs の増殖を濃度依存的に阻害した。またホスホジエステラーゼ5の阻害薬であるシルデナフィルもIPATH 患者由来の PATHMCs の増殖を抑制し、この抑制効果は NPS2143 を併用することで相乗効果を示した。CaSR 拮抗薬は、IPATH の新規治療薬として期待される。AyaYamamura, Satomi Yagi, Naoki Ohara, Kikuo Tsukamoto
Tadalafil induces antiproliferation, apoptosis, and phosphodiesterase type 5 downregulation in idiopathic pulmonary arterial hypertension in vitro 共著 2017年 6月 Eur. J. Pharmacol. 2017: (810), 44-50 特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者では肺動脈平滑筋細胞(PATHMCs)の異常増殖による肺動脈の肥厚が高血圧症の本態となっている。我々はIPAH の治療薬として用いられているホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬タダラフィルのはたらきについて、患者PATHMCsを用いて検証した。患者PATHMCsではPDE5が過剰発現していたが、この細胞をタダラフィル処理すると、PDE5の過剰発現がタダラフィル濃度依存的に抑制された。またこの結果として患者PATHMCsの異常増殖が抑制され、加えて患者PATHMCsにアポトーシスが誘導された。タダラフィルの患者PATHMCs増殖抑制のIC50は4.5microMであった。またこの増殖抑制とアポトーシスの誘導は、健常人のPATHMCsに対しては観察されなかった。このメカニズムにより、タダラフィルはIPAH病態を改善すると考えられる。AyaYamamura, Eri Fujitomi, Naoki Ohara, Kikuo Tsukamoto, Motohiko Sato, Hisao Yamamura.
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
「Class C β-ラクタマーゼ活性中心の構造と機能」 1989年 9月 第9回微生物シンポジウム 分子生物学とその薬学領域における応用面 Citrobacter freundii GN346株のβ‐ラクタム系薬耐性遺伝子をクローニングし、その遺伝子産物であるセファロスポリナーゼの分子構造と活性中心アミノ酸残基の検索を行い、日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物セファロスポリナーゼについて、その分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索、自殺基質型β‐ラクタム系薬を用いた酵素阻害様式について解析し、セファロスポリナーゼが典型的なセリン酵素型であり、自殺基質が作用する活性中心アミノ酸残基のセリン残基であることを示唆した。塚本喜久雄,木倉瑠理,趙南丁,大野令子,西田直子,澤井哲夫(シンポジウム講演)
「Citrobacter freundii class C β-ラクタマーゼ活性中心の分子構造および機能」 1991年 9月 第10回微生物シンポジウム 分子生物学とその薬学領域における応用面 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物セファロスポリナーゼについて、遺伝子クローニングと部位特異的変異による分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索と同定を行い、このセファロスポリナーゼがセリン酵素スーパーファミリーに属すること、活性中心アミノ酸残基のSer64, Lys67, Asp217が触媒反応に必須であること、および基質結合および反応中間体の安定化にLys315, Thr316, Gly317の3残基が必要であることを示唆した。塚本喜久雄,鶴岡みゆき,額賀路嘉,生田理恵,澤井哲夫(シンポジウム講演)
「β-ラクタマーゼ活性中心の分子構造および機能」 1992年 5月 第19回生体分子の構造と機能に関する討論会 セファロスポリン分解型クラスCβ‐ラクタマーゼの分子構造を、コンピュータモデリングで構築し、各種β-ラクタム抗生物質との酵素・基質ドッキングモデルを分子動力学計算によって推測した。これによってクラスCに対して阻害活性を持つ第3世代セフェム剤およびその誘導体は、酵素分子と安定な複合体構造を形成し、酵素触媒に必須な塩基性アミノ酸残基の働きを阻害することで、阻害活性を示すことを示唆した。塚本喜久雄,額賀路嘉,生田理恵,杉山寛行,山口仁美,澤井哲夫(シンポジウム講演)
「β-ラクタマーゼ活性中心の分子構造と機能」 1992年 7月 ペニシリンシンポジウム クラスAおよびクラスCβ―ラクタマーゼの遺伝子構造、分子構造および基質分解特性について、活性中心構造、およびその構成アミノ酸残基、基質認識に関わるアミノ酸残基等の系統比較分析をおこない、体系的な分類を行った。またクラスCβーラクタマーゼ活性終身アミノ酸残基の部位特異的変異導入による解析によって、基質分解、および基質認識に関わるアミノ酸残基を同定し、触媒反応機構を提唱した。塚本喜久雄,澤井哲夫(シンポジウム講演)
「Identification of active site residues in a class A β-lactamase contributing to carbenicillin hydrolysis」 1993年 8月 The Third World Congress of Theoretical Organic Chemists 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するProteus mirabilisについて、βーラクタム系薬耐性の要因となっているペニシリナーゼ遺伝子をクローニングし、ペニシリナーゼの分子構造を明らかにした。またこのペニシリナーゼはカルベニシリンなどの緑膿菌にも有効なペニシリン系薬を加水分解するが、他のペニシリナーゼやセファロスポリナーゼとのアミノ酸1次配列の比較および部位特異的変異導入から、触媒反応に関わる活性中心アミノ酸残基を同定した。K.Tsukamoto, Y.Takeuchi, H.Sugiyama, Y.Kodama, N.Ichihara, K.Suzuki and T.Sawai
「微生物におけるGPIアンカー蛋白質」 1995年 9月 第 12 回微生物シンポジウム 分子生物学とその薬学領域における応用面 真核生物が保有するGPIアンカータンパク質の構造、各種タンパク質の紹介、および生合成機構について解説した。そのなかで微生物に存在するGPIアンカータンパク質について詳しく紹介するとともに、その中の代表的GPIアンカータンパク質として、原虫の細胞表層コートタンパク質および真菌のホスホリパーゼBを紹介し、その分子構造、微生物感染における役割等について発表した。池沢宏郎,田口良,塚本喜久雄,小林とも子,田村悦臣(シンポジウム講演)
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの分子構造と活性中心機能残基の研究」 1997年 9月 第13回微生物シンポジウム・分子生物学とその薬学領域における応用面 Bacillus cereusの溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造をコンピュータモデリングした。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行い、溶血反応および酵素機能の低下等を指標として活性中心アミノ酸残基の検索を行った。触媒反応には、2つのHis残基が関与することが明らかになった。塚本喜久雄,田村悦臣,松尾洋,小林とも子,西川建,池沢宏郎(シンポジウム講演)
「Bacillus cereus スフィンゴミエリナーゼの触媒に関与する保存性酸性アミノ酸残基の機能解析」 1997年10月 第70回日本生化学会大会 Bacillus cereusのスフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造モデルをコンピュータによって推測した。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。変異酵素の酵素触媒活性および溶血活性の低下を指標として解析し、His151およびHis296が触媒反応に必須であることを明らかにした。塚本喜久雄,小浜孝士,池沢宏郎(ワークショップ講演)
「Bacilluc cereus スフィンゴミエリナーゼの分子モデリングと機能アミノ酸残基の解析」 1997年11月 MSIユーザーズフォーラム セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造を、3D-1D構造的合法によって推測し、ウシ膵臓のDNaseIに最高い適合性を持つことを利用して、スフィンゴミエリナーゼの3次元分子構造をコンピュータモデリングした。さらにこのモデルを用いて、基質とのリガンドドッキングモデルを分子動力学計算などの手法を用いて作成し、基質疎水側鎖と相互作用するアミノ酸残基を予測した。塚本喜久雄(招待講演)
「Four aminopeptidase N isozymes are present on the brush-border membrane of Bombyx mori midgut as GPI-anchored protein」 1998年 8月 FASEB Summer Conference,1998 カイコ幼虫の中腸から刷子縁膜画分を調整し、PI-PLC処理によってGPI-アンカータンパク質を遊離した。この画分から、アミノペプチダーゼNを生成し、その分子量およびN末端アミノ酸配列を決定した。またカイコ中腸から調整したmRNA画分を鋳型として、カイコ中腸cDNAライブラリーを作成した。アミノペプチダーゼNのN末端アミノ酸配列をもとにcDNAライブラリーのスクリーニングを行い、4つのアミノペプチダーゼN遺伝子が存在することを示した。K.Tsukamoto, G.Hua, M.-L.Rasilo, and H.Ikezawa(シンポジウム講演)
「GPIアンカー蛋白質としてのカイコ幼虫中腸アミノペプチダーゼNの多様性とその構造」 1998年 8月 第3回病態と治療におけるプロテアーゼとインヒビター研究会 カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイム110kDa APNを単離精製した。カイコ中腸mRNAからcDNAライブラリーを作成し、110kDaAPNの部分アミノ酸配列を参考にして、110kDa APNをコードするcDNAクローンを単離し、その全1次構造を解明した。またこのほかに、90kDaAPNの存在も示唆し、複数のアミノペプチダーゼNが存在することを示した。塚本喜久雄,華剛,村山弘樹,池澤宏郎(シンポジウム講演)
「Special requirement for hydrophilic spacer in the C-terminal GPI-signal region of bovine liver 5'-nucleotidase - analysis by site-directed mutagenesis」 1998年 8月 FASEB Summer Conference,1998 ウシの5’-ヌクレオチダーゼをGPIアンカータンパク質の典型として用い、5’-ヌクレオチダーゼ前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的伸長および短縮変異クローンを部位特異的変異導入によって作成して、親水性領域の構造要因とGPI修飾との関係を検討した。GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域が4~14残基必要であった。GPI修飾に適切な長さの親水性領域は、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。H.Ikezawa, K.Tsukamoto, Y.Furukawa, and H.Sasaki(招待講演)
「The presence of four aminopeptidase N (APN) isozymes GPI-linked to the brush border membrane of silkworm midgut, the receptors for various insecticidal toxins of Bacillus thuringiensis」 1998年 9月 39th International Conference on the Biochemistry of Lipids カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイムを単離精製し、4つのアイソザイムが存在することを明らかにした。このうちカイコ中腸mRNAから作成したcDNAライブラリーより、110kDa、100kDaおよび90kDaの分子量を持つAPN cDNA を単離し、その全1次構造を解明した。またこの酵素分子がBacillus thuringiensisの結晶性毒素CryIAのリセプター分子となることを、毒素結合実験で示した。H.Ikezawa, G.Hua, M.-L.Rasilo, and K.Tsukamoto(シンポジウム講演)
「GPIアンカー修飾における親水性スペーサー配列の役割」 1998年10月 第71回日本生化学会大会 ウシのGPIアンカータンパク質5’-ヌクレオチダーゼを用い、前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的変異クローンを部位特異的変異導入によって作成して、親水性領域の構造要因とGPI修飾との関係を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域適切な長さに加えて親水性領域のアミノ酸残基の種類が関与し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。 塚本喜久雄,佐々木浩子,伊藤千恵,池澤宏郎(ワークショップ講演)
「3D structure and active-site function of bacterial sphingo-myelinase‐ Anatomy of phospholipase Cs from Bacteria to Human」 1999年10月 The Third Johns Hopkins Cell Biology Conference ’99 ヒトを含めた哺乳動物のスフィンゴミエリナーゼから、原虫、細菌のスフィンゴミエリナーゼについて系統的分類の解析を示した。Bacillus cereusのスフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造モデルをコンピュータによって推測した。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。変異酵素の酵素触媒活性および溶血活性の低下を指標として解析し、His151およびHis296が触媒反応に必須であることを明らかにした。またスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与するアミノ酸残基についてもその候補を同定した。K.Tsukamoto(シンポジウム講演)
「Structural requirement of GPI-modification signal for GPI-attaching reaction」 1999年10月 The Third Johns Hopkins Cell Biology Conference ’99 ウシの5’-ヌクレオチダーゼをGPIアンカータンパク質の典型として用い、5’-ヌクレオチダーゼ前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的伸長および短縮変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域が4~14残基必要であった。GPI修飾に適切な長さの親水性領域に加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。K.Tsukamoto(招待講演)
「5’‐ヌクレオチダーゼのGPI修飾シグナル伸張によるω残基の変化」 2000年 3月 日本薬学会第120年会 ウシのGPIアンカータンパク質5’-ヌクレオチダーゼを用い、GPI修飾シグナル親水性領域の系統的変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域の適切な長さに加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。伊藤千恵,佐々木浩子,池澤宏郎,塚本喜久雄
「カイコ新規アミノペプチダーゼNアイソザイムのSf9細胞での発現」 2000年 3月 日本薬学会第120年会 カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイム110kDa APNを単離精製した。カイコ中腸mRNAからcDNAライブラリーを作成し、110kDaAPNの部分アミノ酸配列を参考にして、110kDa APNをコードするcDNAクローンを単離し、その全1次構造を解明した。またこの遺伝子をバキュロウイルスベクターに組み込み、昆虫培養細胞Sf9で高発現することに成功した。村山弘樹,華 剛,池澤宏郎,塚本喜久雄(村山弘樹,華剛,池澤宏郎,塚本喜久雄)
「スフィンゴミエリナーゼのCa2+リガンドAsp100近傍に存在する保存性Glu53の機能解析」 2000年 3月 日本薬学会第120年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Glu53が、酵素触媒に必須なMg2+のリガンド残基として働くこと予想をし、部位特異的変異酵素を作出して酵素学的正常の変化を解析した。これによってGlu53はMg2+の高親和性結合部位を形成する酵素触媒に必須な残基であることを証明した。またMg2+の結合には、Glu53と基質分子リン酸基が重要であることを示した。 小浜孝士,管雪恵,池澤宏郎,塚本喜久雄
「酵母細胞におけるPenicillium notatumホスホリパーゼB遺伝子の発現」 2000年 3月 日本薬学会第120年会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでこの遺伝子の内部欠失クローンを作成し、部位特異的ノックアウト法によって、plb1遺伝子を欠失させたノックアウト酵母を作成した。Penicillium notatumホスホリパーゼBのcDNAクローンを酵母発現ベクターに組み込み、plb1ノックアウト酵母に導入した。Penicillium notatumホスホリパーゼBの発現は、発現酵母のホスホリパーゼB活性の上昇で評価した。小幡由紀,河口裕,斉藤國彦,池澤宏郎,塚本喜久雄
「The structure-function relationship in Bacillus cereus sphingomyelinase, a bacterial hemolysin」 2000年 7月 13th World Congress of The International Society on Toxynology Bacillus cereusのスフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造モデルをコンピュータによって推測した。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。変異酵素の酵素触媒活性および溶血活性の低下を指標として解析し、His151およびHis296が触媒反応に必須であることを明らかにした。またスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与するアミノ酸残基についてもその候補を同定した。H.Ikezawa, T.Obama and K.Tsukamoto
「Molecular cloning and expression of the silkworm aminopeptidase N isozymesas reseptors for Cry toxins」 2000年 8月 International Conference on Cell Surface Aminopeptidases カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイム110kDa APNを単離精製した。カイコ中腸mRNAからcDNAライブラリーを作成し、110kDaAPNの部分アミノ酸配列を参考にして、110kDa APNをコードするcDNAクローンを単離し、その全1次構造を解明した。またこのほかに、90kDaAPNの存在も示唆し、複数のアミノペプチダーゼNが存在することを示した。またこの酵素分子がBacillus thuringiensisの結晶性毒素CryIAのリセプター分子となることを、毒素結合実験で示した。K.Tsukamoto, G.Hua, M.Adang, H.Murayama, M.Tomita, M.Imagawa and H.Ikezawa
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの保存性Glu53の機能解析」 2000年10月 第73回日本生化学会大会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Glu53が、酵素触媒に必須なMg2+のリガンド残基として働くこと予想をし、部位特異的変異酵素を作出して酵素学的性情の変化を解析した。これによってGlu53はMg2+の高親和性結合部位を形成する酵素触媒に必須な残基であることを証明した。またMg2+の結合には、Glu53と基質分子リン酸基が重要であり、酵素基質反応中間体の安定化に関わるモデルを提唱した。小浜孝士,管雪恵,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「GPIアンカー蛋白質とはなにか ‐その実像と生物学的意義‐」 2000年10月 日本植物生理学会1999年度年会および第39回シンポジウム 真核生物が保有するGPIアンカータンパク質の構造、各種タンパク質の紹介、および生合成機構について解説した。そのなかで哺乳動物のプリオン、5’-ヌクレーチダーゼ、原虫の細胞表層コートタンパク質および真菌のホスホリパーゼBを紹介し、その分子構造、機能、微生物感染における役割等について発表し、GPIアンカータンパク質の生物学的意義について論じた。池沢宏郎,田口良,塚本喜久雄,小林とも子(招待講演)
「カイコ新規アミノペプチダーゼNのCry toxin結合特異性とGPIアンカー型発現」 2000年10月 第73回日本生化学会大会 カイコ中腸の刷子縁膜上に存在するGPIアンカー型アミノペプチダーゼNのアイソザイムを単離精製し、4つのアイソザイムが存在することを明らかにした。またカイコ中腸mRNAから作成したcDNAライブラリーより、110kDa、100kDaおよび90kDaの分子量を持つAPN cDNAを単離し、その全1次構造を解明した。これに加えてこれらの酵素分子アイソザイムがBacillus thuringiensisの結晶性毒素CryIAのリセプター分子となることを、毒素結合実験で示した。塚本喜久雄,村山弘樹,Hua Gang,Michael Adang,冨田昌弘,清水祐子,池澤宏郎,今川正良
「酵母細胞におけるPenicillium notatumホスホリパーゼB遺伝子発現の検討」 2000年10月 第73回日本生化学会大会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでこの遺伝子の内部欠失クローンを作成し、部位特異的ノックアウト法によって、plb1遺伝子を欠失させたノックアウト酵母を作成した。Penicillium notatumホスホリパーゼBのcDNAクローンを酵母発現ベクターに組み込み、plb1ノックアウト酵母に導入した。Penicillium notatumホスホリパーゼBの発現は、発現酵母のホスホリパーゼB活性の上昇およびそれに融合したYFP蛍光タンパク質の発光で評価した。小幡由紀,河口裕,斉藤國彦,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「スフィンゴミエリナーゼ膜結合機能ドメインの同定」 2000年12月 第23会日本分子生物学会年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼは、赤血球溶血反応において赤血球膜との結合にCa2+が必須である。スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Asp100が、酵素分子表面に局在することを予想し、部位特異的変異酵素を作出して溶血反応および酵素学的性情の変化を解析した。Asp100の変異は酵素触媒には大きな影響を与えないが、溶血活性には影響を及ぼした。これによってAsp100は生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを示した。小浜孝士,管雪恵,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「酵母ホスホリパーゼB触媒機能残基の検索」 2000年12月 第23会日本分子生物学会年会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでこの遺伝子の内部欠失クローンを作成し、部位特異的ノックアウト法によって、plb1遺伝子を欠失させたノックアウト酵母を作成した。Saccharomyces cerevisiaeホスホリパーゼBの遺伝子を酵母高発現ベクターに組み込み、plb1ノックアウト酵母に導入した。発現酵母のホスホリパーゼB活性は、もとの野生型酵母のおよそ5倍に上昇し、高発現に成功した。小幡由紀,今川正良,塚本喜久雄
「溶血反応におけるBacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの赤血球膜結合の分子機構」 2001年 4月 第74会日本細菌学会総会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼのCa2+依存的赤血球膜結合について、保存性残基Asp100の部位特異的変異酵素を作出して溶血反応および酵素学的性情の変化を解析した。Asp100の変異は酵素触媒には大きな影響を与えないが、溶血活性には影響を及ぼした。また変異によってCa2+依存的赤血球膜結合能が消失した。これによってAsp100はCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。小浜孝士,管雪恵,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与するアミノ酸残基の同定」 2001年 5月 第43日本脂質生化学研究会・研究集会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼは、赤血球溶血反応において赤血球膜との結合にCa2+が必須である。スフィンゴミエリナーゼのCa2+依存的赤血球膜結合について、保存性残基Asp100の部位特異的変異酵素の溶血反応および酵素学的性情の変化を解析した。Asp100の変異は酵素触媒には大きな影響を与えないが、溶血活性には影響を及ぼした。また変異によってCa2+依存的赤血球膜結合能が消失した。さらに表面プラズモン共鳴解析によって、人工膜に対する結合能がAsp100変異で抄出することを見出した。これらからAsp100はCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。小浜孝士,管雪恵,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Identification of the membrane binding domain of Bacillus cereus sphingomyelinase」 2001年 8月 US-Japan Conference on Drug Development and Rational Drug Theraphy セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼのCa2+依存的赤血球膜結合について、保存性残基Asp100の部位特異的変異酵素の溶血反応および酵素学的性情の変化を解析した。Asp100の変異は酵素触媒には大きな影響を与えないが、溶血活性には影響を及ぼした。また変異によってCa2+依存的赤血球膜結合能が消失した。さらに表面プラズモン共鳴解析によって、人工膜に対する結合能がAsp100変異で抄出することを見出した。これらからAsp100はCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。T.Obama, Y.Kan, S.Nakata, H.Ikezawa, M.Imagawa and K.Tsukamoto
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの保存性Glu53の触媒における役割」 2001年10月 第74会日本生化学会大会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Glu53が、酵素触媒に必須なMg2+のリガンド残基として働くこと予想をし、部位特異的変異酵素を作出して酵素学的性情の変化を解析した。これによってGlu53はMg2+の高親和性結合部位を形成する酵素触媒に必須な残基であることを証明した。またMg2+の結合には、Glu53と基質分子リン酸基が重要であり、酵素基質反応中間体の安定化に関わることを示した。管雪恵,小浜孝士,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Saccharomyces cerevisiaeホスホリパーゼBの触媒機能残基」 2001年10月 第74会日本生化学会大会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでplb1ノックアウト酵母を作出し、ホスホリパーゼB遺伝子を発現ベクターに組み込んだクローンを導入し、ホスホリパーゼBの発現系を確立した。ホスホリパーゼB遺伝子の部位特異的変異によって、Ser147に変異を導入した。この変異によって触媒活性が消失し、Ser147が触媒残基として機能することを示唆した。小幡由紀,庄司淳一,今川正良,塚本喜久雄
「溶血反応におけるBacillus cereusスフィンゴミエリナーゼ疎水性残基の機能解析」 2001年10月 第74会日本生化学会大会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの赤血球膜結合について、保存性残基Asp100がCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。スフィンゴミエリナーゼの3次元分子モデルにおいてAsp100近傍に局在すると予想されるいくつかの疎水性アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。これらの中には、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下する変異があった。これらは、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。中田史朗,小浜孝士,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合ドメインの機能解析」 2001年12月 第24回日本分子生物学会年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼのCa2+依存的赤血球膜結合について、保存性残基Asp100がCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。また表面プラズモン共鳴解析によって、人工膜に対する結合能がAsp100変異で抄出することを見出した。スフィンゴミエリナーゼの3次元分子モデルにおいてAsp100近傍に局在すると予想されるいくつかの疎水性アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。これらの中には、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下する変異があった。これらは、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。小浜孝士,管雪恵,中田史朗,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合ドメインの解析」 2002年 3月 日本薬学会第122年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの赤血球膜結合について、保存性残基Asp100がCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。スフィンゴミエリナーゼの3次元分子モデルにおいてAsp100近傍に局在すると予想されるいくつかの疎水性アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。これらの中には、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下する変異があった。このうちTrp28, Pro98, His228はその傾向が顕著であった。これらは、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。小浜孝士,管雪恵,中田史朗,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「GPIアンカー型YFPを用いたGPI修飾シグナルの機能研究」 2002年 3月 日本薬学会第122年会 ウシのGPIアンカータンパク質5’-ヌクレオチダーゼを用い、GPI修飾シグナル親水性領域の系統的変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾の効率を、5’-ヌクレオチダーゼの代わりに蛍光タンパク質YFPで置き換えた遺伝子クローンを用い、YFPの細胞表層発現量で評価した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域の適切な長さに加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。岩花未央子,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Saccharomyces cerevisiaeホスホリパーゼBの分子構造と触媒機能」 2002年 4月 第75回日本細菌学会総会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでplb1ノックアウト酵母を作出し、ホスホリパーゼB遺伝子を発現ベクターに組み込んだクローンを導入し、ホスホリパーゼBの発現系を確立した。ホスホリパーゼB遺伝子の部位特異的変異によって、Ser147およびAsp403に変異を導入した。この変異によって触媒活性が消失し、Ser147およびAsp403が触媒残基として機能することを示唆した。小幡由紀,今川正良,塚本喜久雄
「溶血毒素スフィンゴミエリナーゼの生体膜結合の分子機構」 2002年 7月 第24回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼのCa2+依存的赤血球膜結合について、保存性残基Asp100がCa2+依存的な生体膜との結合に必要なアミノ酸残基であることを明らかにした。また表面プラズモン共鳴解析によって、人工膜に対する結合能がAsp100変異で抄出することを見出した。スフィンゴミエリナーゼの3次元分子モデルにおいてAsp100近傍に局在すると予想される疎水性アミノ酸残基Trp28, Pro98, His228に部位特異的変異導入を行った。これらのうちに変異では、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下した。これら疎水性アミノ酸残基は、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。小浜孝士,森川浩治,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「GPIアンカー型YFPの細胞表層発現とGPI修飾シグナルの機能」 2002年10月 第75会日本生化学会大会 ウシのGPIアンカータンパク質5’-ヌクレオチダーゼを用い、GPI修飾シグナル親水性領域の系統的変異クローンおよび修飾残基の変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾の効率を、5’-ヌクレオチダーゼの代わりに蛍光タンパク質YFPで置き換えた遺伝子クローンを用い、YFPの細胞表層発現量で評価した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域の適切な長さに加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。岩花未央子,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの触媒残基His151の機能解析」 2003年 3月 日本薬学会第123年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、活性中心ポケットに集結すると予想される保存性残基His151、His296およびAsp195について、これら残基が、酵素触媒に必須な酸‐塩基触媒として機能することを、部位特異的変異酵素を用いた酵素学的解析によって明らかにし、スフィンゴミエリナーゼの反応機構モデルを提唱した。小浜孝士,藤井忍,池田潔,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「真菌ホスホリパーゼBの活性中心残基の研究」 2003年 3月 日本薬学会第123年会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでplb1ノックアウト酵母を作出し、ホスホリパーゼB遺伝子を発現ベクターに組み込んだクローンを導入し、ホスホリパーゼBの発現系を確立した。ホスホリパーゼB遺伝子の部位特異的変異によって、Arg109に変異を導入した。この変異によって触媒活性が部分的に低下した。またHisおよびArg変異では、低下の程度が顕著ではなかった。これらから、Agr109は、ホスホリパーゼBの触媒反応において、その正電荷が関与することを示唆した。竹内奈由美,小幡由紀,庄司淳一,今川正良,塚本喜久雄
「Molecular mechanism of hemolysis by Bacillus cereus sphingomyelinase」 2003年 7月 14th World Congress of The International Society on Animal Plant and Microbial Toxins Bacillus cereusのスフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造モデルをコンピュータによって推測した。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。変異酵素の酵素触媒活性および溶血活性の低下を指標として解析し、His151およびHis296が触媒反応に必須であることを明らかにした。またスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与するアミノ酸残基Asp100についても同定した。これらの知見から、溶血反応の分子機構を提唱した。K.Tsukamoto, T.Obama, M.Imagawa and H.Ikezawa
「S. cerevisiaeホスホリパーゼB高発現系の確立と活性中心残基の研究」 2003年 7月 第67回日本生化学会中部支部例会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をクローニングした。次いでこの遺伝子をバキュロウイルス発現ベクターに組み込んだクローンを作成し、昆虫培養細胞Sf9で高発現することに成功した。またホスホリパーゼB遺伝子の部位特異的変異によって、Arg109に変異を導入した。この変異によって触媒活性が部分的に低下した。またHisおよびArg変異では、低下の程度が顕著ではなかった。これらから、Agr109は、ホスホリパーゼBの触媒反応において、その正電荷が関与することを示唆した。竹内奈由美,小幡由紀,庄司淳一,今川正良,塚本喜久雄
「High level expression of phospholipase B of Saccharomyces cerevisiae」 2003年10月 第76会日本生化学会大会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をバキュロウイルス発現ベクターに組み込んだクローンを作成し、昆虫培養細胞Sf9で高発現することに成功した。これまで発現に用いていたplb1ノックアウト酵母を宿主とする酵母―発現ベクター系に比べて、およそ25倍の効率でホスホリパーゼBを発現することに成功した。N.Takeuchi, H.Ikezawa, M.Imagawa and K.Tsukamoto
「Hydrolysis of thiophosphate analogues of sphingomyelin by Bacillus cereus sphingomyelinase」 2003年10月 第76会日本生化学会大会 セレウス菌が生産する溶血毒素スフィンゴミエリナーゼは、スフィンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解する。フッ化ベリリウムおよびフッ化アルミニウムは共にリン酸アナログとして作用する阻害剤として知られるが、セレウス菌スフィンゴミエリナーゼはフッ化ベリリウムによって非拮抗的に阻害を受け、フッ化アルミニウムでは阻害されないことを明らかにした。また阻害活性を持つ分子種は2フッ化ベリリウムであることを証明し、この阻害が他のリン酸が関与する酵素阻害様式とは異なる新規の阻害様式であることを示した。F.Shinobu, N.Morita, T.Hakogi, T.Yamamoto, K.Tsukamoto, H.Ikezawa and K.Ikeda
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼによるZn2+依存的溶血反応」 2004年 3月 日本薬学会第124年会 セレウス菌の生産する溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼは、酵素活性発現にMg2+を必須とする。そこで、Mg2+以外の2価カチオンであるZn2+について触媒活性化の有無を検討した。スフィンゴミエリナーゼのZn2+結合状態と酵素活性との関連を解析し、スフィンゴミエリナーゼには2つのZn2+結合部位が存在し、Zn22+の結合数によって、酵素活性が2段階に活性化されることを明らかにした。森川浩治,藤井忍,池田潔,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「GPIアンカー型YFPのラフト発現とGPI修飾シグナルの機能研究」 2004年 3月 日本薬学会第124年会 ウシのGPIアンカータンパク質5’-ヌクレオチダーゼを用い、GPI修飾シグナル親水性領域の系統的変異クローンおよび修飾残基の変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾の効率を、5’-ヌクレオチダーゼの代わりに蛍光タンパク質YFPで置き換えた遺伝子クローンを用い、YFPの細胞表層発現量で評価した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域の適切な長さに加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。 古川亜希子,岩花未央子,池澤宏郎,今川正良,塚本喜久雄
「Conserved residues in the active-site pocket of Bacillus cereus sphingomyelinase assist the catalytic residues in sphingomyelin hydrolysis」 2004年10月 第77会日本生化学会大会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの分子モデルから、保存性残基Trp232が、基質結合部位の語句近傍に位置することが予想された。Trp232の部位特異的変異酵素を作出して酵素学的性情の変化を解析した。変異機酵素の触媒活性は、イオン強度の影響を受けにくくなり、これによってTrp232が基質との相互作用に関わることを示唆した。A.Furukawa, T.Obama, H.Ikezawa, M.Imagawa and K.Tsukamoto
「Hydrolysis of thiophosphate analogues of sphingomyelin by Bacillus cereus sphingomyelinase」 2004年10月 第77会日本生化学会大会 セレウス菌が生産する溶血毒素スフィンゴミエリナーゼは、スフィンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解する。フッ化ベリリウムおよびフッ化アルミニウムは共にリン酸アナログとして作用する阻害剤として知られるが、セレウス菌スフィンゴミエリナーゼはフッ化ベリリウムによって非拮抗的に阻害を受け、フッ化アルミニウムでは阻害されないことを明らかにした。この阻害様式を解析するため、チオリン酸誘導体を合成して用いた。S.Fujii, N.Morita, T.Hakogi, T.Yamamoto, K.Tsukamoto, H.Ikezawa and K.Ikeda
「Hydrophobic residues of Bacillus cereus sphingomyelinase are compornents for the membrane-binding domain of the enzyme」 2004年10月 第77会日本生化学会大会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの赤血球膜結合について、Ca2+が依存的な生体膜との結合に必要保存性残基Asp100の近傍に局在すると予想されるいくつかの疎水性アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。これらの中には、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下する変異があった。このうちTrp28, Pro98, His228はその傾向が顕著であった。これらは、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。K.Morikawa, T.Obama, H.Ikezawa, M.Imagawa and K.Tsukamoto
「Bacillus cereus菌由来スフィンゴミエリナーゼによるリゾホスファチジルコリン加水分解反応における界面認識機構」 2005年 3月 日本薬学会第125年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの溶血反応には赤血球膜結合との結合が必須である。膜結合における水層と生体膜層の界面認識機構について、リゾホスファチジルコリンを基質としたモデル系で解析した。リゾホスファチジルコリンの脂肪側鎖の鎖長を変化させることにより、酵素触媒および基質親和性の変化が生じた。スフィンゴミエリナーゼには、脂肪側鎖との結合に関与するドメインが存在することが示唆された。中野慎一、藤井忍、耳野由賀里、前田恵美子、掘島久仁美、塚本喜久雄、池澤宏郎、池田潔
「Allosteric interaction of monodispersed substrates with Bacillus cereus sphingomielinase」 2006年 8月 20th IUBMB International Congress of Biochemistryand Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress セレウス菌が生産する溶血毒素スフィンゴミエリナーゼは、スフィンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解する。フッ化ベリリウムおよびフッ化アルミニウムは共にリン酸アナログとして作用する阻害剤として知られるが、セレウス菌スフィンゴミエリナーゼはフッ化ベリリウムによって非拮抗的に阻害を受け、フッ化アルミニウムでは阻害されないことを明らかにした。この阻害様式を解析するため、モノジエステル誘導体を合成して用いた。S.Fujii, S.Nakano, Y.Mimino, E.Maeda, K.Horishima, K.Tsukamoto, H.Ikezawa, K.Ikeda
「Molecular structure and the active site function of fungal phospholipase B as a pathogenic factor」 2006年 8月 20th IUBMB International Congress of Biochemistryand Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をバキュロウイルス発現ベクターに組み込んだクローンを作成し、昆虫培養細胞Sf9で高発現することに成功した。これまで発現に用いていたplb1ノックアウト酵母を宿主とする酵母―発現ベクター系に比べて、およそ25倍の効率でホスホリパーゼBを発現することに成功した。ついでArg109, Ser147, Asp403に部位特異的変異を導入し、これら変異が触媒機能の消失または低下を招くことから、触媒に必須なアミノ酸残基であることを明らかにした。K.Tsukamoto, Y.Inoue, Y.Obata
「Identification of the active-site residues of the fungal virulence factor, phospholipase B」 2006年 9月 The IST 15th World Congress on Animal, Plant and Microbial Toxins 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をバキュロウイルス高発現系を確立した。これまで発現に用いていたplb1ノックアウト酵母を宿主とする酵母―発現ベクター系に比べて、およそ25倍の効率でホスホリパーゼBを発現することに成功した。ついでArg109, Ser147, Asp403に部位特異的変異を導入し、これら変異が触媒機能の消失または低下を招くことから、触媒に必須なアミノ酸残基であることを明らかにした。またCandida albicansホスホリパーゼB遺伝子をクローニングし、その全1次構造を明らかにするとともに、Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1の所ル倍アミノ酸残基がCandida albicansにも存在することを明らかにした。K. Tsukamoto, Y. Inoue, A. Tsuruga and Y. Obata
「High level expression of Candida albicans phospholipase B1 in methylotrophic yeast Pichia methanolica」 2007年12月 BMB2007 病原真菌Candida albicansホスホリパーゼB遺伝子をクローニングし、その全1次構造を明らかにした。このホスホリパーゼB1遺伝子をPichia methanolica高発現に組み込み、メタノール誘導下での高発現系を確立した。また真菌ホスホリパーゼBの保存性アミノ酸残基に部位特異的変異を導入し、触媒機能アミノ酸残基の検索を行った。A.Tsuruga, Y.Sato, A.Sumi, T.Arai, Y.Suzuki, Y.Inoue and K.Tsukamoto
「Candida albicans phospholipase B1活性中心アミノ酸残基の同定」 2008年 3月 日本薬学会第128年会 病原真菌Candida albicansホスホリパーゼB遺伝子をクローニングし、その全1次構造を明らかにした。このホスホリパーゼB1遺伝子をPichia methanolica高発現に組み込み、メタノール誘導下での高発現系を確立した。また真菌ホスホリパーゼBの保存性アミノ酸残基に部位特異的変異を導入し、触媒機能アミノ酸残基の検索を行った。釣賀綾子、佐藤友亮、墨亜希子、井上能博、塚本喜久雄
「真菌ホスホリパーゼBの効率的発現精製と活性中心アミノ酸残基の機能解析」 2009年 3月 日本薬学会第129年会 酵母Saccharomyces cerevisiaeのホスホリパーゼB1遺伝子をバキュロウイルス高発現系を確立した。こ個の系を利用して、ホスホリパーゼBの保存性アミノ酸残基Arg109, Ser147, Asp403に部位特異的変異を導入し、これら変異が触媒機能の消失または低下を招くことから、触媒に必須なアミノ酸残基であることを明らかにした。金子瑞穂、井上能博、釣賀綾子、塚本喜久雄
「Bacillus cereus 由来スフィンゴミエリナーゼの界面認識機構に関わるアミノ酸残基」 2010年 3月 日本薬学会第130年会 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの溶血反応には赤血球膜結合との結合が必須である。膜結合における水層と生体膜層の界面認識機構について、リゾホスファチジルコリンを基質としたモデル系で解析した。リゾホスファチジルコリンの脂肪側鎖の鎖長を変化させることにより、酵素触媒および基質親和性の変化が生じた。スフィンゴミエリナーゼには、脂肪側鎖との結合に関与するドメインが存在することが示唆され、界面認識には基質側の要因も関わることが示された。森本有紀子、土橋裕子、井上晴嗣、塚本喜久雄、池澤宏郎、池田潔、藤井忍
「Candida albicans phospholipase B1 活性中心アミノ酸残基の機能解析」 2010年 3月 日本薬学会第130年会 病原真菌Candida albicansホスホリパーゼB遺伝子をクローニングし、その全1次構造を明らかにした。このホスホリパーゼB1遺伝子をPichia methanolica高発現に組み込み、メタノール誘導下での高発現系を確立した。また真菌ホスホリパーゼBの保存性アミノ酸残基に部位特異的変異を導入し、触媒機能アミノ酸残基の検索を行った。Ser135, Asp382の変異では、触媒活性が完全に消失し、これらが触媒に必須なアミノ酸残基であることが明らかになった。またArg98の変異では部分的に活性が低下し、このアミノ酸残基も触媒に重要なはたらきをすることが示唆された。釣賀綾子、渡邊樹里、和田泰樹、塚本喜久雄
ハプテン抗原特異的高性能モノクローナル抗体作製技術の開発 2010年12月 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会 牛血清アルブミン、マウス血清アルブミンまたは卵白アルブミンをキャリアーとして用い、化学修飾試薬MBSまたはSPDPによって、ハプテンである15アミノ酸残基のペプチドを結合した。これらをマウスに免疫後、脾臓細胞を摘出してペプチド-ストレプトアビジンコンジュゲートを用いて目的の抗体産生B細胞を選択し、ビオチン/アビジン親和性を用いてミエローマ細胞と架橋した。電気パルスでこの両者を細胞融合し、ハイブリドーマを作製した。HAT選択およびELISAスクリーニングによって、卵白アルブミンにSPDPで結合したペプチドによる免疫脾臓細胞から、ELISA陽性のハイブリドーマクローンが得られた。早川智也、小畑晴香、湊元幹太、釣賀綾子、塚本喜久雄、冨田昌弘
新規骨芽細胞様細胞TBI4-2での石灰化におけるアルカリ性ホスファターゼの役割について 2011年 3月 日本薬学会第131年会 骨芽細胞分化のモデル実験として骨髄間葉系細胞TBI4-2を用い、骨芽細胞の石灰化に関するアルカリ性ホスファターゼの役割を解析した。TBI4-2細胞は、骨芽細胞への分化初期6日目までは細胞表層のアルカリ性ホスファターゼ活性の有意な上昇が見られなかったが、石灰化に伴い18日目以降のアルカリ性ホスファターゼが優位に上昇した。またアルカリ性ホスファターゼ阻害薬レバミゾールの添加によって石灰化が強力に抑制されることから、骨芽細胞の石灰化にアルカリ性ホスファターゼが関与することが明らかになった。本田陽子、山内智紗子、波多野智子、塚本喜久雄、池澤宏郎、矢内信昭、中林利克
カルシウム感受性受容体の発現増加と肺高血圧症 2013年 3月 第133回日本薬学会年会 肺高血圧症における肺動脈平滑筋の細胞内Ca2+シグナルの異常に着目し、Ca2+感受性受容体の発現とCa2+感受性受容体拮抗薬の効果を解析した。正常人由来の肺動脈平滑筋培養細胞と比較して、特発性肺動脈性高血圧症患者に由来する肺動脈平滑筋培養細胞ではCa2+感受性受容体の発現量やmRNA量が増加しており、細胞外Ca2+濃度の上昇によって細胞内Ca2+濃度も顕著に増加した。またCa2+感受性受容体拮抗薬であるNPS2143は、この細胞内Ca2+濃度の上昇を抑制した。さらにモノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットに対するNPS2143の複腔内投与は、肺高血圧症の進行や右心肥大を改善した。Ca2+感受性受容体の発現増加が、肺高血圧症における細胞内Ca2+シグナルの増強に関与していることが明らかになった。山村 彩, 山村 寿男, GUO Qiang, ZIMNICKA Adriana M., 小崎 康子, 塚本 喜久雄, YUAN Jason X.-J.
肺高血圧症におけるCa2+感受性受容体の機能亢進 2013年 3月 第86回日本薬理学会年会 肺高血圧症は、持続的肺動脈圧上昇による致死性疾患であり、肺動脈平滑筋のCa2+感受性受容体の関与が推測される。特発性肺動脈性高血圧症患者に由来する肺動脈平滑筋培養細胞では、Ca2+感受性受容体の発現量が増加しており、細胞外Ca2+濃度の上昇によって細胞内Ca2+濃度も顕著に増加した。またCa2+感受性受容体siRNAの細胞内導入によって、細胞内Ca2+濃度の上昇が抑制された。この上昇はCa2+感受性受容体作動薬R568によって促進され、拮抗薬NPS2143によって抑制された。さらにモノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットの肺動脈平滑筋でも、Ca2+感受性受容体の発現上昇と機能亢進が見られた。肺高血圧症におけるCa2+感受性受容体の発現上昇が病態の進展に関与していることが明らかになった。山村彩、山村寿男、Qiang Guo、Adriana M. Zimnicka、小崎康子、塚本喜久雄、Jason X.-J. Yuan
肺高血圧症におけるCa2+感受性受容体の発現増加 2013年 3月 第90回日本生理学会大会 肺高血圧症における肺動脈平滑筋収縮による血圧上昇と肺動脈リモデリングに関わる、肺動脈平滑筋のCa2+感受性受容体の発現と機能を解析した。特発性肺動脈性高血圧症患者に由来する肺動脈平滑筋培養細胞では、Ca2+感受性受容体の発現量が増加しており、細胞外Ca2+濃度の上昇によって細胞内Ca2+濃度も顕著に増加した。またCa2+感受性受容体siRNAの細胞内導入によって、細胞内Ca2+濃度の上昇が抑制された。さらにCa2+感受性受容体拮抗薬NPS2143投与によって、モノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットの肺高血圧症の進行や右心肥大が改善された。Ca2+感受性受容体の発現増加が、肺高血圧症における細胞内Ca2+シグナルの増強に関与していることが明らかになった。山村彩、山村寿男、Qiang Guo、Adriana M. Zimnicka、小崎康子、塚本喜久雄、Jason X.-J. Yuan
モノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットにおけるカルシウム感受性受容体拮抗薬の効果 2013年 7月 123回日本薬理学会近畿部会 肺高血圧症の病因の in vivo における解析を目的として、モノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットを用いて、肺高血圧症の発症に関わると推定される Ca2+ 感受性受容体(CaSR)の発現量を検討した。モノクロタリンの皮下投与によって肺高血圧症が誘発されると、発症ラットから分離した肺動脈平滑筋細胞の CaSR 発現量は顕著に増加し、平滑筋細胞内の Ca2+ 濃度も上昇した。一方でこのラットに CaSR の拮抗薬である NPS2143 を腹腔内投与すると、平滑筋細胞内の Ca2+ 濃度上昇は抑制され、同時に肺動脈内の狭窄が改善した。CaSR の拮抗薬の肺高血圧症治療薬としての可能性が示唆される。山村彩、山村寿男、Qiang Guo、塚本喜久雄、大原直樹、Jason X.-J. Yuan
モノクロタリン誘発性肺高血圧ラットにおける性ホルモンの影響 2013年 8月 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム 肺高血圧症の病態と性差に関する解析を目的として、モノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットを用いて各種臓器の病変とその推移について病理解剖学的解析を行った。モノクロタリンの皮下投与によって、21日目から体重が減少しはじめ、28日目にはコントロール群のおよそ60%に減少した。さらに疾患誘発ラットでは、心臓、肺、肺動脈の臓器重量が増加し、心肥大、右心室壁の肥厚、肺動脈の肥厚が観察された。またこうした病態変化のうち、体重減少に性差は見られなかったが、臓器重量の増加は雌ラットが顕著であり、雄ラットよりも早く死亡する傾向にあった。これらのことから、肺高血圧症の病態には、性ホルモンの影響が示唆される。小林沙紀、塚本喜久雄、大原直樹、山村彩
肺高血圧症におけるCa2+感受性受容体とTRPC6チャネルの機能的共役 2014年 3月 第87回日本薬理学会年会 我々はこれまでに、肺高血圧症における肺動脈平滑筋細胞(PASMC)の増殖がもたらす気管支リモデリングが、PASMCのCa2+感受性受容体(CaSR)の過剰発現によることを明らかにしている。本研究では、このCaSRの過剰発現による細胞内Ca2+濃度の上昇が、TRPC6チャネルを介したCa2+の細胞内流入によるのではないかとの仮説を立て研究を行った。PASMCでは、TRPC6の過剰発現が観察された。La3+イオンでTRPC6チャネルを阻害すると、PASMCにおけるCa2+の細胞内流入は抑制された。またTRPC6チャネル遺伝子の発現をsiRNAを用いてノックダウンすると、PASMCにおける細胞内Ca2+流入は同様に抑制された。これらのことから、CaSRとTRPC6チャネルは、機能的共役によって肺高血圧症の発症に関与することが強く示唆された。山村彩、大原直樹、塚本喜久雄、Jason X.-J. Yuan
肺高血圧症におけるCa2+感受性受容体とTRPC6チャネルの機能的連関 2014年 3月 日本薬学会第134年会 我々はこれまでに、肺高血圧症における肺動脈平滑筋細胞(PASMC)の増殖がもたらす気管支リモデリングが、PASMCのCa2+感受性受容体(CaSR)の過剰発現によることを明らかにしている。そこで肺高血圧症では、CaSRの過剰発現による細胞外Ca2+誘発性細胞内Ca2+濃度の上昇が、TRPC6チャネルを介したCa2+の細胞内流入によるとの仮説を立てた。La3+イオンでTRPC6チャネルを阻害すると、肺高血圧症患者のPASMCにおけるCa2+の細胞内流入は抑制された。またTRPC6チャネル遺伝子の発現をsiRNAを用いてノックダウンすると、PASMCにおける細胞内Ca2+流入は同様に抑制された。さらに正常PASMCでCaSRとTRPC6チャネルを共発現させると、細胞外Ca2+誘発性のCa2+細胞内流入が観察された。これらの結果から、CaSRとTRPC6チャネルが機能的に連関することで、肺高血圧症の発症に寄与機構が示唆された。山村彩、平工明里、堀井千裕、塚本喜久雄、小崎康子、大原直樹、Jason X.-J. Yuan
Ca2+感受性受容体に対するジヒドロピリジン系Ca2+チャネルブロッカーの効果 2014年 7月 第60回日本薬学会東海支部総会・大会 肺高血圧症患者の多くはジヒドロピリジン系Ca2+ブロッカーに抵抗性を示し、薬物投与によって病態が増悪することがある。肺高血圧症における肺動脈平滑筋細胞(PASMC)の増殖がもたらす気管支リモデリングが、PASMCのCa2+感受性受容体(CaSR)の過剰発現によることを我々は明らかにしている。このCaSRの過剰発現による細胞外Ca2+誘発性細胞内Ca2+濃度の上昇が、未知のCa2+チャネルを介すると仮定し、ジヒドロピロリジン系Ca2+チャネルブロッカーの効果を検討した。モノクロタリン誘発肺高血圧症ラットのPASMCを用い、ニフェジピンをはじめとするジヒドロピロリジン系Ca2+チャネルブロッカーを作用させると細胞外Ca2+誘発性のCa2+細胞内流入は上昇した。また正常ラットのPASMCにCaSRを過剰発現させると、同様の現象が観察された。一方でこの上昇は、siRNAを用いたCaSR遺伝子発現のノックダウンで減少した。これらのことから、ジヒドロピリジン系Ca2+ブロッカーが、CaSRの高発現を伴う肺高血圧症には有効でないことが明らかとなった。山村彩、堀井千裕、平工明里、塚本喜久雄、小崎康子、大原直樹、山村寿男、Jason X.-J. Yuan
肺高血圧症で機能亢進するCa2+感受性受容体はジヒドロピリジン系Ca2+チャネルブロッカーによって活性化する 2014年 8月 第56回日本平滑筋学会総会 肺高血圧症における肺動脈平滑筋細胞(PASMC)の増殖がもたらす気管支リモデリングが、PASMCのCa2+感受性受容体(CaSR)の過剰発現によることを我々は明らかにしている。肺高血圧症患者の多くはジヒドロピリジン系Ca2+ブロッカーに抵抗性を示し、薬物投与によって病態が増悪することがある。このCaSRの過剰発現による細胞外Ca2+誘発性細胞内Ca2+濃度の上昇が、未知のCa2+チャネルを介すると仮定し、ジヒドロピロリジン系Ca2+チャネルブロッカーの効果を検討した。モノクロタリン誘発肺高血圧症ラットのPASMCを用い、ニフェジピンやニカルジピンなどのジヒドロピロリジン系Ca2+チャネルブロッカーは、細胞外Ca2+誘発性のCa2+細胞内流入は上昇した。また正常ラットのPASMCにCaSRを過剰発現させると、同様の現象が観察された。一方でこの上昇は、siRNAを用いたCaSR遺伝子発現のノックダウンで減少した。これらのことから、ジヒドロピリジン系Ca2+ブロッカーが、肺高血圧症で発現の亢進しているCaSRを活性化することで病態を増悪させることが明らかとなった。山村彩、平工明里、堀井千裕、塚本喜久雄、小崎康子、大原直樹、山村寿男、Jason X.-J. Yuan
肺高血圧症モデルラットの病態における週齢差の影響 2014年 8月 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2014 肺高血圧症は厚生労働省の特定疾患治療研究事業対象疾患であり、5年生存率が約50%の難病である。30歳代の女性多い疾患であることから、モノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットを用いて、性差、週齢差などについての検討を行った。オスおよびメスの4週齢と20週齢のラットをそれぞれ用い、モノクタリン投与群と非投与群で、投与21日後の各種臓器の重量の変化や肺高血圧症の組織所見を観察した。4週齢ラットでは、モノクタリン投与群における各種臓器の重量が非投与群と比較して顕著に増加し、心肥大や肺動脈血管の肥厚など肺高血圧症に特有の病理所見が観察された。また投与群では投与21日目からラットが死亡しはじめ投与35日ですべてのラットが死亡した。一方で20週齢ラットでもモノクタリン投与群の各種臓器重量の増加が観察されたが、35日目までに死亡するラットはなかった。肺高血圧症に見られる若年者での罹患率の高さが、肺高血圧症ラットを用いた実験で一部再現できたと考えられる。森志穂、堀井千裕、平工明里、塚本喜久雄、大原直樹、山村彩
ニフェジピンは肺高血圧症で発現増加するCa2+感受性受容体を活性化する 2015年 3月 第88回日本薬理学会年会 我々はすでに、特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)患者では、肺動脈平滑筋(PSMCs)の細胞内Ca2+濃度上昇による細胞増殖亢進が起こっており、これがCa2+感受性受容体(CaSR)の過剰発現によることを明らかにしている。ジ高血圧治療薬として用いられているヒドロピリジン系Ca2+チャネル拮抗薬であるニフェジピンをIPAH患者に投与すると、症状が悪化することが知られている。本研究ではIPAH患者から分離したPASMCsを用い、そのj増殖に対するニフェジピンの効果を解析した。ニフェジピンはIPAH患者由来のPASMCsにおけるCaSRの発現を亢進し、その為に細胞内Ca2+濃度が増殖してPASMCsの増殖亢進をもたらすことを明らかにした。山村彩、大原直樹、塚本喜久雄、山村寿男、Jason X.-J. Yuan
肺動脈性高血圧症におけるニフェジピンの増悪効果 2015年 3月 日本薬学会第135年会 我々はこれまでの研究で、肺動脈性高血圧症の病態が、肺動脈平滑筋細胞膜表層におけるカルシウム感受性受容体(CaSR)の発現増加と密接に関係することを明らかにしてきた。高血圧症治療薬のうちジヒドロピリジン系薬は、肺動脈性高血圧症に効果を示さない。この要因を明らかにするため、モノクタリン誘発性肺高血圧症ラットをモデル動物として用い、代表的ジヒドロピリジン系薬であるニフェジピンの、肺高血圧症病の指標である右心室圧(RVP)および右心収縮期圧(RVSP)に及ぼす効果を調べた。モデル動物へのニフェジピン投与では、RVPおよびRVSPの改善は見られなかった。これはニフェジピンによる肺動脈平滑筋細胞内のカルシウム濃度の上昇がおこるためであり、この濃度上昇はCaSRのはたらきを介することがCaSR阻害薬およびsiRNAノックダウンの実験によって明らかとなり、ニフェジピンが肺動脈性高血圧症に対して増悪効果を示すことが示された。山村彩、森志穂、堀井千裕、平工明里、大原直樹、塚本喜久雄、Jason.X.-J.Yuan
低酸素誘発性肺高血圧症モデル動物におけるカルシウム感受性受容体拮抗薬の効果 2015年 8月 第57回日本平滑筋学会総会 我々は特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)患者における病因が、患者由来肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)の増殖亢進により、これがPASMCsのCa2+感受性受容体(CaSR)の発現亢進による細胞内Ca2+の増加に起因することを明らかにしている。そこでIPAHと類似した疾患である低酸素誘発性肺高血圧症(HPH)について、その病因を明らかにするために以下の研究を行った。雄性C57BL/6マウスを4週間低酸素状態(10% O2)で飼育して誘発したHPHマウスを用い、そのPASMCsを調べると、CaSRの発現が亢進していた。またHPHマウスで亢進している右心室圧は、CaSR拮抗薬であるNP2143の投与で低下し、肺動脈内腔の狭窄も改善した。これはHPH-PASMCsにおけるCaSRの発現抑制を伴っていた。これらから、HPHでもPASMCsのCaSR発現亢進がその病因として関与し、その拮抗薬が治療に有効であることが示された。山村彩、鈴村紗世、大原直樹、塚本喜久雄
肺高血圧症モデルラットで発現増加するカルシウム感受性受容体の性差による影響 2015年 8月 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2015 我々は特発性肺高血圧症(IPAH)において、肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)のCa2+感受性受容体(CaSR)の発現亢進がPASMCs増殖亢進の要因になっていることを明らかにしている。この疾患は女性に多くみられることから、性差が病因に関与することが予想される。そこでモノクロタリンで誘発したIPAHラットを用い、そのPASMCsにおけるCaSR発現量について解析した。健常ラットのPASMCsではCaSRの発現量が低レベルであったが、IPAHラットでは顕著に更新していた。またこの発現量はオスのラットよりメスのラットでより高い発現レベルを示し、性差による影響があることが示唆され、これが疾患感受性の性差に関与することが考えられる。鈴村紗世、堀井千裕、平工明里、塚本喜久雄、大原直樹、山村彩
Ca2+感受性受容体阻害薬による肺高血圧症由来肺動脈平滑筋細胞の増殖抑制 2016年 3月 第89回日本薬理学会年会 特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)ではカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって生じる平滑筋細胞の過剰増殖が病因の一つとなることを明らかにしている。そこで CaSR の拮抗薬が IPAH 患者由来の PASMCs 増殖を抑制するかについて検討した。CaSR 拮抗薬である NPS2143 および Calhex231 は、ともに健常者や慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者由来の PASMCs の増殖に影響を与えなかったが、IPAH 患者由来の PASMCs の増殖をともにマイクロモルオーダーで濃度依存的に阻害した。新規治療薬としての CaSR 拮抗薬の IPAH 患者への適応が期待される。山村彩、八木聡美、鈴村紗世、大原直樹、塚本喜久雄
肺高血圧症由来肺動脈平滑筋細胞におけるカルシウム感受性受容体拮抗薬の抗増殖作用 2016年 3月 日本薬学会第136年会 我々は、特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)ではカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって平滑筋細胞の増殖が起こることを明らかにしている。そこで CaSR の拮抗薬が IPSH 患者由来の PASMCs 増殖を抑制するかについて検討した。CaSR 拮抗薬である NPS2143 および Calhex231 は、健常者や慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者由来の PATSCs の増殖に影響を与えなかったが、IPAH 患者由来の PASMCs の増殖を濃度依存的に阻害した(それぞれ IC50 が 2.64microM、1.89microM)。一方で CaSR 活性化薬である R568 はIPAH 患者由来の PASMCs の増殖を促進した(EC50=0.33microM)。CaSR 拮抗薬は、IPAH の新規治療薬として期待される。山村彩、八木聡美、鈴村紗世、大原直樹、塚本喜久雄
細胞増殖を指標とした肺高血圧症治療薬評価系の開発 2016年 8月 次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2016 我々は、特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)ではカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって平滑筋細胞の増殖が起こることを明らかにしている。そこで CaSR の拮抗薬が IPAH 患者由来の PASMCs 増殖を抑制するかについて検討した。CaSR 拮抗薬である NPS2143 および Calhex231 は、健常者や慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者由来の PASMCs の増殖に影響を与えなかったが、IPAH 患者由来の PASMCs の増殖を濃度依存的に阻害した。またホスホジエステラーゼ5の阻害薬であるシルデナフィルもIPAH 患者由来の PASMCs の増殖を抑制し、この抑制効果は NPS2143 を併用することで相乗効果を示した。CaSR 拮抗薬は、IPAH の新規治療薬として期待される。藤冨恵吏、塚本喜久雄、大原直樹、山村彩
CaSR阻害薬とPDE5阻害薬の併用は肺高血圧症モデル細胞の異常増殖を相加相乗的に抑制する 2017年 3月 日本薬学会第137年会 特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者では、カルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)の過剰な増殖が起こるために肺動脈のリモデリングが起こることを我々は明らかにし、CaSR の拮抗薬が IPSH 患者由来の PASMCs 増殖を抑制することを示している。我々はまた、IPATH 患者由来の PASMCs の過剰増殖は、ホスホジエステラーゼ5の阻害薬であるシルデナフィルによっても抑制されることを示しているが、この増殖抑制効果に対して CaSR 拮抗薬である NPS2143 や Calhex231 が及ぼす影響を検討した。これら CaSR 拮抗薬は、シルデナフィルによる PASMCs 増殖抑制効果に対して相加的・相乗的に作用して PASMCs の増殖を抑制した。このことから、IPAH に対する新規の薬物治療法として、ホスホジエステラーゼ5の阻害薬と CaSR 拮抗薬の併用が有用であることを示した。山村彩、藤冨恵吏、八木聡美、大原直樹、塚本喜久雄
肺高血圧症由来細胞の異常増殖に対するCaSR阻害薬とPDE5阻害薬の併用効果 2017年 3月 第90回日本薬理学会年会 我々は、特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)ではカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって平滑筋細胞の増殖が起こることを明らかにし、CaSR の拮抗薬が IPAH 患者由来の PASMCs 増殖を抑制することを明らかにしている。ホスホジエステラーゼ5の阻害薬であるシルデナフィルもIPAH 患者由来の PASMCs の増殖を抑制するが、この増殖抑制効果に対して CaSR 拮抗薬である NPS2143 や Calhex231 が及ぼす影響を検討した。これら CaSR 拮抗薬は、シルデナフィルによる PASMCs 増殖抑制効果に対して相加的・相乗的に作用して PASMCs の増殖を抑制した。このことはホスホジエステラーゼ5の阻害薬と CaSR 拮抗薬を併用することで、PASMCs に対する増殖抑制効果が増幅され、IPAH に対する新規の薬物治療の可能性を示した。山村彩、藤冨恵吏、八木聡美、大原直樹、塚本喜久雄
肺高血圧症由来細胞の異常増殖に対するCaSR阻害薬とPDE5阻害薬の相加・相乗的抑制効果 2017年 3月 第94回日本生理学会大会 特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者では、動脈平滑筋細胞(PASMCs)の過剰な増殖による肺動脈のリモデリングが、PASMCs におけるカルシウム感受性受容体(CaSR)の過剰発現によって起こることを我々は明らかにしている。また我々はIPAH 患者由来の PASMCs の過剰増殖は、ホスホジエステラーゼ5の阻害薬であるシルデナフィルによって抑制され、CaSR の拮抗薬もまたこの増殖を抑制することを明らかにしている。そこでシルデナフィルによる IPAH 患者由来の PASMCs の増殖抑制効果に対site, CaSR 拮抗薬である NPS2143 や Calhex231 が及ぼす影響を検討した。これら CaSR 拮抗薬は、シルデナフィルによる PASMCs 増殖抑制効果に対して相加的・相乗的に作用して PASMCs の増殖を抑制した。このことから、IPAH に対する新規の薬物治療法として、ホスホジエステラーゼ5の阻害薬と CaSR 拮抗薬の併用が有用であることを示した。山村彩、藤冨恵吏、八木聡美、大原直樹、塚本喜久雄
金城学院大学薬学部における反転授業「構造式演習」の取り組み 2018年 3月 日本薬学会第138年会 金城学院大学薬学部における学生の基礎力強化の一環として「構造式演習」を実施し、その教育効果を成果としてまとめた。1年次から3年間継続して演習を実施することによって、学年進行に従って成績が向上し、学習への取り組む姿勢と教育効果との相関が明瞭となり、学生のモチベーションアップに寄与することも明らかとなった。青柳 裕、今井幹典、佐伯憲一、篠原康郎、永津明人、林 一彦、渡邉真一、林 高弘、福石信之、矢野玲子、千葉 拓、安田公夫、塚本喜久雄、津嶋宏美、日野知証
EFFECTS OF MAIN CHAIN CONFORMATIONS ON SUCCINIMIDE FORMAION FROM ASPARAGINE RESIDUES 2019年 9月 The 4th Internatiomnal Conference of D-Amino Acid Research タンパク質の翻訳後における、アスパラギン残基からアスパラギン酸残基への非酵素的転換反応について、γ-クリスタリン分子における転換反応が起こる部位のペプチドをモデル分子として、分子動力学計算および量子化学計算を行って、反応機構とペプチド構造との関連について解析した。この反応は中間体としてヒドロキシルアミン構造を経由し、非酵素的に反応が進行する可能性がある活性化エネルギーが極小のペプチド構造を明らかにした。Koichi KATO, Kaho MIURA, Tomoki NAKAYOSHI, Kikuo TSUKAMOTO, Eiji KURIMOTO, Akifumi ODA
アスパラギン残基の脱アミド化反応機構とその主鎖構造が反応に及ぼす影響の計算化学的手法による解析 2020年 3月 日本薬学会第140年会 タンパク質の翻訳後における、アスパラギン残基の非酵素的脱アミド化反応について、γ-クリスタリン分子における反応部位のペプチドをモデル分子として、分子動力学計算および量子化学計算を行って、反応機構とペプチド構造との関連について解析した。この反応は中間体として5員環スクシンイミド構造を経由し、この環化反応が律速段階であり、また主鎖のコンフォメーションが重要であることを明らかにした。三浦可帆、加藤紘一、仲吉朝希、栗本英治、小田彰史、塚本喜久雄
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研究報告書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
「ペニシリナーゼの基質特異性決定要因の研究」 共著 1993年 2月 平成4年度文部省科学研究費補助金(奨励研究A)研究成果報告書 細菌の薬剤耐性遺伝子産物であるペニシリナーゼについて、黄色ブドウ球菌型、TEM型、カルベニシリン分解型等の各種ペニシリナーゼの酵素タンパク質を生成し、種々のβ‐ラクタム系薬に対する分解活性、基質特異性、基質親和性を解析し、系統的分類を行うとともに、これら耐性遺伝子を持つ耐性菌に対して有効なβラクタム系薬の選択に、理論的裏付けを行った。 澤井哲夫、塚本喜久雄
「病原細菌の生産する抗生物質加水分解酵素の構造活性相関に関する蛋白工学的研究」 単著 1993年10月 上原記念生命研究財団研究報告集,7,340-342 日和見感染菌としてのグラム陰性腸内細菌群に属するシトロバクター菌のセファロスポリン耐性遺伝子産物セファロスポリナーゼについて、コンピュータによる3次元分子モデルの構築、遺伝子クローニングと部位特異的変異による分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索と同定を行い、このセファロスポリナーゼがセリン酵素スーパーファミリーに属すること、活性中心アミノ酸残基のSer64, Lys67, Asp217が触媒反応に必須であること、および基質結合および反応中間体の安定化にLys315, Thr316, Gly317の3残基が必要であることを示唆した。 塚本喜久雄
「セファロスポリン分解型β‐ラクタマゼ活性中心機能の研究」 単著 1994年 2月 平成5年度(平成4年度〜5年度)文部省科学研究費補助金(一般研究C)研究成果報告書 Citrobacter freundii GN346株のセファロスポリン分解型βラクタマーゼについて、コンピュータによる3次元分子モデルの構築、遺伝子クローニングと部位特異的変異による分子構造および活性中心アミノ酸残基の探索と同定を行い、活性中心アミノ酸残基のSer64, Lys67, Asp217が触媒反応に必須であること、および基質結合および反応中間体の安定化にLys315, Thr316, Gly317の3残基が必要であることを示唆した。
「微生物のホスホリパーゼの一次構造における活性部位の分子生物学的解析」 共著 1996年 2月 平成7年度文部省科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書 Bacillus cereusのスフィンゴミエリナーゼ分子の3次元構造モデルをコンピュータによって推測した。このモデルをもとにして推測した活性中心アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。変異酵素の酵素触媒活性および溶血活性の低下を指標として解析し、His151およびHis296が触媒反応に必須であることを明らかにした。またスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与するアミノ酸残基についてもその候補を同定した。池澤宏郎、塚本喜久雄、小林とも子、田口良
「糖脂質GPIによるタンパク質の修飾機構と生物学的役割に関する研究」 共著 1998年 2月 平成10年度科学技術総合研究委託費報告書(受託研究課題名:生体膜脂質機能の解析・制御技術の開発に関する研究) ウシの5’-ヌクレオチダーゼをGPIアンカータンパク質の典型として用い、5’-ヌクレオチダーゼ前駆体タンパク質のC末端GPI修飾シグナル親水性領域の系統的伸長および短縮変異クローンを部位特異的変異導入によって作成し、GPIアンカー修飾の有無を検討した。GPI修飾には、GPI修飾シグナル親水性領域が4~14残基必要であった。GPI修飾に適切な長さの親水性領域に加えて、親水性領域が10アミノ酸残基ごとに修飾効率が回復し、GPI修飾残基を適切な空間に配置する役割を持つことを示唆した。 池澤宏郎、田口良、塚本喜久雄、小林とも子
「Helicobacter pylori スフィンゴミエリナーゼの単離同定と胃潰瘍形成との関連」 単著 2001年 2月 平成12年度名古屋市立大学特別研究奨励費報告書 Helicobacter pylori臨床分離株は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、胃癌の要因である。南アジアで分離されたHelicobacter pyloriでは、十二指腸潰瘍の重症化とスフィンゴミエリナーゼ産生との相関が示されている。そこで名古屋地区のHelicobacter pylori臨床分離株を収集し、スフィンゴミエリナーゼ産生の有無について検討した。用いた150株のうち、2, 株に弱いスフィンゴミエリナーゼ活性が認められた。塚本喜久雄
「Bacillus cereusスフィンゴミエリナーゼの活性中心と機能に関する研究」 単著 2008年 2月 平成19年度文部科学省学術研究高度化推進経費報告書 セレウス菌の溶血性毒素スフィンゴミエリナーゼの赤血球膜結合について、Ca2+が依存的な生体膜との結合に必要保存性残基Asp100の近傍に局在すると予想されるいくつかの疎水性アミノ酸残基に部位特異的変異導入を行った。これらの中には、触媒活性には影響をほとんど与えず、溶血活性が低下する変異があった。このうちTrp28, Pro98, His228はその傾向が顕著であった。これらは、Asp100とともにスフィンゴミエリナーゼの生体膜結合に関与することが示唆された。 塚本喜久雄
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