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フリガナハヤシ マヒト
ローマ字HAYASHI Mahito
氏名林 真人
学位学士(社会学) 修士(社会学) 博士(社会学) 
所属国際情報学部 / 国際情報学科
職名教授
所属学会日本社会学会 日本都市社会学会 地域社会学会 
専門分野社会学 人文地理学 政治学   
研究課題収奪への対抗運動 ワークフェアとポリーシングの不均等発展 資本主義・資本主義国家・資本主義都市の三者関係 

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
2001年 4月 日本都市社会学会会員 現在に至る
2002年 4月 日本社会学会会員 現在に至る
2003年 4月 地域社会学会会員 現在に至る
2014年 8月 著名な英文雑誌『Antipode』のウェブサイトで、論文 "Rescaled "Rebel Cities", Nationalization, and the Bourgeois Utopia: Dialectics of Urban Social Movements and Regulation for Japan's Homeless" (リスケールされた『叛乱都市』、国民化、ブルジョアユートピア:日本のホームレスをめぐる都市社会運動と調整の弁証法)の小特集記事が組まれた。レクチャーをビデオ収録しAntipode公式サイトで公開した。http://antipodefoundation.org/2014/08/13/rescaled-rebel-cities/
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受賞歴

受賞年月 受賞名
2008年 地域社会学会奨励賞(論文の部)
2016年 地域社会学会奨励賞(著書の部)
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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
寄せ場文献精読306選 近代日本の下層社会 共著 2004年 6月 れんが書房新社 全483頁(本人執筆P239~P241)。西澤晃彦・北川由紀彦・林真人他 総著者数29名。江口英一・西岡幸泰・加藤佑治編著、1979年『山谷――失業の現代的意味』、未來社と、加藤佑治著、1999年『現代日本における不安定就業労働者 改訂版』御茶の水書房という、二冊の図書解説を担当。我が国の貧困問題・野宿者には、これらの文献が強調する資本主義構造が密接に関わっており、その意義を十分にくみ取ることが必要であると論じた。
都市空間に潜む排除と反抗の力 共著 2013年 3月 明石書店 全209頁(本人執筆P25~P60)。町村敬志・林真人・山根清宏他 総著者数7名。「建造環境で他者化される住宅危機 都市空間における労働と管理と夢」を担当した。都市空間でホームレスの人びとが行う「労働」「領有」「消費」が、住宅危機の空間管理として現れることを、カール・マルクスの物質代謝論、アンリ・ルフェーブルの「第二の自然」論、デヴィッド・ハーヴェイの建造環境概念を導入し、商品化やジェントリフィケーションをめぐる「差異化された階級闘争」として分析的・理論的にまとめた。
ホームレスと都市空間 収奪と異化、社会運動、資本-国家 単著 2014年 2月 明石書店 全388頁。ホームレスの人びとと、かれらをめぐる〈異化〉〈収奪〉〈闘い〉を、その存在論的・社会学的な側面と、構造-歴史的な側面に着目しながら、長期にわたるフィールドワークと、精緻な理論枠組の構築によって行った。
Civil Society and the State in Democratic East Asia 共著 2020年 6月 Amsterdam University Press 全329頁(本人執筆P269–298)。David Chiavacci、林真人、樋口直人他 総著者数13名。Opening up the Welfare State to ‘Outsiders’: Pro-Homeless Activism and Neoliberal Backlashes in Japanを担当。日本の福祉国家体制がホームレス問題という「アウトサイダー」を根拠においた社会運動によって介入され、変容していくプロセスを、スケール政治と社会運動論を発展させることで理論化し分析した。
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
若年野宿者の野宿化と野宿生活 単著 2003年 3月 修士論文
野宿者研究における「経済と社会」の諸相 単著 2004年 2月 都市社会学会年報 22号(日本都市社会学会) P137~P154。本論文は、日本における1970年代から2000年代初頭までの野宿者・ホームレス研究をレビューした。社会学的な野宿者研究は、社会的世界や意味世界を主に質的な研究によって捉え、この意義を強調した。他方、経済学的研究は、資本主義やそれに派生的な経済的・社会的過程に強く注目するものだった。この論文では社会学と経済学の研究が、補完的な関係にあることを指摘し、二つを弁証法的に組み合わせる必要性があることを論じた。
都市空間に住みこむ野宿者 「使える地面への侵入」と空間管理 単著 2005年 8月 年報社会学論集 18号(関東社会学会) P181~P192。本論文は、ある都市を題材に、公共空間のなかで居住スペースを作る野宿者と、かれらに対する空間管理の発達を、フィールドワークに基づいて論じたもの。野宿者が都市空間に現れるにつれて、住民や警察や行政は、かれらをコントロールするミクロなルールを立ち上げ、都市空間の細部に制度化する。このルールのなかで野宿者は、地域の人びとと相互行為を繰り返しながら、排除の圧力をシンボル操作によってやり過ごし、野宿生活を送っているのである。
若年野宿者の形成と現存 単著 2006年12月 社会学評論 57巻3号(日本社会学会) P493~P510。本論文は、若年野宿者が現れてくる背景要因と、若年野宿者が野宿者として生きている生活過程を探る目的で、3人の生活史と、量的調査のデータを分析し、記述したものである。30代半ばまでの比較的若い野宿者は、家族崩壊や、労働市場の空間移動を繰り返すなかで、内面的な困難や疲弊を抱えるようになる傾向あることを明らかにした。このなかでかれらは、アイデンティティをめぐる葛藤や、困窮の高まりを抱えながらも、それを野宿生活のなかでの社会関係の形成や、貨幣獲得の活動によって乗り越えようとすると論じた。
生成する地域の境界 内部化したホームレス問題と制度変化のローカリティ 単著 2007年 5月 ソシオロジ 159号 P53~P69。本論文は、野宿者の人びとによる空き缶や古本などの回収という経済的な行為と、地域社会の関係を、フィールドワークに基づいて追ったもの。野宿者の経済的な行為は、地域社会とのあいだで時に葛藤を引き起こしてしまい、この葛藤が、地域社会のルール形成や条例制定によって一方的に管理される傾向がある。このなかで野宿者の人びとは、地域社会への配慮を行いながら、経済的な行為を続けようとすることを論じた。
脱国家的なガバナンス構造を利用する野宿者支援運動 オルタナティブな均衡を求めて 単著 2007年 5月 地域社会学会年報 19集(地域社会学会) P94~P112。本論文は、ある都市における野宿者支援運動の展開を、数年に渡るフィールドワークに基づいて論じたもの。野宿者の人びとは、地域社会や行政によって、コンフリクトを引き起こす存在と見なされることが少なくない。このとき野宿者支援運動は、地域社会と野宿者のあいだを媒介し、ローカル・ガバナンスに対して野宿者の立場や利害を伝えることで、両者のコンフリクトを調停しようとすることを論じた。
労働市場へ差し戻されるホームレス問題 再分配と福祉をめぐる制度枠組の条件、発達、傾向 単著 2008年 8月 解放社会学研究 22号(解放社会学会) P31~P48。本論文は、グローバル化のもとで福祉国家が貧困問題を解決しようとするうえで、様々な選択肢(主に①国民国家による福祉供給、②地方政府による福祉供給、③地方政府による抑圧的管理)が存在することを、新制度学派の枠組を用いて論理的に提示し、この選択肢のいずれを福祉国家が取るかは、グローバル化によって決定されるというよりも、国民国家と自治体の主体的なルール設定の対象であることを論じたものである。
カール・ポランニーの埋め込み/脱埋め込み論 労働力商品化と若年ホームレス 単著 2008年11月 理論と動態 創刊号(社会理論・動態研究所) P3~P20。本論文は、カール・ポランニーの埋め込み/脱埋め込み論を、とくに若年ホームレスの人びとを考えるための理論枠組として提示したもの。日本の研究者はモダニティ論の文脈に立ちながら、「脱埋め込み」の結果を、あたかも運命であるかのように考える傾向がある。これはポランニーの立場からするなら、過度な運命論である。ポランニーの立場に立ち返るなら埋め込み/脱埋め込みは、労働市場・社会組織・社会政策・社会運動といった要因によってオン・ゴーイングに変容する動態なのであり、それゆえ人びとの意味世界や時間感覚の収奪を引き起こすものであるだけでなく、その変革や鋳直しの可能性を常に併せ持っていると論じた。
ホームレスと社会運動 単著 2009年 2月 博士論文
リーディングス 日本の教育と社会 第19巻 共著 2009年 3月 日本図書センター 全403頁(本人執筆P303~P324)。本田由紀・筒井美紀・林真人他 総著者数24名。「若年野宿者の形成と現存」を担当した。内容は2006年に発表した同タイトルの論文の重要部分を再掲したものである。
これはホームレス問題の夜明けなのか? 明滅する良い貧者/悪い貧者の区分線をローカルな路上から見定める 単著 2009年 5月 寄せ場 22号(日本寄せ場学会) P13~P35。本論文は、2008年の「年越し派遣村」の分析と、その理論的な検討である。派遣村は、我が国におけるホームレス問題や貧困問題をめぐる国家政策が、生活困窮者やホームレスの人びとを包摂する方向へと梶を切る分水嶺となった。既存の文献を用いて本論文は、この点を、ローカルな活動家の視点から論じた。同時に、派遣村のもたらす包摂は、今後、「良い貧困」「悪い貧困」のあいだの新しい差別と分断を、政策的に作り出していく新自由主義の駆動と直面していく可能性があることを、理論的な視点から論じた。
Times and Spaces of Homeless Regulation in Japan, 1950s-2000s: Historical and Contemporary Analysis 単著 2013年 7月 International Journal of Urban and Regional Research 37(4) P1181~P1212。本論文は、米国・ニューヨーク大学で行った在外研究の成果。アトランティック・フォーディズムの国々と比較して日本は、共通の危機と危機管理の傾向に置かれながら、独特の貧困調整レジーム(労働市場・社会組織・公的供給のミックス)の発達をしたことを、統合的に論じる枠組を構築した。またホームレス政策が現れる際、国家的な貧困調整の「外側」で、新しい調整の場を、都市ガバナンスとして作り出すダイナミズムが生じることを指摘し、このダイナミズムをルール設定として分析した。以上の分析の解釈枠組を得るために、カール・ポランニーが『大転換』で行った歴史的・理論的な把握を整理し、これを現代のマルクス主義的な空間理論とorganicに接続する作業を行った。
Urban Poverty and Regulation, New Spaces and Old: Japan and the US in Comparison 単著 2014年 5月 Environment and Planning A, volume 46 P1203〜P1225。本論文では、貧困問題をコントロールする制度について、批判主義的な資本主義論・資本主義国家論・資本主義都市論に基づく理論構築を行った。そしてこの理論枠組に基づいて、戦後の日本と米国における貧困問題を「調整」するシステムを、歴史的な視点に基づいて比較分析した。資本主義の地理的・空間的な不均等発展が、国家によって媒介されながら、都市の水準で「破裂」しつつ、階級闘争と都市社会運動を引き起こすと結論づけた。
Rescaled “Rebel Cities”, Nationalization, and the Bourgeois Utopia:Dialectics Between Urban Social Movements and Regulation for Japan'sHomeless 単著 2015年 3月 Antipode 47(2) P418~441。本論文はホームレスの人びとを巡る都市社会運動と政策を、横浜(及び神奈川)と東京の事例を用いて経験的に論じ、またD.ハーヴェイやF.エンゲルスのテキストを用いて理論的に考察した。横浜(及び神奈川)における1970~2000年代の事例では、都市社会運動と政策は、自治体(市や県)の管轄の内部で、生活保護・法外援護・空間管理などのルール設定を巡って争い、協働してきた。筆者はこれを「リスケーリングの弁証法」と概念化し、その可能性を考察した。一方、東京における2000年代末の事例では、都市社会運動は自治体の管轄を超越し、日本国家と関係を取り結ぶことに成功した。筆者はこれを「国民化の弁証法」と概念化し、それがもたらした新しい局面を論じた。論文の冒頭部と結論部では、ホームレスの人びとの状況が、資本主義都市の公共財と他者化の論理によって構造的に既定されることを、ハーヴェイの『反乱都市』とエンゲルスの『住宅問題』に基づいて理論的に考察した。
Public Space Excludes Homeless Workers in Japan: Regulating the “Recyclers” for Hegemonic Habitat 単著 2018年 3月 Social Theory and Dynamics, Volume 2 P3〜17。グラムシのヘゲモニー理論(国家+市民社会)と、ルフェーブルのハビタット概念(公共空間+私的空間)を組み合わせることで、ホームレス問題を対象としたオリジナルなレギュレーション理論の枠組を構築した。そしてこれを用いて都市空間におけるホームレス問題、管理者(国家と市民社会)、都市社会運動のそれぞれの位相を検討した。
Democracy Against Labor Movement: Japan’s Anti-Labor Developmental State and Aftermaths 共著 2020年 6月 Critical Sociology (online publication before being assigned to an issue) SAGEのEarly Viewセクションで公開(https://doi.org/10.1177/0896920520921216)。欧米の批判的国家論の理論を開発主義国家論と結びつけて大幅に発展させた。これを用いて日本の労働運動の「長い歴史」を理論的・分析的に検討した。
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
寄せ場・野宿者研究の変遷の読解 経済社会的アプローチの弁証法的構成 2003年 9月 日本都市社会学会第21回大会、Ⅳ―2、自由報告 本発表は、日本の寄せ場・野宿者研究が辿った歴史的な変遷を整理し、今後の研究の方向性を探った。まず、我が国の寄せ場・野宿者研究の歴史から、社会学的な潮流とマルクス主義経済学的な潮流を取り出した。そして、これらはバラバラに継承されるべきではなく、相互に弁証法的に再構成されるべきであることを述べた。この弁証法的な手続きによって、初めて、寄せ場・野宿者に関する研究の多様なイシューを全体的に捉えらると結論づけた。
野宿者の生活と都市空間 2004年 9月 日本都市社会学会第22回大会、Ⅱ―6、自由報告 本発表は、野宿者の人びとによる、都市空間のなかで生活を展開と、それに対する空間管理を、フィールドワークで得た資料に基づいて論じた。野宿者は空間を占拠し、自らの居住スペースにする必要がある。このときかれらは、都市における空間管理と直面する。空間管理は、場所ごとにあり方が異なり、また時間と共に変化するものだが、野宿者の人びとはそれらに対して柔軟に対応することで、生活を続けようとする。
定住社会からの〈漏出〉という経験 若年野宿者の形成と現存の研究 2004年11月 日本社会学会第77回大会、自由報告 本発表は、若年野宿者が現代日本において生み出されてくるプロセスを、経験的な資料(生活史と量的調査のデータ)を分析することで捉えることを目的とした。分析が明らかにしたのは、若年野宿者が、失業などの経済的理由とともに、心理的な困難といった非経済的理由から野宿生活に至るという、当時はまだほとんど指摘されていなかったプロセスであった。
都市雑業の終焉? 2005年10月 日本社会学会第78回大会、自由報告 本発表は、都市雑業と呼ばれる野宿者の人びとの空き缶や古本を回収する作業に着目し、これを質的調査で得たデータに基づいて報告した。都市雑業は、今日の都市空間で、ますます継続が難しくなっていることを指摘し、グローバル化のなかで困窮する野宿者が逃げ込むスペースが、都市から大きく失われていく可能性があることを指摘した。
都市ガバナンスと野宿者支援運動 2006年 5月 地域社会学会第31回大会、自由報告1-2 本発表は、長期のフィールドワークで得た資料を踏まえて、ある都市における野宿者支援運動の歴史的な展開を、都市行政との関係を中心に追ったものである。都市行政は、野宿者の人びとの利害や関心を、しばしば顧みない傾向がある。このとき野宿者支援運動は、都市行政の作り出すガバナンス構造に参加しながら、話し合いや説得といった運動行為を通じて、それを変えようとするのである。
生成する地域の境界 内部化した『ホームレス問題』と制度変化のローカリティ 2007年 5月 日本寄せ場学会第21回、総会 本発表は、2007年に出版した同タイトルの論文の内容を、そのまま口頭で発表したものである。
マーケットに差し戻される「ホームレス問題」 野宿者の「プロレタリア化」政策と市場・国家・地方行政 2007年10月 解放社会学会第23回大会、テーマ部会Ⅱ「『自立支援法』以降のホームレス問題」 本発表は、我が国のホームレス政策の基本的な考え方が、福祉国家による伝統的なスタイルの福祉給付という手法を大きく逸脱していることを、市場原理による「プロレタリア化(賃労働者化)」という視点から論じたものである。データは、日本国家の様々なホームレス政策の資料と、横浜や神奈川県におけるホームレス政策の資料を用いた。これらを分析することで、「プロレタリア化」政策が、市場・国家・地方行政を動員しながら、ローカル・レベルを戦略的な場として進んでいることを明らかにした。
社会運動の湧出源 地理的に基礎づけられた組織フィールドの誕生 2007年11月 日本社会学会第80回大会、自由報告 本発表は、横浜・寿地区から神奈川エリアへと1990年代以降に急速に広がった野宿者支援運動を、筆者のフィールドワークで得た情報に基づきながら、新制度学派の「組織フィールド」という考え方を導入して論じた。横浜・寿地区から神奈川エリアへと空間的な範囲を拡大するなかで、野宿者支援運動は、さまざまな組織を各都市に立ち上げ、それらを相互に結びつける社会運動の社会空間を作り出した。これは組織の増大、組織間のネットワークの発達、共通の信念体系の形成といった点で、リージョナルな組織フィールドという性格を持ち、空間的な影響力を作り出したと論じた。
Geographically Uneven Development of the Governance Structures of Homelessness: Experiences of the United States, Britain, and Japan during the Post-1970 Period 2008年12月 International Sociological Association Research Committee 21 Tokyo Conference 本発表は、アメリカ・イギリス・日本のホームレス政策を国際比較した。三つの国において、ホームレス政策はグローバル化や新自由主義化という共通の圧力のもとで、異なったリズムや特徴を持った。これらの違いには、福祉国家体制の歴史的な経路の違いの反映が認められるとした。他方、ホームレス政策は三つの国において、いずれも、国家内で空間的に不均等発展するものであるという共通の特徴を指摘した。この、「相違」と「相似」の両方が、体系的な国際比較によって明らかにできることを指摘した。
Times and Spaces of Homeless Regulation in Japan, 1950s-2000s 2011年 4月 The Association of American Geographers Annual Meeting 本発表は、日本における戦後のホームレスや貧困政策の発達がどのようなものであったかを、資料分析を通じて明らかにした。戦後日本においては、貧困政策は、生活保護法や憲法25条による生存権の国家的な標準化という、包摂的な論理の建前を持っていた。しかしこの包摂的な建前の一方で、実際のホームレス政策は、しばしば、国家が標準化した生存権からの排除という特徴を示してきた。これは近年の批判主義的な地理学のキータームである、「リスケーリング」の一環として、とりわけ「市民権のリスケーリング」として理解できることを指摘した。
クリティカルな都市社会学 歴史と現在 2012年 9月 第30回都市社会学会大会、自由報告 本発表は、批判的な都市社会学の潮流を整理し、この潮流が日本において発展していく可能性や方向性を論じた。世界的にはD.ハーヴェイ、M.カステル、N.スミス、N.ブレナーといった論者が、ルフェーブルの都市論や弁証法の様々な解釈を軸に、批判的な都市社会学や都市研究を立ち上げてきた。他方、日本でも同様の関心を持った研究者が1970年代~1980年代において、重要な研究を発表してきた。この点で日本の批判的な都市研究は、海外の研究と有機的に接続させることで、単に海外動向の輸入という以上の、独自の世界的貢献を行いうると論じた。
寄せ場労働者の空間占拠の社会的・想像的な基礎 公共空間を領有する社会運動(1) 2013年10月 日本社会学会86回大会、自由報告 公共空間を領有する都市社会運動は、公共施設・公園・路上・交通機関などに具体的な場所を求め、これらを意志表示や連帯や生存の、媒介や準拠点とする。しかしこのプロセスは不安定である。公共空間は私的消費/生産へと公共空間を従属する都市計画や、空間秩序を維持する管理や閉鎖といった、権力(資本−国家ネクサス)の操作を色濃く反映する空間だからである。このなかで運動は、空間を意味付ける行為、空間への政治的正統化の言説の付与、空間の越境的なネットワーキングといった、社会的・想像的次元での空間領有を重要なものとして伴う。本報告では、社会的・想像的(imaginary)な次元に焦点を当て、1970年代の寄せ場労働者の事例を用いてこのことを論じた。
都市エスノグラフィー
、理論
、一般化 2018年 9月 日本都市社会学会2018年度大会 本発表では、ホームレスの人々が都市空間で形成する社会空間的な過程と、ホームレスの人々を支援する社会運動の事例を主に用いながら、個別的な水準を取り扱うエスノグラフィックなデータを、より一般的な水準へと結びつけるうえで、マルキシストの方法が有効であることを論じた。標準的なマルキシスト理論を修正しつ、エスノグラフィーが開示する「多様性」に接続可能な形態へと理論を変えることで、都市エスノグラフィーはより一般的な認識との関係で自己を位置づけられる可能性があることを示した。個別多様なデータを、一般性によって整理し直し、グローバルな認識へと道を開くことは、それ自体として創造的な行為であり、都市エスノグラフィーのフロンティアであると結論づけた。
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翻訳

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
翻訳「サウザンド・リーブス 不均等な空間発展の地理についてのノート」 単著 2013年 5月 地域社会学会年報第25集 P23–P47。地域社会学会の依頼により、Neil Brenner著の英語論文 "Thousand Leaves: Notes on the Geographies of Uneven Spatial Development." In: Roger Keil and Rianne Mahon eds. Leviathan Undone?: Towards a Political Economy of Scale, University of British Columbia Press: 27-49 を全訳し、学会誌に掲載した。
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書評

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
書評 岩崎信彦著『21世紀の『資本論』―マルクスは甦る』(御茶の水書房) 単著 2017年 地域社会学会年報 29巻 P107〜P108。岩崎信彦著『21世紀の『資本論』―マルクスは甦る』(御茶の水書房)の書評を執筆した。
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国際会議での招待発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
Labor/Poverty Politics against the Japanese Developmental State: De-Nationalization after 1945, Nationalization by New Actors 単著 2017年 9月 Institute of Asian and Oriental Studies, University of Zurich University of Zurich (Switzerland) で開催された国際学術会議 Civil Society versus the State? Emergent Trajectories of Civic Agency in East Asia in Comparative and Transnational Perspective での招待発表。戦後日本の労働・貧困問題のレギュレーションを、日本型開発主義国家や東アジアにおけるUSヘゲモニーといった枠組みのなかに位置付けて説明した。
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レクチャーシリーズでの招待発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
Labor/Poverty Politics against the Japanese Developmental State: De-Nationalization after 1945, Nationalization by New Actors 単著 2017年 9月 Institute of Sociology, University of Duisburg-Essen University of Duisburg-Essen (Germany) で開かれたレクチャーシリーズでの招待発表。戦後日本の労働・貧困問題のレギュレーションを、日本型開発主義国家や東アジアにおけるUSヘゲモニーといった枠組みのなかに位置付けて説明した。
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