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フリガナフナタ ジュンイチ
ローマ字FUNATA Junichi
氏名舩田 淳一
学位博士(文学) 
所属文学部 / 日本語日本文化学科
職名教授
所属学会仏教文学会 説話文学会 日本宗教文化史学会 日本宗教民俗学会 仏教史学会 日本宗教学会 戒律文化研究会 日本思想史学会 
専門分野文学 史学 哲学   
研究課題日本中世宗教文芸  日本中世宗教思想史 説話文学研究 

学会及び社会における活動等

開始年月 活動内容 終了年月
2009年 6月 日本宗教民俗学会運営委員 現在に至る
2010年 4月 戒律文化研究会運営委員 現在に至る
2010年11月 仏教史学会運営委員 現在に至る
2014年 4月 仏教文学会事務局運営委員 2015年 3月迄
2014年 4月 朝日カルチャーセンター大阪中之島教室講師 「イチから読む『古事記』」 2015年 3月迄
2014年 4月 朝日カルチャーセンター京都教室講師 「謎解き!京都散歩」 2015年 3月迄
2014年 4月 NHK文化センター大阪梅田教室講師 「日本人の宗教観―神と仏の不思議な関係―」 2015年 3月迄
2015年 9月 高野山大学密教文化研究所受託研究員 現在に至る
2016年 4月 仏教文学会例会担当委員 現在に至る
2016年 4月 国際日本文化研究センター共同研究「差別から見た日本宗教史再考―社寺と王権に見られる聖と賎の論理ー」共同研究員 現在に至る
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受賞歴

受賞年月 受賞名
2006年10月 佛教大学学術奨励賞
2012年10月 第6回 日本思想史学会奨励賞
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著書

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
神仏と儀礼の中世 単著 2011年 2月 法蔵館 1「解脱房貞慶の信仰と儀礼」、2「中世律僧の信仰と儀礼」、3「中世真言密教の信仰と儀礼」の全3部をもって、中世宗教世界の具体像を緻密に分析した。従来の宗教思想研究が密教・神仏習合・儀礼などの問題を軽視してきたという反省に立ち、そうした対象に積極的に取り組んできた実績を有する中世文学(殊に説話文学)研究の成果に立脚し、自身の寺院資料調査の蓄積を充分に踏まえて、文学・歴史・宗教を横断する学際的研究のダイナミズムを志向したもの。なお『説話文学研究』47号と『史学雑誌』121編2号に書評が掲載された。総522頁。
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学術論文

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
貞慶『春日権現講式』の信仰世界―春日社・興福寺における中世神話の生成をめぐって― 単著 2004年 6月 『日本文学』53巻6号 興福寺の学僧として著名な貞慶が作成した『春日権現講式』という、春日神の神徳を美麗な漢文体で讃嘆した儀礼(唱導文芸)資料に対して、従来の作家論・作品論とは異なる視点から言説分析を行った。中世の春日社では天岩戸神話など、古代神話が仏教的に解釈された「中世神話・中世日本紀」へと鮮やかな変貌を遂げており、新たな神の信仰世界が、多様な表現を生み出したこと、その担い手としての貞慶の位置を明らかにした。
日本仏教における一乗教と三乗教の問題 単著 2005年 3月 『比較思想研究』31号別冊 古代仏教思想史上の対立として天台宗の開祖である最澄と、法相宗の名僧たる徳一との間で、人間が平等に救済されるという「一乗思想」と、救済されない人間も存在するという「三乗思想」が拮抗した。古代思想界における「人間」性をめぐる理想主義と現実主義の対決が、その後、近代に至るまで日本仏教の思想課題であった。一乗・三乗という教学上の問題を、古代仏教思想史上だけでなく、日本精神史という広がりの裡に捉えることを試みたもの。
中世の天台・法相における懺悔と戒律 単著 2005年 5月 『宗教文化史研究』9巻1号 中世における天台宗と法相宗の思想的相違点を究明した。万人の救済を原理的に約束する天台宗は結果として罪業意識が希薄になるが、救われない人間の余地を厳しく残す法相宗は罪業意識を保持している。講式や法語など貞慶の文学性豊かな作品群にはそれが良く窺えることを指摘し、歌論書『古来風体抄』や伽陀・讃嘆といった中世仏教歌謡の世界にも浸透した天台本覚思想的な滅罪論との差を闡明した。
中世的天岩戸神話に関する覚書 単著 2005年 5月 『寺社と民衆』1号 仏教思想の影響下に展開した中世日本紀の問題を、天岩戸神話を中心に、各地の寺社に収蔵されるテクストを元に分析。記紀の岩戸神話は、岩戸に籠もった天照を連れ出し世界に光を取り戻す太陽信仰の神話だが、中世では岩戸は人間の煩悩であり、岩戸開きは煩悩に隠された悟りが顕わになるという深意が隠されていると説かれ、密教では「天岩戸灌頂」という儀礼さえ成立した。そこから古代叙事詩としての記紀神話の中世的変容を捉えた。
中世の南円堂不空羂索観音に関わる信仰と言説 単著 2005年 9月 『巡礼記研究』2号 西国三十三ヶ所観音霊場として、現在に至るまで広く庶民の信仰を集める興福寺南円堂の中世における実態に迫った。中世の興福寺南円堂は、必ずしも庶民の霊場というわけではなかった。興福寺を氏寺と仰ぐ藤原摂関家の信仰がむしろ中心で、一族の政治的安泰への祈願が目立つ。こうした信仰・儀礼が、摂関家の護持僧である密教祈祷僧の間で、様々な説話・縁起・伝承を生成していく過程を寺院聖教などの資料を紹介しつつ跡付けた。
戦時下の仏教思想―戦時教学・京都学派・『国体の本義』― 単著 2006年 3月 『比較思想研究』32号別冊 十五年戦争下の既成仏教諸教団の展開した言説を分析した。それらは帝国主義に追随し、日本の戦勝を祈願する姿勢で概ね貫かれており、侵略戦争を宗教的に正当化した、いわゆる「戦時教学」が横行した。しかしこの「戦時教学」の総括は、浄土真宗などでは盛んであるものの、未だ不十分であり、戦争・生死観・宗教の問題は今後も課題であり続けることを展望した。
中世の南都と叡山における戒律観について 単著 2006年11月 『日本宗教文化史研究』10巻2号 中世の天台宗と法相宗における戒律の問題を分析した。従来型の宗派史的な方法論の影響もあり、それぞれの戒律観は、独自に議論されており、全体的・統一的な視点からの成果は殆ど見られない。ここでは①戒律復興の動機、②戒体論・③神祇信仰という三つの視覚から、双方の差異と共通性を闡明せんと試みた。近年、律僧の活動が中世の文化・文芸の形成に与えた影響が明らかになりつつある。本稿はそうした議論の前提ともなる思想史的考察である。
真言系八幡講式とその周辺 単著 2007年 3月 『仏教文学』31号 従来の唱導文学研究において手薄であった真言密教系の講式へアプローチした。鶴岡八幡の別当であり、北条氏得宗家の護持僧でもあった頼助僧正が作成した『八幡講秘式』に注目し、これは元寇における異国調伏の密教祈祷に用いられたものであったこと、さらに西国の公家政権と顕密仏教界への支配権を拡張していく鎌倉幕府の宗教政策と照応する内容を有することを論証した。
貞慶作五段『舎利講式』をめぐる二、三の問題―随心院本の紹介によせて― 単著 2007年 3月 『随心院聖教と寺院ネットワーク』3号 中世には、浄土教のみならず釈迦(舎利)信仰にまつわる和歌・説話・謡曲など優れた文芸が多く生み出された。その一例として貞慶は『舎利講式』という唱導儀礼のテクストを作成している。この『舎利講式』の伝本系統を整理しつつ、その思想内容を、その他の貞慶の宗教活動に関係する資料と対照させながら、詳しく分析した。また随心院伝来資料の中から、講式をピックアップして目録も付した。
中世死穢説話小考 単著 2007年 7月 『国語国文』879号 『発心集』や『沙石集』といった中世の著名な説話集には、慈悲心から貧者の葬儀を行い死穢に触れてしまった僧の参拝を神が許す説話があり、従来の説話文学研究では、これを神の中世的変容と高く評価してきたが、これは特例的な「穢れ容認説話」に過ぎず、その一方に死穢を咎める神を律僧が論破する「穢れ克服説話」が存在したことを指摘。穢れを恐れず葬送や非人救済などに邁進した律僧の唱導説話として注目すべきものであることを論じた。
中世の葬送儀礼と神祇信仰―神道書の一隅から― 単著 2008年 4月 『寺社と民衆』4号 神道と生死観・穢れ観念の問題を考察した。『沙石集』『春日験記』『八幡愚童訓』など中世説話には、神社への極楽往生祈願が頻出する。そうした思想背景の中で成立した、神祇と死者の一体化を観想するという極めて興味深い密教の葬送儀礼関係の資料が、国文学者を中心に調査が進められている名古屋の真福寺に伝来する。また信州諏訪大社にも同様の資料の存在を確認できた。これらを分析し、近代以降とは全く異質な神社信仰と生死観が存在していたことを明らかにした。
聖地における本地仏と儀礼―中世石清水八幡宮の愛染明王信仰― 単著 2008年11月 藤巻和宏編『聖地と聖人の東西』、勉誠出版 八幡神の本地仏としては、阿弥陀如来が知られている。だが石清水八幡宮の縁起説話集である『八幡愚童訓』(甲・乙本)には確認できないものの、真言密教特有の説として愛染明王を本地仏とする説があり、それも広範に展開していたことを論じた。南北朝期の公家で、石清水八幡を深く崇敬した久我長通の五段『八幡講式』は、先行して存在した天台の安居院の三段『八幡講式』を増補した作品であり、八幡の本地仏として阿弥陀に加えて愛染明王を重視する。その背景には南北朝動乱期における軍神としての愛染信仰があったことを指摘した。
中世叡山の戒律復興―律僧恵尋の思想と国家観について― 単著 2009年 3月 『佛教大学総合研究所紀要』16号 中世の仏教文学研究において天台の談義所が注目され、これに関わる『鎮増私聞書』の研究もなされている。鎮増は「戒家」と呼ばれる室町期の天台の律僧であるが、ここではそのルーツである鎌倉期の叡山における戒律復興運動に挺身した恵尋らの思想・信仰について究明すべく、叡山文庫蔵『天台菩薩戒真俗一貫抄』を紹介した。同書には貞慶による南都戒律復興の説話が引かれるが、これは無住『聖財集』のそれに先駆けるものであり、天台の戒律復興が南都の影響下に為されたことを指摘し、さらに恵尋の国家観を軸に、彼の戒律思想の構造をも闡明した。
中世叡山律僧の神祇信仰―本覚思想との関係から― 単著 2009年 9月 『日本思想史学』41号 天台宗の戒律復興僧らの思想的特質を、神祇信仰との関係から分析した。『日吉山王利生記』といった説話集からも、天台僧の篤い山王信仰が理解される。殊に山王の十禅師神は、憑依・託宣の神として説話にも現れるように、重要な位置にあった。律僧にとって十禅師神は戒律の守護神と考えられており、そこからは本覚思想に対処するために極めて特色ある言説が生成していた事実を、西教寺正教蔵の未紹介資料を引きつつ明らかにした。
貞慶の笠置寺再興とその宗教構想―霊山の儀礼と国土観をめぐって― 単著 2010年 3月 『佛教大学総合研究所紀要』17号 南都復興運動の一環としてなされた貞慶の笠置寺再興の問題を考察した。貞慶は笠置寺で新たな堂塔を整備し、儀礼を挙行した。そうした堂塔と儀礼に纏わる表白・願文・勧進状など唱導資料が多く伝来しており、対句や駢儷文を駆使した極めて巧みな作品群である。それらを分析した結果、そこには日本を神国・仏国と見る肯定的国土観が披瀝されていることが明らかとなった。そして貞慶の優れた唱導活動によって、笠置寺は中世的に再生し得たと結論付けた。
講式と儀礼の世界―八幡講式を中心に― 単著 2010年10月 阿部泰郎編『中世文学と隣接諸学2 中世文学と寺院資料聖教』、竹林舎 八幡神を祭祀する仏教儀礼の次第書であり、優れた唱導文芸テクストでもある『八幡講式』を分析。東大寺図書館蔵『八幡講式』など諸伝本を二系統に整理し、特に伝本の多い三段式の系統を流布本とし、次に伝本が多い久我長通作の五段式の系統を久我本として、双方の思想・文体的特色について比較検討を行った。その結果、流布本は本来、天台宗の安居院流おいて成立したものであり、五段式はそれを基に、久我長通が真言密教の立場から増補したものであったことを明らかにした。
南都の中世神話・中世神道説をめぐって―春日社・興福寺・貞慶を中心に― 単著 2011年 4月 伊藤聡編『中世文学と隣接諸学3 中世神話と神祇・神道世界』、竹林舎 中世南都における春日信仰の特質を考察した。まず春日神の本地仏をめぐる言説に注目した。藤原氏の氏神信仰から興福寺南円堂の不空羂索観音本地説が先行するが、貞慶によって氏神信仰の制限を越えるべく釈迦本地説が高唱されて、これが貞慶の思想的影響下にある中世春日社の縁起・説話大成である『春日権現験記』に継承されると論じた。次に天照と春日神の約諾によって藤原氏が天皇を輔弼するという摂関政治正当化の神話言説の成立と展開過程を詳細に跡付け、そこでも貞慶が重要な位置を占めることを論じた。
中世神道論における冥と顕―慈遍の著作を中心に― 単著 2012年 3月 池見澄隆編『冥顕論―日本人の精神史―』、法蔵館 南北朝期の神道家としても知られる天台密教僧の慈遍の思想を分析した。慈遍は冥・顕という枠組みを用いて、自己の思想を構築してゆく。ここでは彼の神道著作として著名な『旧事本紀玄義』における冥・顕の議論と、従来は充分に活用されてこなかったもう一つの神道著作である『天地神祇審鎮要記』における冥・顕の議論を比較分析したが、そのことは中世の神仏説話を支える基本的な世界観の解明に資するものでもある。
浄土宗と神仏習合―中世律宗の天照説話から近世浄土宗の天照説話へ― 単著 2012年 3月 佛教大学総合研究所編『法然仏教とその可能性』、法蔵館 専修念仏では「神祇不拝」ということが言われるが、近世ともなると「神祇不拝」は殆ど機能しなくなり、阿弥陀仏の垂迹が伊勢の天照大神であるという説が京都の浄土宗の『大超寺略縁起』(佛教大学図書館蔵)に現れてくる。そこでは恵心僧都源信が伊勢神宮に参詣して、天照の本地仏として阿弥陀を感得したというが、それは本来、伊勢神宮周辺に展開した西大寺流の律僧らによって室町期に唱導された説話が原型であったことを明らかにした。
中世の神祇・神道説と東アジア 単著 2013年 7月 説話文学会編『説話から世界をどう解き明かすのか』、笠間書院 説話文学会50周年記念シンポジウム第2セッション「説話と資料学-敦煌・南都・神祇-」(2012年6月)における報告を論文化したもの。中世の神明説話や神道説の問題を、日本国内の問題に限定せず、広く「東アジア」という視座から捉え直すための基礎的考察を行った。日宋貿易・元寇・舶来の禅宗などのインパクトを受けて、中世の神をめぐる言説が展開したことを、寺社縁起や延慶本『平家物語』などを素材にして多面的に論じた。
中世巡礼の精神史 単著 2013年10月 『日本思想史学』45号 西国観音霊場の開創説話を詳細に分析し、その主要モチーフが修験者的な僧侶の冥途蘇生譚にあることに注目。さらに『法華験記』・『今昔物語集』・各種霊場寺院の縁起説話に見る冥途蘇生譚の系譜をたどりつつ、巡礼が庶民化する中世後期社会においてもなお、そうした冥界信仰が巡礼の精神的背景をなしていたことを論じた。
中世の死をめぐる儀礼 単著 2014年 3月 『比較思想研究』39号 中世奈良の白毫寺で行われていた一切経会という法会について、その内容を次第書の調査に基づき分析した。一切経とは5千巻を超える仏教経典総体を指す。この儀礼は10日間に亘って、その一切経を供養するものであるが、同時に死者供養の機能も果たしていたことを明らかにした。さらにそうした死者供養儀礼でありながら、神祇信仰とも深く関わる点に特殊性が認められることを指摘した。
西大寺十代長老「清算」考 単著 2014年 5月 『日本仏教綜合研究』12号 新資料に基づき、これまで殆ど注目されることのなかった南北朝期の奈良西大寺の住職であった清算という僧侶に光を当てた。彼は舎利(釈迦の遺骨)信仰に熱心であり、興福寺南円堂の修造に際して、大量の舎利を発見し、それを室町幕府による安国寺・利生塔の計画に呼応する形で、全国の国分寺の塔への奉納を構想した。さらに舎利信仰による鎮護国家を志向するなど、南北朝動乱期に対応した宗教活動を展開していたことを明らかにた。
中世の神と死者 単著 2014年 6月 『アジア遊学』174号 律宗寺院である白毫寺の縁起説話の成立背景を分析した。白毫寺は中世都市奈良の庶民が埋葬される広大な葬地であったが、死者供養を目的とする同寺の年中行事たる一切経会では、近隣の春日大社の祭神である春日大明神が祭られた。死の穢れは神にとって最大のタブーであるが、『春日権現験記絵』の説話にも窺われるように、中世の春日信仰は死者救済と結びつくものであったことを論じた。
中世の春日信仰と死者供養―白毫寺の一切経転読儀礼と穢れをめぐってー 単著 2015年 3月 東北大学日本思想史研究室+冨樫進編『カミと人と死者』(岩田書院) 前掲25・26論文を受けて、律宗寺院である白毫寺の縁起説話の成立背景をさらに精緻に追及した。白毫寺は中世都市奈良の庶民が埋葬される広大な葬地であったが、死者供養を目的とする同寺の年中行事たる一切経会では、近隣の春日大社の祭神である春日大明神が祭られた。死の穢れは神にとって最大のタブーであるが、『春日権現験記絵』の説話にも窺われるように、中世の春日信仰は死者救済と結びつくものであり、そこには中世春日山の他界観(春日地獄・春日浄土)が強く作用していた。かくして地蔵信仰の役割をも代替した春日大明神の中世的な救済機能を明確が明らかとなる。
平安末期宗教思想史と西行―〈伊勢〉とは西行にとって何だったのかー 単著 2015年 8月 『西行学』6号 西行晩年の伊勢移住の理由をめぐっては諸説あるが、西行の伊勢神宮への信仰という契機を重視した。西行は密教における月輪観を実践したと考えられているが、月輪観が強調する心の清浄性は、中世の伊勢をめぐる神道思想が非常に重んじた清浄性と通じるものであることを指摘。西行の伊勢移住を、中世初頭の宗教思想史の側から考察することの意味を論じた。
『愛宕地蔵物語』の基礎的考察 単著 2016年 9月 『越境する絵物語』(名古屋大学人類文化遺産テクスト学研究センター) 室町時代物語の一本である『愛宕地蔵物語』は、これまで個別の研究論文が存在しなかったため、基礎的考察を加えたものである。作品の成立段階に関する仮説として、室町中期頃には、修験的な文化圏域において原型が形成され、それが禅宗の影響下に唯心論的な色彩を濃くし、最終的に近世初頭において、京都の愛宕信仰と結合して、現在の版本の形態になったものと想定した。
〈法華経儀礼〉の世界―平安時代の法華講会を中心に― 単著 2016年10月 『アジア遊学』202号、勉誠出版 平安時代の法華講会について、儀礼研究の視点から分析を加えたもの。法華講会の研究は、そこで講ぜられた思想内容や、付随する論義(問答)といった教学的側面が注目されてきた。しかしそれらには、儀礼実践の空間のリアリティを充分に捉えられない憾みがある。小稿では、奈良興福寺の法華会に纏わる説話・伝承や、比叡山延暦寺における長講法華講会の儀礼次第を素材に、多数の神仏を召喚してなされる仏教儀礼のシャーマニックな側面を浮き上がらせようとした。
日本文化と自然環境 単著 2017年 3月 『金城日本語日本文化』93号 昨今、「日本人は自然に優しい」「日本文化は自然と共生する」といった言説を頻繁に目にするが、この認識が正しいものであるか否か、歴史史料に即した検証を試みたもの。確かに日本仏教の思想には、「草木成仏」など、エコロジーの観点から注目すべきものがあるが、一方で、古代の祝詞、中世の説話、近世の浄瑠璃などを仔細に分析してゆくと、〈自然〉が〈人間〉に従属してゆく道筋も見えてくる。不都合な真実(史料)を閑却した都合の良い物語は、エコ・ナショナリズムに他ならないことを論じた。
古代・中世における〈穢れ〉研究の現状と課題ー領域間対話に向けた準備作業としてー 単著 2018年 3月 宗教民俗研究26号 日本宗教民俗学会2016年大会シンポジウム「〈穢れ〉をめぐる領域間の対話と議論の共有」を受けて、コーディネーター兼司会を務めた場から、民俗学・歴史学・文学における〈穢れ〉論の問題点や可能性について考察した。
真言密教僧西行と熊野・伊勢ー聖地の言説をめぐる思想史ー 単著 2018年 3月 金城学院大学論集 遁世の歌人としての西行イメージとは異なる、プロの真言密教僧としての西行という視座から、彼の熊野・伊勢に対する信仰について考察した。平安末期の熊野-伊勢には宗教的なネットワークが形成されており、密教僧である西行はそのネットワークに沿って活動したことを論じた。
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学会発表

題目/演目名等 発表年月 発表学会名等 概要
貞慶『春日権現講式』の信仰世界―春日社・興福寺における中世神話の生成をめぐって― 2003年 7月 日本文学協会第23回研究発表大会 興福寺の学僧として著名な貞慶が作成した『春日権現講式』という、春日神の神徳を美麗な漢文体で讃嘆した儀礼(唱導文芸)資料に対して、従来の作家論・作品論とは異なる視点から言説分析を行った。中世の春日社では天岩戸神話など、古代神話が仏教的に解釈された「中世神話・中世日本紀」へと鮮やかな変貌を遂げており、新たな神の信仰世界が、多様な表現を生み出したこと、その担い手としての貞慶の位置を明らかにした。
中世の南円堂不空羂索観音に関わる信仰と言説 2004年11月 巡礼記研究会第1回研究集会 西国三十三ヶ所観音霊場として、現在に至るまで広く庶民の信仰を集める興福寺南円堂の中世における実態に迫った。中世の興福寺南円堂は、必ずしも庶民の霊場というわけではなかった。興福寺を氏寺と仰ぐ藤原摂関家の信仰がむしろ中心で、一族の政治的安泰への祈願が目立つ。こうした信仰・儀礼が、摂関家の護持僧である密教祈祷僧の間で、様々な説話・縁起・伝承を生成していく過程を寺院聖教などの資料を紹介しつつ跡付けた。
中世の天台・法相における懺悔と戒律 2004年11月 日本宗教文化史学会第8回大会 中世における天台宗と法相宗の思想的相違点を究明した。万人の救済を原理的に約束する天台宗は結果として罪業意識が希薄になるが、救われない人間の余地を厳しく残す法相宗は罪業意識を保持している。講式や法語など貞慶の文学性豊かな作品群にはそれが良く窺えることを指摘し、歌論書『古来風体抄』や伽陀・讃嘆といった中世仏教歌謡の世界にも浸透した天台本覚思想的な滅罪論との差を闡明した。
日本仏教における一乗教と三乗教の問題 2005年 1月 比較思想学会2004年度近畿支部例会 古代仏教思想史上の対立として天台宗の開祖である最澄と、法相宗の名僧たる徳一との間で、人間が平等に救済されるという「一乗思想」と、救済されない人間も存在するという「三乗思想」が拮抗した。古代思想界における「人間」性をめぐる理想主義と現実主義の対決が、その後、近代に至るまで日本仏教の思想課題であった。一乗・三乗という教学上の問題を、古代仏教思想史上だけでなく、日本精神史という広がりの裡に捉えることを試みたもの。
戦時下の仏教思想―戦時教学・京都学派・『国体の本義』― 2006年 1月 比較思想学会2005年度近畿支部例会 十五年戦争下の既成仏教諸教団の展開した言説を分析した。それらは帝国主義に追随し、日本の戦勝を祈願する姿勢で概ね貫かれており、侵略戦争を宗教的に正当化した、いわゆる「戦時教学」が横行した。しかしこの「戦時教学」の総括は、浄土真宗などでは盛んであるものの、未だ不十分であり、戦争・生死観・宗教の問題は今後も課題であり続けることを指摘した。
中世の南都と叡山における戒律観について 2006年 6月 日本宗教文化史学会第3回研究例会 中世の天台宗と法相宗における戒律の問題を分析した。従来型の宗派史的な方法論の影響もあり、それぞれの戒律観は、独自に議論されており、全体的・統一的な視点からの成果は殆ど見られない。ここでは①戒律復興の動機、②戒体論・③神祇信仰という三つの視覚から、双方の差異と共通性を闡明せんと試みた。近年、律僧の活動が中世の文化・文芸の形成に与えた影響が明らかになりつつある。本稿はそうした議論の前提ともなる思想史的考察である。
真言系八幡講式とその周辺 2006年 6月 仏教文学会2006年度大会 従来の唱導文学研究において手薄であった真言密教系の講式へアプローチした。鶴岡八幡の別当であり、北条氏得宗家の護持僧でもあった頼助僧正が作成した『八幡講秘式』に注目し、これは元寇における異国調伏の密教祈祷に用いられたものであったこと、さらに西国の公家政権と顕密仏教界への支配権を拡張していく鎌倉幕府の宗教政策と照応する内容を有することを論証した。
笠置遁世期における貞慶の信仰及び宗教活動と講式 2007年 1月 仏教文学会2006年度支部例会 貞慶は興福寺から笠置山に遁世し、多様な宗教活動に邁進してゆく。中でも注目されるのは、この時期に多くの美文で格調高い講式を作成し、弥勒信仰・観音信仰・地蔵信仰・文殊信仰・法華信仰・舎利信仰・春日信仰などを宣布していったことである。貞慶の講式の漢文における表現的特徴に注目し、それを儀礼の問題として捉え返しながら分析を進め、中世神仏信仰の具体像に迫ろうとしたもの。
中世寺院の儀礼について 2008年 4月 日本宗教民俗学会2008年4月例会 中世寺院の年中行事として講式という儀礼に注目した。京都・奈良の大寺院に伝来する資料を調査すると、『●●寺年中行事』といった目録が含まれていることが判明し、そこから各種の講式が盛んに行われていたことを論じた。そして講式は現在では殆ど行われなくなったが、奈良市街の旧い町内には、「春日講」という地元住民による祭祀組織が生きている。正月には公民館などを会場として春日曼荼羅を祀り、貞慶作の『春日講式』を読み上げている等の事例を紹介した。
中世叡山律僧の授戒儀礼 2008年10月 日本思想史学会2008年度大会 天台宗の戒律復興僧らの思想的特質を、神祇信仰との関係から分析した。『日吉山王利生記』といった説話集からも、天台僧の篤い山王信仰が理解される。殊に山王の十禅師神は、憑依・託宣の神として説話にも現れるように、重要な位置にあった。律僧にとって十禅師神は戒律の守護神と考えられており、そこからは本覚思想に対処するために極めて特色ある言説が生成していた事実を、西教寺正教蔵の未紹介資料を引きつつ明らかにした。
貞慶の笠置寺復興とその宗教構想 2009年 3月 仏教史学会2009年3月例会 南都復興運動の一環としてなされた貞慶の笠置寺再興の問題を考察した。貞慶は笠置寺で新たな堂塔を整備し、儀礼を挙行した。そうした堂塔と儀礼に纏わる表白・願文・勧進状など唱導資料が多く伝来しており、対句や駢儷文を駆使した極めて巧みな作品群である。それらを分析した結果、そこには日本を神国・仏国と見る肯定的国土観が披瀝されていることが明らかとなった。そして貞慶の優れた唱導活動によって、笠置寺は中世的に再生し得たと結論付けた。
八幡講式をめぐって 2009年 9月 日本宗教学会第68回学術大会 八幡神を祭祀する仏教儀礼の次第書であり、優れた唱導文芸テクストでもある『八幡講式』を分析。東大寺図書館蔵『八幡講式』など諸伝本を二系統に整理し、特に伝本の多い三段式の系統を流布本とし、次に伝本が多い久我長通作の五段式の系統を久我本として、双方の思想・文体的特色について比較検討を行った。その結果、流布本は本来、天台宗の安居院流おいて成立したものであり、五段式はそれを基に、久我長通が真言密教の立場から増補したものであったことを明らかにした。
中世神道論における冥と顕―慈遍を中心に― 2011年10月 日本思想史学会2011年度大会 南北朝期の神道家としても知られる天台密教僧の慈遍の思想を分析した。慈遍は冥・顕という枠組みを用いて、自己の思想を構築してゆく。ここでは彼の神道著作として著名な『旧事本紀玄義』における冥・顕の議論と、従来は充分に活用されてこなかったもう一つの神道著作である『天地神祇審鎮要記』における冥・顕の議論を比較分析したが、そのことは中世の神仏説話を支える基本的な世界観の解明に資するものである。
中世の神祇・神道説と東アジア 2012年 6月 説話文学会50周年記念大会シンポジウム「説話と資料学、学問注釈―敦煌・南都・神祇―」 中世の神明説話や神道説の問題を、日本国内の問題に限定せず、広く「東アジア」という視座から捉え直すための基礎的考察を行った。日宋貿易・元寇・舶来の禅宗などのインパクトを受けて、中世の神をめぐる言説が展開したことを、寺社縁起や延慶本『平家物語』などを素材にして多面的に論じた。
中世の巡礼をめぐる冥界と曼荼羅の問題 2012年10月 日本思想史学会2012年度大会シンポジウム「巡礼・遍路の思想」 中世の巡礼にまつわる縁起や説話には、冥途蘇生譚が多く見出せる。それは、巡礼の目的地である「聖地」である寺社が、地獄などの他界と繋がっているとする観念を強く伴っている故であることを明らかにした。また聖地は、密教の曼荼羅世界(浄土・仏の世界)であるとも考えられていたことを、唱導説話などを素材に論じ、こうした巡礼・聖地をめぐる複雑な中世的観念が、常に中世文芸の想像力を刺激していたと結論付けた。
中世巡礼の精神史 2012年10月 巡礼記研究会第9回研究集会 西国観音霊場の開創説話を詳細に分析し、その主要モチーフが修験者的な僧侶の冥途蘇生譚にあることに注目。さらに『法華験記』・『今昔物語集』といった説話文学作品や各種霊場寺院の縁起伝承に見る冥途蘇生譚の系譜をたどりつつ、巡礼が庶民化する中世後期社会においてもなお、そうした冥界信仰が巡礼の精神的背景をなしていたことを論じた。
白毫寺一切経縁起と死穢の問題 2013年 6月 日本宗教民俗学会2013年度大会 律宗寺院である白毫寺の縁起説話の成立背景を分析した。白毫寺は中世都市奈良の庶民が埋葬される広大な葬地であったが、死者供養を目的とする同寺の年中行事たる一切経会では、近隣の春日大社の祭神である春日大明神が祭られた。死の穢れは神にとって最大のタブーであるが、『春日権現験記絵』の説話にも窺われるように、中世の春日信仰は死者救済と結びつくものであったことを明らかにした。
西大寺十代長老「清算」考 2013年12月 日本仏教綜合研究学会第12回大会 新資料に基づき、これまで殆ど注目されることのなかった南北朝期の奈良西大寺の住職であった清算という僧侶に光を当てた。彼は舎利(釈迦の遺骨)信仰に熱心であり、興福寺南円堂の修造に際して、大量の舎利を発見し、それを室町幕府による安国寺・利生塔の計画に呼応する形で、全国の国分寺の塔への奉納を構想した。さらに舎利信仰による鎮護国家を志向するなど、南北朝動乱期に対応した宗教活動を展開していたことを明らかにした。
中世の神と死者 2014年 1月 比較思想学会2013年度近畿支部例会 中世奈良の白毫寺で行われていた一切経会という法会について、その内容を次第書の調査に基づき分析した。一切経とは5千巻を超える仏教経典総体を指す。この儀礼は10日間に亘って、その一切経を供養するものであるが、同時に死者供養の機能も果たしていたことを明らかにした。さらにそうした死者供養儀礼でありながら、神祇信仰とも深く関わる点に特殊性が認められることを指摘した。
平安期宗教思想史と西行―西行にとって〈伊勢〉とは何だったのか― 2014年 8月 第6回西行学会大会 西行晩年の伊勢移住の理由をめぐっては諸説あるが、西行の伊勢神宮への信仰という契機を重視した。西行は密教における月輪観を実践したと考えられているが、月輪観が強調する心の清浄性は、中世の伊勢をめぐる神道思想が非常に重んじた清浄性と通じるものであることを指摘。西行の伊勢移住を、中世初頭の宗教思想史の側から考察することの意味を論じた。
中世の白毫寺における経供養儀礼について 2015年 9月 日本宗教学会 これまで奈良の白毫寺の一切経会について、幾つかの報告を行ってきたが、ここでは『白毫寺経会式』(仮題)という次第書を資料として、法華経の書写・供養の儀礼を復元的に考察しつつ、中世宗教儀礼史研究への射程を示した。
日本中世の〈穢れ〉観念をめぐって―大会シンポジウムに向けて― 2016年 5月 日本宗教民俗学会2016年5月例会 翌月に開催される日本宗教民俗学会2016年大会シンポジウム「〈穢れ〉をめぐる領域間の対話と議論の共有」に向けて、コーディネーター兼司会を務める立場から、シンポジウムの趣旨・狙い・問題の所在などを明らかにする報告を行った。
南都律僧清算の舎利信仰と戒学をめぐって 2016年 6月 中世史研究会6月例会 南北朝期の南都律僧たる清算についての個別研究は乏しいものの、仏教学の立場から、その教学(戒学)の特質が明らかにされつつある。本報告では、清算の舎利信仰を軸にした宗教活動を分析し、それとの有機的な関係において、彼の教学の問題をも捉えようと試みたものである。
伊勢における西行の思想と信仰をめぐって 2016年 9月 仏教文学会2016年度大会 西行が晩年を過ごした伊勢は、彼の和歌・思想・信仰にとって非常に重要な意味を持つ。本報告では、『千載和歌集』に入集した伊勢内宮(天照)の本地仏たる大日如来と詠んだとされる一首を、真言密教における観想の実践や、初期両部神道の問題を背景に分析した。
中世南都の神仏習合と天照 2016年12月 仏教史学会2016年度大会 中世初頭の院政期を中心に、春日社・興福寺における神仏習合言説の形成と展開について考察したもの。具体的には、「承平御託宣」「二神約諾神話」「春日本地説」などについて、摂関家や院権力との関係、春日社ー興福寺の一体化、末寺支配のイデオロギーといった観点から分析を加えた。
中世真言宗における春日信仰について 2017年 9月 日本宗教学会第76回学術大会 中世の春日信仰については、春日社と一体化していた興福寺僧の事例ー特に解脱房貞慶などーについては研究蓄積があるが、真言宗にも春日信仰が見られる。春日神の本地説や、主に勧修寺流に関わる聖教など新資料を紹介しつつ、中世春日信仰の新たなる側面に光を当てた。
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コラム執筆

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
六国史 単著 2003年 3月 『歴史群像シリーズ69―歴代天皇全史―』(学研) 古代国家の威信をかけた修史事業の実態について平易に解説した。
聖地巡礼と心・体 単著 2008年10月 『アジア遊学』115号 聖地の巡礼には、実際にその地へと赴くものと、瞑想(イメージ)の中で聖地を巡礼するという特殊な形態があったことを簡潔に論じたもの。
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資料翻刻

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
孝感冥祥録 上 共著 2006年 2月 佛教大学松永研究室内「くずし字研究会」 近世浄土宗の勧化本(版本)を研究会メンバー共同で翻刻し、写真版と対校できるよう版組し、私家版として刊行。内容的には、儒教的な孝の倫理と浄土宗の信仰を融合させた庶民教化のテクストで、東北地方に展開した浄土宗信者の霊験説話を豊富に収録したもの。
孝感冥祥録 下 共著 2007年11月 佛教大学松永研究室内「くずし字研究会」 近世浄土宗の勧化本(版本)を研究会メンバー共同で翻刻し、写真版と対校できるよう版組し、私家版として刊行。内容的には、儒教的な孝の倫理と浄土宗の信仰を融合させた庶民教化のテクストで、東北地方に展開した浄土宗信者の霊験説話を豊富に収録したもの。
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入門書の分担執筆

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
中世神話の世界―「日本神話」の再解釈・再創造(1)― 共著 2010年 5月 『躍動する日本神話―神々の世界を拓く―』(森話社) 斎藤英喜・武田比呂男他総15人の共同執筆になる『躍動する日本神話―神々の世界を拓く―』は、大学生が神話を学ぶ際の入門書として、記紀神話を専門とする古代文学研究者が中心となって作成したもので、筆者担当部分では、記紀神話の中世的変容=中世日本紀について、初学者に理解できるよう意識して平易に解説した。
神仏習合と中世神話 共著 2015年 9月 斎藤英喜編『神話・伝承学への招待』(思文閣出版) 大学学部生向きの平易な入門書の一章を分担執筆したもの。日本古代から中世に亘るの神仏習合思想の実態を具体例に即して解説した。
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公開講座・講演

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
愛染明王と八幡神 単著 2011年12月 神奈川県立金沢文庫「県立機関活用講座」 金沢文庫で開催された特別展「愛染明王―愛と怒りのほとけ―」に連動した企画で講師を勤め、中世の愛染明王と神祇信仰の密接な関わりについて、研究成果を報告した。
『古事記』に見る海の神々 単著 2012年 7月 大阪船舶クラブ 『古事記』に登場する海の神々に対する日本人の信仰について、特に住吉信仰やエビス信仰を中心に研究成果を報告した。
保元の乱から鎌倉開幕への道程 単著 2012年 9月 神戸ファッション造形大学公開講座「平家の時代」 源氏・平氏の成り立ちから、平清盛の活躍、そして鎌倉幕府成立へと至る過程を、研究史を纏めながら報告した。
仏教におけるあの世―浄土と地獄― 単著 2012年10月 NPO法人想像文化研究組織「死生学研究」 日本人の他界観・死生観・霊魂観という問題に対し、仏教における地獄・極楽の信仰から論じたもの。
七夕と伏見稲荷大社 単著 2013年 7月 京都府宇治田原町文化センター あらぐさ講座「歴史と文化」 日本の伝統行事・信仰について、七夕の起源と稲荷神に代表される農業にまつわる信仰を素材に論じたもの。
謎解き京都探訪 単著 2013年 8月 京都市生涯学習総合センター ゴールデン・エイジ・アカデミー「京都不思議発見の旅」 京都の歴史について、石清水八幡宮・北野天満宮・八坂神社を中心に、前近代の「神仏習合」の視点から論じたもの。
中世の神と死者 単著 2013年10月 就実大学吉備地方文化研究所公開講座 中世奈良の白毫寺で行われていた、春日信仰と深く関わる死者供養儀礼である「一切経会」について研究成果を報告した。
共生する神と仏 単著 2014年 4月 京都市生涯学習総合センター アスニーセミナー 自然環境問題を考えるための入射角として、神道・仏教における自然観を考察し、その可能性や限界点について、研究成果を報告した。
日本古代の死生観―仏教の衝撃ー 単著 2015年 5月 NPO法人想像文化研究組織「死生学研究」 日本古代の死生観を、縄文・弥生時代の事例や『古事記』の神話から探り、さらに外来の思想・文化である仏教が伝来したことで、いかなる変動が惹起されたかを平易に語った。
御霊信仰と京都 単著 2015年 8月 京都市生涯学習総合センター ゴールデン・エイジ・アカデミー「隠れた京都の魅力探訪」 平安時代の京都の歴史に「御霊信仰」というキーワードから接近した。御霊とはいわゆる怨霊以外に、疫神をも指しており、京都文化の象徴と言える祇園祭も、かつては「祇園御霊会」と称された。そこに「怨霊の文化」の形を見出すことができると論じた。
高野山開創1200年記念企画 空海と景教(ネストリウス派キリスト教)―A・E・ゴルドン博士の描く〈遥かな文化交流〉の可能性― 単著 2015年 8月 株式会社JR西日本コミュニケーションズ「関西歴史重要文化財研究会」 エリザベス・アンナ・ゴルドン博士(1925年没)の著書『弘法大師と景教』を素材に、博士が思い描いた「仏教とキリスト教の思想的同一性と歴史的的に両教が交渉した可能性」という議論について、現代の立場からそれをどう受け取るべきか論じた。
日本文化と呪術を探る 単著 2016年 6月 JR西日本コミュニケーションズ「関西歴史重要文化財研究会」 呪術を、その基本的性格である「模倣」という視座から解説し、さらに日本の歴史・文化に息づく呪術的な思考の有り方について、一般向けに簡明な論調で講じた。
本地垂迹信仰と中世神話―「神仏習合」思想の展開― 単著 2016年 7月 仏教大学四条センター講座「魅惑の神話・伝承学」 奈良・平安から中世の神仏習合思想について解説した。特に日本古代の神話が本地垂迹思想の影響下に、仏教的な解釈は加えられ「中世神話」として展開する過程を詳しく講じた。
「『愛宕地蔵物語』の宗教思想 単著 2016年 9月 岩瀬文庫 第172回 研究フォーラム「越境する絵ものがたり」 室町時代物語の一本である『愛宕地蔵物語』の成立と内容について、特に宗教思想の視点から、市民向けに平易に解説した。
日本文化研究と自然環境 単著 2016年11月 金城学院大学日本語日本文化学会秋季大会 「日本人は自然に優しい」「日本文化は自然と共生する優れた文化である」といった一種のエコナショナリズム的な日本文化観を批判的に検討し、日本文化を研究する際の立ち位置について平易に講じた。
禅の心と日本文化 単著 2016年12月 JR西日本コミュニケーションズ「関西歴史重要文化財研究会」 近年、外国では「zen」がブームである。そうした動向を受けて、日本人として改めて禅について学ぶ入門講座を開き、禅が影響を与えた各種の日本文化について幅広く、一般市民向けに解説した。
禅の歴史と日本文化―その歴史と魅力を探る― 単著 2017年 6月 JR西日本コミュニケーションズ「関西歴史重要文化財研究会」 日本における禅の歴史について、一般市民向けに解説した。特に戦国武将と禅宗の関係に注目し、また戦前と戦後では日本に研究者による禅の語り方にどのような変化が生じているかといった点にも言及した。
桃太郎ゆかりの地を巡る! 単著 2017年10月 金城学院大学エクステンションプログラム 昔話「桃太郎」をめぐる講義を大学で市民向けに行い、続いて犬山市の桃太郎神社などを訪れ、現地学習を行った。
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雑誌記事執筆

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
神社とお寺・仏教ゆかりの神々 単著 2012年 1月 『大法輪―神社・神道の常識と雑学―』(大法輪閣) 中世の神仏習合について概説した。弘法大師空海と伏見稲荷の説話、八坂神社(祇園社)・金刀比羅宮などを例に、寺院と神社の密接な関係について分かり易く論じ、近代以降に見失われた信仰の形を示した。
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書評

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
伊藤聡著『中世天照大神信仰の研究』 単著 2012年 7月 『説話文学研究』47号 伊藤氏の著書は、中世文学研究が開拓した新たな学問的地平である中世日本紀(中世神話)の問題を、日本思想史の側から捉え直すことで、文学と歴史学の架橋を図った意欲的な成果であることを評価した。さらに中世文学の射程と可能性が示された点にも高い意義があることを述べた。
末木文美士『草木成仏の思想―安然と日本人の自然観ー』 単著 2015年10月 『日本思想史学』47号 末木氏の著書は、日本人の自然観を単純な形で賛美することなく、忘れられた思想家と言える平安前期の天台僧である安然の「草木成仏思想」を再評価した優れた成果であることを論じ、また残された課題等についても言及した。
牛山佳幸『善光寺の歴史と信仰』 単著 2017年 3月 『佛教史学研究』59巻2号 牛山佳幸氏の『善光寺の歴史と信仰』の内容を詳細に紹介し、かつての善光寺信仰の研究書として著名な民俗学者・五来重氏の『善光寺参り』と比較しつつ、実証史学の成果として高く評価できることを論じた。
書評 小田悦代『呪縛・護法・阿尾奢』 単著 2018年 3月 『宗教民俗研究』25号 小田悦代氏の単著『呪縛・護法・阿尾奢』について、最近の研究動向を見渡しつつ、その中で本書が、民俗学・歴史学・文学に資する成果として評価できるものであることを論じた。
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研究集会での発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
熊野から伊勢へー西行と修験・神道説をめぐってー 単著 2015年 8月 紀州地域学共同研究会 国文学研究資料館古典籍共同研究事業センターとの共催で行われた、「紀州地域学共同研究会 研究集会─2015夏」(於・和歌山大学)の「公開シンポジウム 紀州地域の道と景観・儀礼・芸能」にて、平安末期の歌人である西行と紀伊・伊勢地域との関わりについて発表した。
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研究会での発表

著書名 単著、
共著の別
出版年月 発行所・発表雑誌等 概要
『白毫寺一切経縁起』とその周辺-律僧・死穢・春日の説話- 単著 2016年 1月 第四回 名古屋中世文芸・歴史研究会 中世南都の律院である白毫寺における、最大の年中儀礼であった一切経会の創始に纏わる縁起伝承を、特に春日信仰と死穢観念克服の問題に注目しつつ、分析し報告した。
中世宗教思想史の行方―儀礼研究と世俗化(近代化・合理化・脱呪術化)論をめぐって― 単著 2017年 8月 第3回「思想史の対話」研究会 日本思想史学会の内部組織である「思想史の対話研究会」において、時代区分を越えた思想史研究者の相互の対話を拓くという目的の下に、中世思想史における「非合理性」と「合理性」の問題を考察・報告した。
御伽草子『愛宕地蔵物語』の成立をめぐって―物語の構造と唯心思想― 単著 2017年 8月 東海思想史研究会 従来、個別研究の存在しなかった御伽草子の一作品である『愛宕地蔵物語』の成立背景に対して、「唯心思想」という観点からのアプローチを試みた。中世から近世への「心の思想史」に向けての基礎的作業として位置付けられるもの。
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